物部氏は古代の神道の最後の生き残りで、その命脈は587年の蘇我一族による物部一族制圧によって絶たれたと教わりました。
しかし、物部氏には謎の部分が多く十種神宝(とくさのかんだから)や、「布瑠部ふるべ、由良由良止ゆらゆらと布瑠部ふるべ」の呪文などが知られる。基本的に魂を奮い起こすことにより精神的エネルギーを高め活力を生み出す神道と推測される。
≪十種神寶(とくさのかんだから)≫(神道辞典)による
旧事紀に伝えるところによると・・・
十種神寶(とくさのかんだから)は饒速日命(ニギハヤヒノミコト)が降臨に際して天照大御神より授かったもので、羸都鏡(おきつかがみ)・邊都鏡(へつかがみ)・八握劔(やつかのつるぎ)・生玉(いくたま)・死反玉(まかるがえしのたま)・足玉(たるたま)・道反玉(ちがえしのたま)・蛇比禮(おろちのひれ)・蜂比禮(はちのひれ)・品物比禮(くさぐさもののひれ)の十種類からなる神宝です。
この神宝を用いて鎮魂祭(みたましずめのまつり)をすることにより、
病み患いの類、痛み苦しみは全て直り、死んだ人も甦ると言い伝えられています。
饒速日命(ニギハヤヒノミコト)は御祈祷の祖とされ、特に病気平癒に霊験あらたかな神様として今日でも崇敬されています。
これらを授けるときの教えが「布瑠之言」である。
汝命この瑞宝を以ちて 豊葦原の中国に天降り坐して 御倉棚に鎮め置きて 蒼生の病疾の事あらば この十種の瑞宝を以ちて 「一二三四五六七八九十」と唱へつつ「布瑠部由良由良と布瑠部」かく為しては死人も生反らむ。
と記されている。
十種神宝
生命力の玉。
足玉(タルタマ)
道反玉(チガエシノタマ)
浮かれたものをもどす玉。
玉=担当神は 不在
蛇比礼(オロチノヒレ)
ヒレはひらひらするものの総称というが形状を見ると 忍者の十字手裏剣を進化させたようで 地上からくる敵に対して放たれる回転する武器。
蜂比礼(ハチノヒレ)
飛んでくる害を除くヒレ。
空中からの攻撃に対抗して撃ち落とす迎撃武器。
品物比礼(クサグサノモノヒレ)
すべてのものの邪を払うヒレ。
それらの機器を集中的に操作する未来型コンピューター。
布瑠の言(ふるのこと)とは、「ひふみ祓詞」・「ひふみ神言」ともいい、死者蘇生の言霊といわれる。
『先代旧事本紀』の記述によれば、「一二三四五六七八九十、布瑠部 由良由良止 布瑠部(ひと ふた み よ いつ む なな や ここの たり、ふるべ ゆらゆらと ふるべ)」と唱える「ひふみの祓詞」や十種神宝の名前を唱えながらこれらの品々を振り動かせば、死人さえ生き返るほどの呪力を発揮するという。
- 「ふるべ」は瑞宝を振り動かすこと。
- 「ゆらゆら」は玉の鳴り響く音を表す。
饒速日命(ニギハヤヒノミコト)の子の宇摩志麻治命が十種神宝を使って神武天皇と皇后の心身安鎮を行ったのが、宮中における鎮魂祭の起源であると『先代旧事本紀』には記載されている。
蛇比礼と蜂比礼に関しては『古事記』でオオクニヌシが根堅州国を訪問するくだりで記述がある。
根堅州国でオオクニヌシはスサノヲの娘であるスセリヒメを所望し、スサノヲは彼を試すために蛇の出る洞窟に泊まらせる。スセリヒメはオオクニヌシに「蛇比礼」を渡し、「蛇が出たらこの比礼を振りなさい」と言う。彼がそうすると蛇は彼に何らの害も与えなかった(2日目は蜂の出る洞窟に泊まらせ、以下は「蜂比礼」で同様)。
ちなみに「比礼」とは身分の高い女性がまとう薄い布の事。イメージとしては羽衣である。