SPITFIRE AUDIO BBC Symphony Orchestra(ブラス編)※追記あり | ultimate-negiのブログ

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Pro Tools関係の情報を中心に、その他思ったことなどをメモ代わりに書いています。

SPITFIRE AUDIO BBC Symphony Orchestra(以下BBC)のブラスについて書きます。このメーカーはストリングスのライブラリしか買ったことがないので他製品との比較はできません。

 

その前にちょっと話が「メモリとストレージ編」まで戻りますが、高速なストレージでなければ音が途切れる可能性があると書きました。そのため、普通に再生して問題ない曲でもオフラインバウンスは高確率で失敗します。バウンスするときはリアルタイムで書き出すようにしましょう。

 

・音色について

第一印象は細く頼りない、それでいて優雅な音というものです。

 

アンサンブルは優雅ではあるのですが躍動感に欠けます。ダイナミクスを最大にしてもブラス特有の割れた音にはならないので、そういう音が欲しい時には非常に物足りないというのが正直なところです。個人的にはブラスなんてfffでバンバン鳴らしてナンボだろうと思っているので(偏見)、そういうことをやりたい人には向きません。

 

ソロはアンサンブルに比べると音色の幅が広いですが、細くて頼りない印象を受けます。この音でソロを奏でるのはちょっと厳しいかな…

 

いろいろ工夫次第で使えるようにななると思うのですが、どんなに頑張っても出来ないことは出来ないのでBBCのブラス音源については使用を取りやめました。

 

・アーティキュレーションについて

ストリングスと同様に、たくさん揃っているわりに使える音が少ないという印象です。マルカートはやはり使いにくい…

 

僕が使用をやめた一番の理由はスタッカート/スピッカートで、いや別に悪い音じゃないんです。とても良い音色だと思います。ただ曲のテンポに合わせてリリースの雰囲気を変えたいと思っても、それをコントロールする手段がありません。大体の音源は短く演奏すれば出る音も短くなります。ですがBBCはどんなに短く演奏しても余韻までたっぷりと演奏してしまいます。"Tightness"という項目はありますが、これはアタックのニュアンスは変わるのですがリリースは変わりません。これがどうしても気に入らなかったのです。

 

というわけで、他のアーティキュレーションについては手をつけておらず大したレビューはできません。ごめんなさい。

 

[ 追記 ]

ダメなことばっかり書いてしまったので追記。メーカーのデモを聴けばわかる通り、音自体はとても素晴らしいものです。僕が使いにくいと感じたのは、曲の作り方も関係してくるのではないかと思います。

 

まずBBCありきで曲を作っていくならば、パレットにある多彩なアーティキュレーションを選んで曲に置いてゆくというかたちで満足のいくものができると思います。

 

そうではなく、すでに楽譜ができあがっていて「こう演奏してほしい」と思った時に、その通りに再現(シミュレート)させることはちょっと難しいという感じです。おそらくメーカー側も、そういう使い方は考えてないのではないでしょうか?

 

この音源を使って既存のオーケストラ曲を本物と見紛うほどに再現するという考えはせず、すでにある素晴らしい素材を組み立てて素晴らしい曲を作るという考え方でいたほうが良いかと思います。