2016年8月、某地区の比較的新しい魚類調査の結果を偶然ネットで見つけた。
それによると、ある用排水路群には1メートルあたり約6尾のドジョウがおり、しかも他の魚種は圧倒的に少ないとのこと。
早速この日の朝早くから訪れてみた。まずは、小さな用水路が土管を通って小さな川と合流しているポイントで竿を出してみた。
仕掛けは、たなご用のウキ仕掛けで、ホリデー小継の穂先4本に結んで板オモリを増やしてドボン仕掛けにした。ハリはタナゴ極小でエサはキヂをハリの長さほどに切って通し刺しにした。
仕掛けの準備をしていると、土管の出口から5センチほどのドジョウが出てきた。「しめた!」と思った。本当にこの辺りは今でもドジョウが濃いようだ。
せっかくだから大き目の初物を釣ろうと思って深みを探ったが、釣れないのでその用水路の上流を探ることにした。
何箇所か見て回ったがボサが多すぎて竿を出せないので、少し離れた水路へ向かっていると、田んぼの前に素掘りの用水路があり、水はほとんどなかったが一箇所だけ水深5センチほどのスポットが開いていた。
そこへ仕掛けを投入と同時にドジョウが空気呼吸のため上がってきた。二度目の「しめた!」だと思った。しかも普通サイズのドジョウだ。
何尾も上がっては空気を吸って潜っていく。ただ春に別の場所で同じようなシチュエーションで全くエサを食わなかったことがあったので、酸欠状態では釣れないのではと心配になってきた。
そんな中、聞きアワセをしてみたところ、プルプルという感触が伝わってきた。そして思っていたより茶色味がかったニュルニュルが上がってきた。やったー、ついにドジョウを釣った!
初ドジョウの尾柄部
初ドジョウの背ビレ
初ドジョウの俯瞰
初ドジョウの腹側
初ドジョウ近影
子供の頃はまだドジョウは、コンクリ三面水路にも関わらず側面の水面近くに小さい個体がうようよ泳いでいて、網で採った記憶がある。それも今は昔、全く見られなくなって福岡県では絶滅危惧種だ。仕方ないので一時はアメリカワシントン州のレイクで釣ろうかとも考えていたが、ブリッジリップサッカーがどうしても釣れなかったので時間が割けず実現しなかった。これでようやく長年の荷が下りた。
2020年10月に兵庫県内の田んぼの用水路升でカットアカムシを使って釣ったドジョウ(同一個体)