ブルトラウトをようやく釣り終えた私は、次のターゲットをドリーバーデンに決めた。ブルトラウトとドリーバーデンは以前は同じ魚種だとされていた。そのため、ドリーバーデンがどこにいるのかという情報を調べても、それが本当にドリーバーデンなのか、それともブルトラウトのことを指しているのかはっきりしなかった。攻め方は同じでいいので、とりあえずブルトラウトのタックルで片っ端からチェックして行った。フレイザーリバーのサケ稚魚が群れている場所もその一つだった。

2006 年の3月下旬、フレイザーリバーのある支流の流れ込み近くのワンドで私はラン&ガンを始めた。入水地点からくまなくキャストするが反応なし。だめかなと思いながら遠浅の中、膝くらいの深さの所を移動している時、目の前で銀色の大きな魚が水面でライズした!

なんだ、いるじゃないか、カットスロートトラウトかもしれないなと思いながら、ライズスポットへキャストした。何投目かに少し下流側へ投げ、巻き始めた時、ボンと来た。反射的にアワセる。乗った。良い型だ。ドラグを緩めようとリールに手をかけた時、魚は水面ではね、その瞬間痛恨のラインブレイク。

同じジグスピンを結び、再びキャスト。すぐにまたヒット! が、最初のファイトの後すぐに引きが弱くなり、難なく寄せることができた。はて、何だろうと思いながら水面に現れた魚を見たが、2秒ほど全く何も思い当たらなかった。

唯一頭に浮かんだのは、バスの仲間じゃないかということだった。上から見てうすい黄色を帯び、口が尖っていてホワイトバスやスズキを連想させたのだ。が、横顔を見せて初めて何かわかった。なんとノーザンパイクミノー。もっと暖かくなってから見るようになると思っていたのでびっくりした。38 センチだったがもっと大きく見えた。

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初めて釣ったノーザンパイクミノー


コイ目コイ科 Ptychocheilus 属。この属のカナダにおける唯一の魚種である。以前はノーザンスクオウフィッシュという名前だったが、スクオウという言葉が先住民の女性を意味することから、差別的だとされ、現在の名前に変更された。最大全長 63 センチ。カナダではアルバータ州の一部とブリティッシュコロンビア州に分布している。湖や河川のプール、時にはザラ瀬にも見られる。無脊椎動物および脊椎動物食性。


自己最高ノーザンパイクミノー、49 センチ。2007 年7月内陸部の川にて。


上の個体の取り込み前後の映像


コイ科なのにパイクのような口をしている上、大型化するということで、パイクミノー類には前から興味があった。特にアメリカに生息するコロラドパイクミノーを写真で見た時は、ぜひ釣ってみたいと思ったものだ。そしてわりと早い時期にブリティッシュコロンビア州で、その仲間を釣る願いが叶ったわけだが、現在では州内で最もありふれた魚になってしまった。ハリがかりした直後のファイトは素晴らしいのだが、すぐに疲れてしまうところが残念だ。

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2006 年6月に内陸部のレイクで釣ったノーザンパイクミノー



一時期自己最高記録だった41.5センチのかっこいい個体



2013 年6月にアイダホ州で釣ったノーザンパイクミノー



2015年7月にブリティッシュコロンビア州内陸部で釣れた、40.5センチのノーザンパイクミノー



自己記録更新となる51センチのノーザンパイクミノー。2015年7月、ブリティッシュコロンビア州フレイザーリバー支支流にて。50センチを超えるのに十年かかった。



ノーザンパイクミノーの近影


ノーザンパイクを思わせる頭部。2006年7月、ブリティッシュ・コロンビア州オカナガンレイクにて



ノーザンパイクミノーのハビタット