最近、江津湖の水辺からというブログの管理人さんのおかげで、佐賀県の淡水魚(現・佐賀の淡水魚一覧)というサイトの存在を知ることができた。

訪れて見ると、そのサイトは私が持っている、「佐賀県の淡水魚」(佐賀新聞社) という 95 年発刊の本とほぼ同じ内容だったが、少し新しい写真も加えてあり、また内容もその後の知見を加筆してあった。

その中の、コクレンのページを開くと、本の方にも載っている見慣れた白黒写真があった。

それは、1982 年の7月 29 日付けの佐賀新聞に載ったもので、県内の有明海の堤防から1キロ内に設置されたウケハゼ (漁法) で捕獲されたコクレンとされているもので、110 センチ11.5 キロあったとのこと。

今年の春に日本に帰った時もこの本を手に取ったが、その頃までは全く疑いもせずにいた。そしてカナダに帰国して 10 月に入ると、かねてからの計画通りアメリカに遠征に赴き、念願のコクレンを釣って手に取ったので、コクレンとハクレンの違いはとくとわかった。

そうしてこの写真を見直してみると、コクレンにしてはやけに胸部のカーブがきれいで、写真からはわからないが、キールが走っているようにも見える。また、頭部の体に対する比率が低く、眼はコクレンほど下には付いてはおらず、そして何より、口がコクレンにしては小さい。一方、ハクレンだとすればこれらの特徴は全く違和感がない。

利根川でさえ滅多に見られないコクレンなのに、どうして佐賀で獲れたものをコクレンとしたのだろうか。体色が黒っぽかったからだろうか?

標本か何かが残っていれば、いつか確かめられるかもしれないナ。それまでの楽しみにしておこう。


イリノイ州で釣ったコクレン (上) とハクレン (下)


ちなみに2011年には筑後川下流域に在住の人の船に1メートルのハクレンが飛び込んで来て捕らえられている