憧れとロマンで投げる170km -3ページ目

コーチング

トレーナーが心掛けるべきことはコーチングということ。

コーチ、トレーナーがすべきことは選手を高めることです。


コーチというものは選手がいるから存在しています。

コーチするときに心掛けることは選手をリスペクトすること。
選手にダメ出しは必要ありません。

ああしろ、こうしろ、という上からの指示も必要ありません。

選手とコーチは対等です。

選手はうまくなる為にたくさん考えています。

動きながら「どうすればいい…?」と深く自問しています。

そんな選手の貴重な思考を邪魔してはいけないのです。

選手が自らのからだと向き合い、

対話することが、向上の最短の近道です。

ではコーチはなんの為にいるのか。
コーチは選手の自問と思考を強化・補助する為に存在するのです。


「いまどんな感じ?」「どういう意識で動いてるの?」

多用すべき言葉です。

 

この問いかけが選手の思考に波を作ります。

そして選手からは選手なりの考えが返ってきます。

 

それについてコメントをしたり、違う言い回しや表現をして言い換えたりして、

選手の自問に参加します。

 

コーチは選手の頭の中にいるであろう人格のひとつとなるのです。

自分の考えを客観的に表現してくれるコーチの存在こそ、

選手にとって意味のある存在になります。

そしてほかにもよく使うべき言葉は
「そうそう!」「いまの良かった!」

「いまのはらしくなかったね」

「惜しかったね」


これは選手の自己評価を高める、

もしくは下げない為の声掛けです。

 

うまくいったときは気持ちを乗せる、

いかなかったときは気持ちが落ちないようにする。

 

○○だからいいね!とか、○○なのがいいね!

と理由や具体的な誉めるポイントも出来る限り表現し伝えます。

アドバイスは求められない限り極力控えること。

選手は自分で成長したいのであって、

育てられたいわけではないんです。
あれこれ指図してアイツはオレが育てたんだ!と

言いたい気持ちもあろうかと思いますが、

それはコーチではありません。

 

コーチは選手をより速く快適に目的地に運ぶ馬車の車輪なのです。

 

そして最も重要なのは人と人との繋がり、互いのリスペクトです。

心の持ち方

野球に限らずですが、

心はよく揺れる、ぶれるものですよね。

もうダメなんじゃないか、やる気が出ない、

こんなことして何の意味があるんだ、楽しくない。

感情の浮き沈みが激しい人は「メンタルが弱い」と言われますが、

心に、強さ、弱さはありません。

強いからGood、弱いからBadではなく、

心はどう持つかだと思います。

どんな状況であっても物事には表と裏、光と影があります。

良い面にフォーカスすれば良い面が拡がり、

悪い面にフォーカスすれば悪い面が拡がります。

心は驚くほど簡単に変化します。

不安定だからこそ、心を良いバランスで保つこともまた可能だと思います。

心が沈みきったことがある人こそ良い方向に進む力を持っています。

そういう人は推進力があるからです。

ベクトルさえ変えれば浮かび上がるポテンシャルが高いと思います。

欠点についても、足りないものにフォーカスするのではなく、

持っている良い面だけを見つめることによって、

いつのまにか不足している部分までも満たされていきます。

下半身を使って投げる

5つのエンジン

SSC

『SSC』=『Stretch Shortening Cycle』(伸張-短縮サイクル)

伸ばした筋肉がゴムやバネのように縮むことです。

例をあげると、ジャンプする時は自然と跳ぶ前に少ししゃがみます。

これはしゃがむことによって跳ぶ為の筋肉を伸ばしているのです。

跳ぶ為の筋肉を縮めることによって跳躍ができます。

このSSCを投げる動作で使います。

OKCとCKC

OKCとCKCという概念があります。

Open Kinetic Chain

Closed Kinetic Chain

 

簡単に言うと意味は地面に四肢が接触しているかいないかということで、

接触していないオープンだと体にマイルド、

接触するクローズはシビアになります。

 

訓練はオープンから始まり、

徐々に難易度を上げ、クローズにしていくというのが一般的です。

例えばスクワットをしてもらうとします。

普通の立った状態で行うスクワットはクローズ、CKCです。

足が地面に着いていて、足の裏自体は地面から離れません。

これは重力に対して体の平衡を常に一定に保つ能力が要求される為、難易度が高いです。

次に仰向けに寝て貰い、片脚を曲げて挙げてもらいます。

トレーナーは挙げてもらった脚の膝上と踵に手を当てて抵抗を加えます。

抵抗に反するように患者さんには片脚を伸ばして貰います。

片脚スクワットに似た動きになりますが、

地面に足が着いていないのでこれがオープン、OKCになります。

平衡を保つ必要はなく、片脚の動きにだけ集中することができます。

投球フォームについて考えるとき、

この概念を知っておくと理解が深まると思います。

後ろ脚の倒し方や伸ばし方、前脚の挙げ方や着き方、

伸ばし方、曲げ方。

地面に着いている足の操作は難しいものです。

平衡をコントロールしつつ加速動作や減速動作をしなければならないからです。

そして平衡力は筋力や持久力があれば比例して向上するわけではありません。

神経が断裂し筋が使えなくなった患者さんでも立つ動作や歩く動作を重心移動などで行うことができます。

実戦的に使えるようにフォームを変えていくには

OKCとCKCをうまくブレンドしたドリルを進めていくと効率良く取り組めると思います。

肘の痛み

肘の障害は主に3つに分けられます。
内側
外側
後ろ側
これらが複合することもあります。

痛みの出る部位によって、
フォームの改善点を探ることができます。


内側に痛みがある場合、
肘に外反ストレスがかかっています。
いうなれば、
曲げてはいけない方向に曲げようとしている、
ということです。
 

肩関節の外旋が足りていないと、

肘が本塁方向に正対したときに、

腕が寝ずに立ってしまいます。

腕が立った状態で加速することで、

肘に外反ストレスが掛かるのです。

 

肩の痛み

怪我が多発する部位が肩です。
肩の前、横、後ろに分類されます。
肩を傷める原因は3つあります。

ひとつめは、ハイパーアングル。
上から見て、肩甲骨の面に対して腕を後ろに引きすぎてしまうこと。
胸や肩の連結部の前に伸張ストレスが かかる。
これを繰り返すことにより炎症が起こり、肩の前が痛くなります。

ふたつめは、フロート不全。
腕が浮き上がってこない為にゼロポジションを作れない状態。
肩の横側を傷めます。
原因は重心の落下が足りない為にこの現象が起こります。

みっつめは減速不調和。
リリース後の減速の為の脊柱と前股関節のトルクが
不足していると肩が引っ張られ、肩の後ろを傷めます。

腰 わき腹の痛み

背骨の捻りで怪我をする恐れがあるのは、
わき腹と腰です。

かのランディ・ジョンソンも
脊柱トルクが強すぎてヘルニアになりました。
イチローも
脊柱トルクが強すぎて、わき腹を痛めました。(腹斜筋挫傷)

投球やバックスイングは腹筋を使って体を捻るものではありません。
あくまで捻るのではなく
捻られるようにしてください。

腹筋や腹斜筋は姿勢保持筋であるので、
スタミナはありますが瞬発力、パワーはありません。
よって力を生み出すタイプの筋肉ではありません。
力を伝える筋肉であることを意識してください。

焦らずにロスなく順序良く

生みだしたエネルギーをロスなくボールに伝える。
ふらつかず、固まったフォームで投げるということです。


カラダが流れる、つんのめるといった外観や感覚があるならば、
まだまだ改善の余地があります。

 

また毎回投げるたびにフォームが異なり、
フォームの再現性が低いというのも改善の余地を残しています。

 

肩や肘などの局所に痛みが出たり、

違和感、疲れが出るというのも
改善が必要。
からだ全体が万遍なくだるく疲れてくるのが理想的といえます。

きれいに美しく投げる為に段階、順序、順番を探していきましょう。
定められた手順を踏んで、
ボールリリースに至る必要があります。
生みだされたエネルギーを使う手順というものを、
正しく消化していくということです。

すなわち、
エネルギーを集め、
股関節を使い、
脊柱を使い、
肩甲骨を使い、
肩関節を使い、
橈尺関節を使って指先を加速してから、
指先からボールを放つということ。

そしてリリース後は、
橈尺関節を使い、
肩関節を使い、
肩甲骨を使い、
脊柱を使い、
股関節を使って、
指先を減速する。
つまり行きとは逆の順序で折り返します。

力を溜めてアクセルを踏んだ後は、
ブレーキで減速する必要があります。
この手順を外したり誤ったりすると、
怪我や暴投が起こります。

ボールは指先から送り出される。
だからといって焦らず、
順番通りに作業をこなしてから、
指先がボールを離す、
後ろ股関節は使い切っているか、
脊柱は使い切っているか、
肩甲骨は使い切っているか、
肩関節は使い切っているか、
橈尺関節は使い切っているか、
常にからだと対話し、向き合いましょう。

どこかやりきっていないのに、
関節を追い越すと、
エネルギーのロスが起きることはもちろん、
フォームが不安定になり、姿勢が崩れます。
その分エネルギーがあちこちに散らばり、
関節や靱帯や筋肉に小さな傷を作ります。
いずれは痛みや怪我となってからだに現れます。

決して焦らずに、手順どおりに巻いていきましょう。