TVスターが大量にゲスト出演 | 今だから話せるウルトラクイズ裏話

今だから話せるウルトラクイズ裏話

17年にわたって放送された「アメリカ横断ウルトラクイズ」。構成作家として最初から最後まで関わってきました。放送出来なかったエピソードや裏話を思い出すままに綴っていこうと思います。

メリカ横断ウルトラクイズのモットーは豪華さ大袈裟
それを実行するには、恐れを知らぬ非常識さにあります。
つまり、常識的に考えて「そんなの無理だよ」というアイディアこそ大切にして、果敢に挑戦する事こそ、ウルトラ精神の真髄なのです。

9回ロスアンゼルスが象徴される場面だったと思います。
会場となったのは、映画の都ハリウッドユニバーサル・スタジオです。
となれば、誰でも知っている有名スターをゲストに迎えたくなるのが人情というものでしょう。

かし、ハリウッド有名スターともなれば、一人の出演料だけでも番組予算がぶっ飛んでしまうかも知れません。
そこで目を付けたのが、少しは閑になっているであろうと勝手に想像する、懐かしのスター達でした。

レビが日本に普及し始めた昭和30年代から40年代にかけて、お父さんやお母さんが若かりし頃、日本中のお茶の間を沸かせたテレビ番組がありました。
その主人公たちを一同に集めようというものでした。

れを知らぬ我々は思いつくままに、当時のスーパー・スターの名前を挙げ、次々と出演交渉をしてみたのです。
すると何と皆さん気持ちよくOKの返事が来たのです。

その顔ぶれは

「ララミー牧場」のジェス役で30年代のスーパー・スターだったロバート・フラー
彼が来日した時には、羽田空港が黒山のファンで交通マヒを起こし、大阪の御堂筋では30万人のファンが集まってパニックになったほどです。

ロバート・フラー


「サーフサイド6」「ハワイアン・アイ」のテレビ・シリーズの他、映画「恋愛専科」トロイ・ドナヒュー
当時は甘い2枚目スターとしてアラン・ドロンと人気を2分したほどの世界的なスターでした。

トロイ・ドナヒュー


「名犬ラッシー」のティミー少年役のジョン・プロボスト

ジョン・プロボスト


「サンセット77」のクーキー役だったエド・バーンズ
当時は不良っぽい彼の役柄が女子高生やOLに大人気で、彼をテーマにした歌まで作られたほどです。

エド・バーンズ


「ライフルマン」の主役、チャック・コナーズ
愛用のライフルで毎週悪漢を退治する痛快西部劇は、高視聴率を上げていました。

チャック・コナーズ


れらのゲストが、クイズ会場にズラリと勢揃いした時には、スタッフはみんな仕事を忘れて、感激したものです。
だって、スタッフのほとんどが若かりし頃、夢中になって毎週テレビにかじり付いていたのですから、無理もありません。
彼らは日本のスターと違って、偉ぶる気配は全く無くて誰にでもフランクに話しかけてきたりします。
また、アメリカ人らしくジョークも好きで、周りを笑わせてくれました。

んな中で今でも良く覚えているのは、トロイ・ドナヒューのこんな自己紹介でした。

「私は最近バイクに夢中になっています。日本人の皆さんはご存じないでしょうが、私が乗っているのはホンダというメーカーのバイクです」

これにはスタッフ一堂爆笑となりました。

た、我々はスターの皆さんと握手をしましたが、ライフルマンチャック・コナーズだけは、事前に「誰とも握手だけは遠慮したい」との申し込みがありました。

その理由は、何と「エイズが怖いので…」との事でした。
その頃は、エイズの記事が毎日新聞をにぎわせていた時代だったのです。

とにかく、こうした面々を集めて行ったのが

「懐かしのTVスター・ハリウッド版あの人は今、三択クイズ」

というもので、当時のスターたちの裏話を紹介したものでした。

思えば、昭和30~40年代は現在のように海外のTVドラマが日本でも盛んに放送されていたように思います。
「歴史は繰り返す」といいますが、TV番組もそれに当てはまることがあるようですね。
昔ヒットした番組を、現代風にアレンジして復活させる、という流れがあるようです。
アメリカ横断ウルトラクイズも、また是非復活させて欲しいものです。