ギバチをようやく手にした後、同じ川を下りながら次にヒガシシマドジョウを探した。

 

すると一箇所、堰の下のフラットなコンクリのベッドの上に数尾発見。砂地でなくて意外だったが、密生している藍藻を砂代わりにしているようだった。

 

ギバチの仕掛けのハリを新半月に替え、キヂも短くして口元にそっと置いたが、どの個体も喰い込まなかった。キヂではダメかと思い、納竿後に上州屋でアカムシを購入した。

 

翌朝、この川の近くの、ヒガシシマドジョウを確認済みの水路へ行ってみた。だがシマドジョウの朝は遅いらしく、釣獲困難なサイズが1、2尾しか出て来なかったので、ここは後回しにすることにした。

 

元の川の前日のポイントに戻ってみたが、魚影がないので、ずっと下流の本流との合流点近くまで行ってみた。

 

すると、一箇所、堰の上流が砂泥底のいい感じの環境になっていて、巨数尾やカマツカ類を含む魚影が濃かったので、底を凝視したところ、あちこちにドジョウ体形の魚を確認!

 

ここで粘ることにして椅子に座り、前日と同じ仕掛けに付けたカットしたアカムシを魚の目の前にそっと置いた。

 

だが案の定、環境の良さが裏目に出てタモロコオイカワカワムツにエサを取られる。

 

何時間かこれの繰り返しの後、川の中央近くに一尾確認。遠すぎて送り込みで振り込まざるを得なかったのでそうしたところ、運よく口の近くにアカムシが落ちたようで、しかもエサ取りがいない場所だった。

 

頃合いを見計らって聞きアワセをしたところ、プルプルとドジョウらしい動きで抵抗した後、水面から上がってきて竿より短い仕掛けのせいで斜め上を通り過ぎて後方へ。

 

その時点ではやけに茶色かったのでひょっとして普通のドジョウかと危惧したが、目の前まで戻ってきたのをよく見ると斑紋が映ったのでヒガシシマドジョウだと確信!

 

早朝に終わると見込んでいたのが半日がかりになり疲れ果てていたので、いつもなら「釣れたー」となるところ、「づれだー」と地獄の底から湧いてくるような声が漏れていた(笑)。

 

初めて釣ったヒガシシマドジョウ

 

初ヒガシシマドジョウの俯瞰

 

初ヒガシシマドジョウの腹側

 

初ヒガシシマドジョウの別影。とてもフォトジェニックな魚だ。

 

初ヒガシシマドジョウの顔

 

ヒガシシマドジョウのハビタット

 

かつて日本にはシマドジョウ、ヤマトシマドジョウ、スジシマドジョウという3魚種しかいなかったが、このうちシマドジョウ東日本グループと呼ばれていた群が2012年の論文によりヒガシシマドジョウという新種となった。

 

ヒガシシマドジョウを狙い始めたのは2019年の秋からで、ネット情報に基づいて北日本の太平洋側の河川を複数訪れてみたものの、津波の影響や溜まり場を見つけられなかったりで、なかなか出遭えなかった。

 

今年の春には今回初物を釣ることができたのと同じ水系と宮城、山形の河川を探索したが、見つからなかった。

 

そして今回の遠征では、岩手と宮城の計三本の小河川でウェーディングして探し、二本で一尾ずつ見つけられたが、いずれも見失った。

 

遠征の中では最後の候補となる今回の川でなんとか釣ることができ、しかもその前にはギバチ探しも終わらせてくれ、ホントにいい川だった。