Ultimate ONE ~第八十五話~【キャッスルバギーシティー】
-----------------------------------------------ご訪問いただき誠にありがとうございます。まだまだ至らない点も多いですが、読んでいただいた方に楽しんでいただきたくて、全身全霊で作品作りに取り組んでおります。少しでも皆様が "楽しい" と感じていただけるよう精進いたします。毎回ストーリーを読みに来てくださる方々には感謝しありません。とても励みになります。これからも Ultimate をよろしくお願い申し上げます。将来的にアニメ化を目指しております。お気軽にフォロー、コメントお願いいたします。by miki tonoto-----------------------------------------------Ultimate ONE ~第八十五話~【キャッスルバギーシティー】ハロウィン「うう…こんなに飲んだのは生まれて初めてだな」アルマ「でもハロウィンは強いよ~!普通は飲みたくても飲めなくなるから!」トノト「吐いたらまた飲める…これは酒豪体質である証拠ですね」ハロウィン「トノト…ごめん」トノト「ん?酒を飲むのを付き合ってくれているのに謝る必要なんてないさ」ハロウィン「う…トノトの優しさが、さらに私を酔わせるのよ」アルマ「上手い!今度使おう!」ハロウィン「どこで?」着陸したフライングバギーの方から人が近づいてきたカッサン「トノトさ~ん!なんで私を誘ってくれなかったんですか!」トノト「寝ている人間を起こしてまで、飲みを付き合わせて良いものかと…」アスカ「あ!美味しそうな日本酒を飲んでいる!」ハロウィン「あなた達、ずいぶん元気そうね」カッサン「みんな起きたからアスカに解毒してもらったのです!」ハロウィン「ずるい…」アスカ「さぁ!ハロウィンさんも!」そしてアスカがハロウィンに手をかざすと酔いが完全に抜けて身体がすっきりとしたハロウィン「すご!」アスカ「これが神聖魔法です。ハロウィンさんほどであれば使えるはずですが?」ハロウィン「神聖と聞くと、ちょっとね」アスカ「信仰心がないと使用できない魔法だからか…」ハロウィン「アスカには申し訳ないのだけど」アスカ「神とは偉大です!神を信じることも人それぞれでよいのですよ」トノト「神とは自然の摂理のことを言うのか、はたまた特殊な人間のことを指すのか」ハロウィン「自然の摂理ということであれば、私たちの魔法の方が近いわね」アスカ「はい!神なる存在はいるのです」トノト「ある存在を信じることで魔人ではなくても魔力を得られる?システムが分からない」ハロウィン「洗礼の儀式…その工程で魔力を持たない人間でも魔力を使うことができるようになるのよ」アスカ「え?そうなの?」ハロウィン「洗礼の後、魔力を作り出す生命体が魔法を行使できるほど寄生した人間の体内で増殖するまでにおおよそ2週間…」アスカ「き、寄生?でも、確かに私がヒールを使えるようになったのは洗礼を受けてから2週間くらいたってからだと思う」トノト「なるほど…少し理解できた」アスカ「それでレヴナントさんは洗礼を受けていたのか」トノト「まあ、神を信じることは自由だが、神聖魔法を使用するためには洗礼の儀式が必要ということだね」アスカ「だからある程度信仰心の高い人じゃないと洗礼の儀式は受けられないのね」トノト「神聖魔法は自分の身体を治癒することはできないのですよね?」アスカ「そんなことないですよ!私も神聖魔法で飲みすぎからすっきりしました!」トノト「ほう…不思議だ」ハロウィン「ん?何が?レヴナントだってパージで元の姿に戻れたじゃん」トノト「いえ。スレン君を助けた人がね…」ハロウィン「どういうこと?」トノト「いや、他人を無断で詮索するのはやめよう…」カッサン「うひょーー!肉と日本酒も合うな~!」ハロウィン「カッサンは他人のことには興味なしか」カッサン「あのイケメンバンパイヤのことですよね!」トノト「そういえば、カッサンは神殿で一緒だったのか」カッサン「はい!でも、私は暗い人ちょっと苦手なのですよね~」ハロウィン「今時女子め」トノト「ふむ。寡黙であることがモテ男の必須条件だった時代もあるが、人は変わるものだね」ハロウィン「で、この後どうするの?トノトの友達にキャッスルバギーシティーを探してもらう?」トノト「それと…リサ君に先ほどの魔獣を調べてもらいたい」アルマ「あれって、やっぱり人間じゃなくて魔獣だったの?」トノト「ボスが極めて大きいというところで人間との相違がみられますね」アルマ「キャッスルバギーシティーの人たちってみんなあの魔獣なんだろうか?」トノト「おそらく違うだろうな。あれは人間を食べる魔獣だ」ハロウィン「キャッスルバギーシティーの人たちを襲って食べているのか」トノト「ここの砂漠には餌となる生物が少ない。あのような魔獣が生きるためには街の人間を襲って餌にするのも納得がいく」ハロウィン「それで人間と似たような形をしているのか…おびき出したりするために」トノト「人間を食べるために人間に似た形になる…鬼人とはまた別の進化のようだ」ハロウィン「鬼人といえば、あのラセツと同じ種族ってこと?」トノト「ええ。鬼人の住む地域では人間が他の動物たちの乱獲や自然の破壊が著しい時代があってね。人口も爆発する中で自然や人間自体を守るために人の数を減らす目的で結成された殺人集団が進化した人間の姿だ」ハロウィン「そっか…もとは同じ人間だったのか」トノト「いつしか生きた人間を食べなければ生存できない身体へと変化してしまったが」ハロウィン「そのしがらみで、今は鬼人の街が滅ぼされようとしているのか。科学の力で」トノト「周りの街もそれほど化学は発展していなかったが、新しい街との交流ができたことにより彼らは鬼人を倒せる武器を得た」ハロウィン「その、交流相手がメディシティーってことか」トノト「そういえば、彼らにも神酒を飲ませてあげたいな」ハロウィン「本気で言っているの?私たちがここに来ているって気が付かれるわよ!ルシファーに!」トノト「いや、彼女はそのことをもし知ったとしても仲間には言わないだろうね」ハロウィン「何故?」トノト「彼女も平和的な解決を望んでいるからさ」シュンハロウィン「嘘?消えた?話の途中で消えた?」カッサン「え?私、肉焼けないのだけど、どうするの?」ハロウィン「肉くらい焼けるようになりなさいよ」アスカ「わたしがカッサン様に教えてあげるわ!」カッサン「うそ…肉は…一生焼かなくても焼き肉が食べられると思っていたのに」ハロウィン「ゲームと酒以外は甘いのな」…~ハロウィン城~スレン「ジークがまだ戻らない!奴はどこに行っている」ルシファー「おそらく、メディシティーね」ワイズマン「一人でメディシティーをぶっ潰そうってのか?」ラセツ「ジークなら潰せるかもしれないけどな」スレン「いや、ジークの目的は別だ。一人で突っ走るようなやつではない」カーリー「抹殺対象のメディシティーを滅ぼしてくれるのなら、別に私達壊人がやらなくてもよいのだけど」セルケト「おいおい。待機だけで仕事が終わるって無しだぜ?」スレン「報酬は変わらず与える。文句はあるか?」セルケト「大ありだぜ」ルシファーが小声で何かを話したルシファー「あら?お久しぶりね?」ラセツ「ん?どうした?ルシファー」ルシファー「いえ。なんでもないわ」スレン「とにかく今は各々待機だ、変な気を起こすなよ」オーディン「俺は人の魂を吸収しなきゃ弱っちまうんだ!魂を食わせろ!」セルケト「は?冥人は実体化して肉でも食っていろ!」オーディン「な、なんでお前はそのこと知っているんだ!」ラセツ「冥人って、実体化すれば普通に食事で生きていられるのか?」セルケト「実体化できるってことは、すなわちそういうことだろ」ラセツ「セルケト…おまえ、頭いいな!」セルケト「考えれば分かることだろうが!」バタン奥の扉が閉まる音がしたスレン「ん?なんだ?」ルシファー「いえ、風で音がしただけね」スレン「風?そうか。あっちの方には扉はないからな」~ハロウィン城王の間の隠し部屋~トノト「ふぅ~。やっぱりシークレットモードでもバレたか。レオンが気配を消してもわかるくらいだからな」トノトが隠し部屋を見渡すとぬいぐるみや化粧道具などがたくさんあったトノト「あれだ!」トノトは小さな箱を取りその蓋を開けたトノト「間違えない。万が一事故が起きたら大変だ…これは私が…」するとトノトの後ろに人の気配があったカーリー「あら?泥棒さん?それは良くないわね?」トノト「どうも!泥棒さんです!これは、元の持ち主に帰そうかと」カーリー「あ?この家を盗んだのは私たちの方か!ごめんなさい!」トノト「い、いえ。あ、あと…」トノトはカバンから酒瓶を出したトノト「これは、私たちが得た神酒だ。スレン君にも手伝ってもらったので、これをみんなに飲ませてほしい」カーリー「あ、ああ~。わかったわ」トノトはカーリーに酒瓶を渡したカーリー「うっ!」グログログロ…トノトが彼女の手を見るとその腕は黒ずんでおり、何かが蠢いているようにも見えたトノト「だ、大丈夫かい?」カーリー「は…早く…行って!トノトさん!」トノト「私…君に名前を言っていただろうか?」カーリー「いいから、早く!」トノト「わかりました!」シュンワープで消えたトノトグログログログロ黒ずんでいた腕は元に戻っていったカーリー「なぜ…トノトさんにウィルスが反応したの?彼は…壊人の抹殺対象なの?」…しばらくしてカーリーがみんなの元へ戻ってきたルシファー「顔色悪いわよ?」カーリー「いえ。何でもありません」ルシファー「せっかく久ぶりに再開できたっていうのに、さえない顔をしているわね」…~秘密基地~トノト「あの方…ちょっと苦しんでいるみたいだったけど大丈夫だろうか」トノトが箱から出したものを眺めたトノト「ふむ。何とか持ってこられた」カッサン「ああ~!またトノトさんが美味しそうなお酒を持っている!」トノト「カッサン、すごいタイミングでいるね!君は酒ハンターの素質ありか」カッサン「なんですか~?その酒は!」トノト「まあ、これは…大したものではない。響魔法陣熟成500年ものだ」カッサン「え?すごそうな酒じゃん!」トノト「残念ながらそんな酒は実在しない。そこいらの酒をボトルに入れただけ…しかも時間がたっていて中身は蒸発している」カッサン「なんだ~。中身がないのか~残念。仕事しよ~っと」カッサンは自分の部屋に戻ったトノト「これがあそこにあると、万が一事故にあったら大惨事になるからね。そのことに気が付いてよかったよ」ぴんぽんぱんぽ~ん秘密基地内に音が鳴り響くトノト「ん?全体周知でもあるのかな?」リサ「キャッスルバギーシティーを発見しました」…~操縦室~モブたちも帰っており、物珍しさに人が集まっていたタケル「あれが…車?」モブ「おうよ!」タケル「本当に…車…だよな?」バウンサー「二回言ったな」レオン「無理もねぇ~。あのデカさなら疑うのもわかるぜぃ」リサ「今は停車しているようね。動く…ということよね」モブ「どうやって運転するんだ~?あんなもの」リサ「膨大なエネルギーは必要だと思うけど…動力源は何かしら?」レオン「行って見なきゃ分らんだろ」リサ「近そうに見えるけど対象が大きいだけで距離はありますよね」シャボン「はい!瞬間移動だと近すぎるので手動運転で行きますよ~」ハロウィン「魔力は…感じないわね」リサ「じゃ、やっぱり科学の力で動いているのか…楽しみだわ!」シャボン「後、10分以内には着きそうです!」スカイ「俺なら 2 分で行けるぜ」モブ「つか、おまえ…誰?」スカイ「見りゃわかるだろ!」モブ「わかんねぇ~よ」スカイ「じゃ、気にすんな」モブ「お、おう!」ハロウィン「何その二人の絡みは」シャボン「着いたら教えますので皆さん自由にしていてください!」レオン「悪い予感しかしないがな…」タケル「俺はここにいるぜ」リサ「あれ?トノトさんは今どこかしら?」ハロウィン「それが…消えたの」リサ「行き場所も言わずに?」ハロウィン「たぶん…私ん家だわ」リサ「スレンさんのところってこと?」ハロウィン「やっぱり私…行ってくる!」リサ「スレンさんのところであれば、ハロウィンは行かない方が安全かと思うの」ハロウィン「トノト一人の方がいいってこと?」リサ「ええ」ハロウィン「く…私だってわかっているわよ。くそう…帰ってきたら私のゲ〇を見たことを後悔させてやるから」リサ「ぷっ、なにそれ?」…~秘密基地のバー~レヴナント「キャッスルバギーシティーを見に行かなくてもよいのですか?トノトさん」トノト「車は興味ないですしね。それより私は酒かな?」~キャッスルバギーを発見し、今まさに到着しようとしているリサ達だった~