ブラインドランナーの方から、山(坂道)を走りたいというお話しを頂戴しました。
全盲の方ではありませんが、安全に走れる山のランニングコースについて、じっくり考える機会になりました。
まず、安全に、というのを具体的にしてみました。
アプローチが容易
山というのは、交通至便なところにあるのが珍しい…でも、公共交通機関を使って、ランナーが集まりやすいところを探さないと、継続して使えないコースになってしまいます。
段差がない
段差が頻繁にあると、落ち着いて走れないでしょう。
また、幅が広くても、トレイルは敬遠されます。
凸凹の少ない、舗装道を選びます。
白線や黄色線が引かれている
白線は、はっきり見えるそうなので、重要なポイントです。
黄色も何とか見えるそうなので、点字ブロックがあれば、代わりになる可能性があります。
クルマ通りが少ない
狭いところに、クルマが来ると、サポートするほうも気が気じゃありません。
かといって、狭い歩道も走りにくい。クルマ通りが少ないのに、越したことはありません。
普段、様々な山を舞台に、ランニングしていますが、こういうことを意識したことがありません。
いざ選び始めると、普段走っている道に制約が多いことに気づかされます。
思い浮かべるコースが、一つ消え、二つ消え…
あっ、
宝満山の登山口までなら、何とかなるかも。
選んだポイントは、
太宰府駅からスタートできる…
九州国立博物館経由だと、点字ブロックやスロープのある通路を通れる…
竈門神社までの道は、広い歩道があるし、路側には白線が引かれている…
竈門神社から登山口までの内山林道はクルマ通りが少ない…
地図上では、こんな感じ。
太宰府駅から宝満山登山口 を表示
距離にして3.7km、高低差190mあまり。
足に自信のあるランナーだと、ちょっと物足りないかも…
そんなことを思いながら、まずは、ひとりで試走してみることにしました。
スタートは、
太宰府駅の東口(東側の出口 目立ちません)。
太宰府天満宮参道の反対方向に道なりに進むと、国博通りという、九州国立博物館につながる道に出ます。
国博通りの全長に渡って、点字ブロックが配置されています。
難点は、歩道が途切れ、道路を横断する箇所が2カ所ほどあること。
最初のそれは若干狭いのですが、ガイド(サポーター)が普通の注意をしていれば、問題はないでしょう。
2番目の道路横断箇所には、横断歩道があり、それを渡って、見上げると、国立博物館の青い屋根が見えます。
博物館は高台にあって、そこまで登って行かなければなりません。
方法は2つあります。
1つは階段です。
階段といっても、3~数段上ったあとに踊り場、という緩やかなものです。
手すりもあるので、ガイド付きで歩いて登って行けば、安全だと思います。
もう1つはスロープ。
非常に緩やかな傾斜を、ジグザクで上っていきます。
なかなか、上に行けないのでイライラするのと、道幅が狭いのが難点。
上りきると、身体障害者用駐車場。
警備員さんがいらっしゃるので、歩道を走っても、駐車場の中を走っても安全。
そのあと、博物館の周りを囲む植栽の間を縫う、傾斜がついた遊歩道を走ります。
薄い土色の透水性舗装で、足には優しいのですが、色的には目印になりにくいかも。
遊歩道を通過した後は、一般駐車場をコの字に巡る歩道を走ります。
幅は広いですが、曲がり角に併設されたトイレのところが狭いので、注意してください。
この季節、地下に埋まる排水路の中から、カジカの鳴き声が聞こえます。
その後、横断歩道を渡って、進行方向左側の幅広の歩道を行きます。
振り返ると、新緑と国博の屋根…
緩やかな上り坂を、標高約100m超のピークまで、一気に上ります。
ピークを越えると、ゆるゆるな下り坂を一直線。
下り坂が平坦になってきたら、左に曲がる道があります。
道幅は狭いのですが、クルマはあまり通りません。
この道は、竈門神社に続く県道578号線へのショートカットです。
白線は引かれていません。
国博からの歩道を、信号のある国立博物館入口交差点まで直進し、左折して県道35号線を北上、県道578号線との立体交差するところで、左折ランプを上って、県道578号線に出る方法もあります。
ショートカットを道なりにまっすぐ、住宅街を通り抜けると、県道が直角にカーブしているところに出ます。
クルマと、出会い頭にならないように気をつけましょう.。
進行方向右側の歩道を通りましょう。
道幅は、2人並んでも十分なくらい確保されていますが、通行している人もいるので、ぶつからないように。
歩道の縁石の外、県道の路側には、白線が引かれています。.
車道に出て、白線の上を走るのは危険ですが、白線が視界に入れば、前方の道路の行方についての情報になるでしょう。
ここから竈門神社までは、高低差約50mを坂を駆け上ります。
次第に傾斜がきつくなる道です。
標高約150mの竈門神社の駐車場に到着しました。
駐車場に向かって左の方向に、内山林道が延びています。
その林道を駆け上がっていきます。
この道、白線がなく、林の中はかなり暗いので、通りにくいのかもしれません。
実際に、ブラインドの方と走ってみて、判断しないと…
途中、竈門神社の入口があるので、寄り道するなら、そこからどうぞ。
道路は舗装されていますが、ボコボコしている箇所があるので注意。
ワインディングを描いて、登っていきます。
結構、長さを感じる行程です。
宝満山の登山口(標高約240m)が見えてきました。
林道は、一の鳥居(標高300m超)まで続くので、物足りない方は、続けて駆け上がってもいいでしょう。
太宰府駅から、ゆっくり走って30分くらい。
下りは、慎重に下りても、5分くらいは短縮できるでしょうから、往復1時間弱を見ておけばよいかと思います。
今度、ブラインドの方々と一緒に走ってみて、使えるかどうか、検証してみます。
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