鰹節の種類と呼び方①荒節と枯れ節 | だしのある暮らし

鰹節の種類と呼び方①荒節と枯れ節




米すたいる冬号に掲載されたコラムで、
かんぶつの目利き「鰹節」について書かせていただきました。



以前にブログ記事にしたものと共通する部分もありますが、
身近にありながらあまり知られていない鰹節のこと。

あらためて、少しずつですが紹介していきますね。

まずは、荒節と枯れ節について。

皆さん、「鰹節」というと冒頭写真のような姿を思い浮かべませんか??
ところが!
身近に売っている削り節のほとんどがこれではないのです!
では・・・??



鰹節には、荒節(あらぶし)と枯れ節(かれぶし)があります。






左:荒節                              右:枯れ節



生のカツオが鰹節になるまでには、

生切り=解体、切り分け

煮熟(しゃじゅく)=煮る

焙乾(ばいかん)=いぶす

修繕・整形

日乾(にっかん)=天日干し
カビ付け

などいくつもの工程を経て作られますが(上記以外にも細かな作業工程がたくさんあります)

燻す工程までのものを「荒節」

その後天日干し、カビ付け(熟成)したものを「枯れ節」

更に天日干し、カビ付けを3~4回以上繰り返したものを「本枯れ節」と呼びます。


本枯れ節になるまでにはなんと約6ヶ月くらいかかり、
更に1年、2年と寝かせ、熟成させていきます。

一口に鰹節といっても荒節と本枯れ節では
これだけの工程の違い、かかる手間と時間の違いがあります。

もちろん荒節だとしても、仕上がるまでは何度も燻すなど
かなりの手間が掛かっているのですが!






外見での違いは


荒節


表面は黒くゴツゴツしていて加工用として主に削り節やだしパックなどの原料になります。

このような形で目にすることはありませんが、量販店などで売っているほとんどの削り節は
この荒節の周囲を削り取った節(裸節と呼ばれる)などを原料としています。





本枯れ節

表面は茶色く滑らか。主に高級料亭や日本蕎麦店で使用されます。
家庭で削る時はこれを選びます。
本節は枯れが進むほど乾燥し固くなるので、削りが難しく感じる場合があります。

初心者向けに、お店によっては枯れの若い(あまり枯れていない)ものや
なまり節に近いもの(水分が多く柔らかいもの)をすすめるところもあるようです。

皆さんがふと思い浮かべる鰹節の姿。(冒頭写真)
これは、本枯れ節のなかでも「本節」と呼ばれるものです。
このような高級な本節が一般の量販店などで削り節の形で売られていることはまずなく、
専門店や、こだわりの品を置く百貨店などでしか入手が困難なものです。
実際、生産量もごくわずかで貴重なものです。

ところで・・・これだけ手間ひまをかけて作られる本枯れ節。
カビ付け(熟成)の作用にはどんな事があるでしょう?

①水分が吸収され乾燥し、長期間保存がきくようになる。

②脂肪分が分解され、すっきりした清澄なだしになる。

③うまみ成分が増し、まろやかで深みのある味になる。

このことからも、だしをとった時にも日持ち期間に違いが出ます。


鰹節は、高価なものとして古くから贈り物などに重宝されていましたが、
なるほど、美しく仕上げられた本節の姿からは職人の丹精込めた仕事ぶりが伺えます。

「かつおパック98円!」などとチラシ広告が打たれると
ずいぶん安売りされちゃってるな~・・とちょっと悲しくなりますが、
是非一度、本物の本枯れ節(本節)を手にし、違いを味わってみてはいかがでしょう?



  本枯れ花かつを                       本枯れ鰹厚削り(江戸前鰹けずり)
   


***



いつも読んでくださってありがとうございます。
ランキング 
和食・日本料理部門でなんとか位にぶら下がり中
ポチっと応援よろしくおねがいいたします♪



【送料無料】お年賀に!池田屋ニューイヤーハンパー

話題の食べる削り節とベルガモットオイルがセットに。
tatamifukuデザインの雪だるまカード付き