本州へまた遠征に行ってきた。
狙いの一つはホンモロコ。タモロコと近縁種だが、日本固有種であり、また少年時代から参考にしていたダイワの釣魚全集や少年つり百科湖沼づり編などに出ているのはホンモロコの方だったこともあり、カウントすることにした。
この魚、普段は琵琶湖の沖合に棲んでいて、産卵期である春にだけ接岸するので、釣るならこの時期しかない。
行った場所は湖北の某所で、五月の中旬だったのですでにピークを過ぎていてしかも土曜だったので、他には数人しか釣り人がいなかった。
ゴールデンウィークくらいまでが釣り期とされているので、果たして釣れるだろうかと思いながら、七尺のたなごウキ仕掛けにアカムシを付けて始めた。
たなご仕掛けを使ったのは、実はゼゼラも狙っていたからだった。そのため流れながら最終的にはエサが底に着くようにオモリを調整した。
そして数投目、流れ切りそうになった頃にスーッとウキが沈んで行ったのでアワセると、まるでフナがかかったようなすごい引き。
だが水面から飛び出てきたのは細長系だった。
手元に寄せて見ての第一印象は、タモロコ?だった。それもそのはず、抱卵しているメスだったので体高があってずんぐりしているように見えたのだ。
だが水につけてよーく見てみると、吻が長く、下顎も長くて受け口になっていた。間違いなかった、ホンモロコだった。こんなにあっさり釣れてくるとは思わなかった。
初めて釣ったホンモロコ
初ホンモロコの頭部
ホンモロコのヒゲ。瞳の直径よりも短い。
ホンモロコの俯瞰
ホンモロコの腹側
初ホンモロコ別影
開始早々に本命が釣れたが、その後は20〜30分に一尾しか釣れず、またゼゼラは釣れなかった。
オスと思われる本来の細っそりした体型のホンモロコ
小さい頃に関西の武庫川で人生で初めて釣った魚がホンモロコだったとずっと思っていた。ところが、40年以上経ってこうしてまた釣ろうと考え、分布を確認して武庫川にはいないことをようやく知った。あれはタモロコか何かだったのだろう。琵琶湖で釣ること自体が武庫川で始まった釣り人生の中で全くなかったので、ホンモロコは縁遠い魚だったが、ようやく湖国の風物詩に出会うことが叶った。
ヨシ帯の減少や水位変動その他の要因で激減してしまったホンモロコだが、回復の兆しが出ているという。ダイワの釣魚全集の写真が撮られた頃の数にまで回復することはないだろうが、せめて待ちの釣りではなくなるくらいには戻ってほしいものだ。
2018年5月中旬に琵琶湖で釣れたホンモロコ
琵琶湖北湖に産卵のため接岸し、岸辺を小さく回遊しているホンモロコの群。2018年5月中旬。
2019年春の釣果。前年同様、ビワヒガイが混じった。