Audio Modelingというメーカーが製作している物理モデリング音源「SWAMシリーズ」というものがあります。サンプリングベースとは違って計算で音を作るので、p<f(クレッシェンド)というような打ち込みをした時に、サンプルの変わり目が気になる…なんてことがなく、かなり滑らかな音色変化を得ることができます。
ラインナップには木管系、金管系、ソロ弦のおおまかに三種類。今回はソロ弦のバンドルを購入したので軽く感想などを書いて見ます。
良い点としては、様々な演奏をキースイッチで切り替えることなく再現できるので、サンプルベース音源にありがちな音の変わり目というのが存在しません。そのおかげでとても滑らかで自然な演奏ができます。また、Note Onと発音のタイミングが揃っているため、ちゃんと打ち込んだリズム通りに音が出ます。一部のサンプルベース音源では発音のタイミングがずれてしまって気持ち悪いリズムになることが多々あります。これを解決するために曲をプレイバックしながら音符を前後にずらす、というのもよくある作業のひとつです。この面倒な作業がないのはとてもありがたいことです。
コントロール可能なパラメーターが多いのも良いです。まあこれは良し悪しで、パラメーターを一切いじらずに演奏すると"THE 打ち込み"という非常につまらない演奏になります。それが嫌だ、お手軽に本物っぽいサウンドが欲しいという人にとっては、パラメーターの多さは欠点かもしれません。
反面、ノイジーな演奏にはちょっと弱いかも?という印象がありました。つまり音が綺麗すぎるという問題です。この音源にはいくつかのオプションがあり、弓の圧力や位置をコントロールすることができます。それによってノイズを生み出すことは可能なのですが、どことなく上品な印象があります。もっと乱暴な音が出せると表現の幅が広がって嬉しいですね。
とはいえ、僕の中ではかなり高評価の音源ではあります。Audio Modelingはデモ曲の出来があまり良くなくて、いまいち購入に踏み切れなかったのですが、もっと早く買っておけばよかったと思っています。