ランニング日記として再開したアメブロですが、読んでもらえると楽しいです。
 
時々昔の想い出も書いています。
 
先日こんなレポートがアメブロから来ました。公式ハッシュタグ記事ランクインというものです。#ヒッチハイクや#サボテンのハッシュタグをつけたら、僕の記事が一瞬2位になっていました。
 
うれしい気持ち。「50年前のヒッチハイク」を今さらとは思いますが、もう少し続けてみたくなりました。今回の記事は読んで不愉快になる方がおられるかもしれませんが、ごめんなさい。よい思い出だけではありませんので。
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2月、ニューオーリンズが盛り上がるマルディグラという祭りは有名です。その頃は当然知りませんでしたが。イージー・ライダーという当時有名な映画がありました。ピーター・フォンダがかっこよかった。彼らはマルディグラを目指し走っているという設定。


1972年1月〇日、ライス大学とピーターに別れを告げ、翌朝早くヒューストンを発ちました。ルイジアナ州へ向けてヒッチハイク開始。幸先よく古くてでっかいセダンが停まってくれました。アフリカ系青年の車です。彼の名前はLee、体格の大きな人でした。なぜ彼の名前を鮮明に覚えているのか?

 

それは彼が今でいうLGBTだったからです。当時はそういう言い方はなく、ゲイピープルあるいはクィア(queer)とか、現在よりも差別的に呼ばれていたようです。しかし僕は現実に存在することを実感したことはありませんでした。古い昔、19歳のこと。

 

ブログで書くべき内容ではないかも、と思います。しかし恐怖を与えられ、たいしたことはないけれど性被害を受けたことは事実です。意外とタフだった僕はすぐに立ち直り、その後もヒッチハイクを続け、約10台乗り継いでルイジアナ州に入っていました。

 

夕暮れ近く、そろそろ寝場所を探さなくてはと考えながら、高速道路10号線の、このときは路肩でヒッチハイクをしてました。当然ですが、フリーウェイへの歩行者の立ち入りは禁止されています。

 

でも一般道を走ったら、いくらアメリカとはいえ1日に何百マイルも移動することはできません。主にインターチェンジの入口に立って車にサインを出します。時々ポリスに見つかりますが、『知りませんでした』。ほらそこの看板に書いてあるだろ!『英語読めません・・』で、何度か切り抜けることができました。

 

田舎ですからフリーウェイといっても車の通りはまばらです。と、100キロ以上で走っている1台の車が通り過ぎて、100メートルも行き過ぎた所に停車しました。そこから、ビャーっとバックですっ飛ばして戻って来て、『何処までだい?』と乗せてくれました。

 

中年白人の優しそうな人です。この人親切~と感激しながら、今日はこの車で最後にしたいと思いながら乗り込みます。彼に、自分の泊まるモテルに一緒に泊まってもいいよ・・と云われました。大喜びです。おまけに夕食もおごってくれ、バーでお酒まで。その時初めて『マルガリータ』というカクテルを教えてもらいました。そのバーでおもむろに彼から出た言葉。

 

"ホモセクシャルを知っているかい?"・・・単刀直入の問いかけです。しかしうつむきながらの控え目な言い方でした。紳士はこういう言い方をなさるのだな、と思いました。朝のことがあったので僕でもすぐ理解できました。
 

しかしこのときは、僕は勇気を出して言いました。『知っています。ですが、僕はNOです』・・と云ったように記憶していますが。すると、その紳士はやや失望感を浮かべていましたが、『ああ、わかったよ』というようなことを云い・・そのまま僕はそのバーを出ました。

 

そのあとのことはあまり覚えていないのですが、夜なのにまたヒッチハイクを続けたと思います。そのときの寂しさは強く心に残っています。・・ポツンポツンと見える民家のともしびが恋しかったこと。

 

当時は何かひどく困ったときには、どこからともなく救いの主があらわれることが多かった。ルイジアナ州の片田舎、バトンルージュの手前付近だったと思いますが、そのときも確か一人の若者が僕を拾って乗せてくれました。

 

彼の家か、彼の寮の部屋だったか、どこかに泊めてもらえました。野宿はせずにすみました。彼にこんなに親切にしてもらったのに、名前もわからない・・大事なノートには書いていたのですが。事情があってそのノートは失くしてしまっています。

 

この後さらに2か月以上ヒッチハイクを続けましたが、こんな日は最初で最後でした。他のシチュエーションでは何回かアプローチされたことはありましたが、その後のヒッチハイクでは一度もありませんでした。

 

またLGBTを嫌悪したり差別するつもりは毛頭ありません。あくまでも違います。例えるなら、人があまり好きでない異性から強くアプローチされた時の心と似ているのかな?好き同士ならよいのです。