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【映画】『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』

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あらすじ



親友同士のタッカーとデイルは、念願の別荘を手に入れ、休暇を自分たちの山小屋で過ごそうと森へやって来た。
しかし2人は、同じ時にキャンプに来た生意気な名門私立の大学生グループに、人里離れた山に暮らす殺人鬼だと勘違いされる。
タッカーとデイルが川で溺れかけた女子大生を助けたことで、更に誤解が誤解を生み、次々と死人が出てしまう。
仲間の女子大生を救おうと大学生が襲いかかってくるが、事態はなぜか不思議なありえない展開に!
気のいいタッカーとデイルの運命やいかに…?

感想

こういうこと書いちゃうと、「ほんとに俺ってクズだな~」と思っちゃうけど、やっぱり“盛大に人が死にまくる映画”って楽しい
本作も、そんな“盛大に人が死にまくる映画”。しかも、いい意味で凄まじくバカバカしく描かれたコメディ作品だ。(ブラック・コメディというよりも、スプラッタ・コメディと言うべきか。)
恐らく、「こんな映画を好きなヤツとは友達になれない!」と憤る人もいそうな作品なんだけど、僕にとっては「この映画を好きになれないヤツとは友達になれない!」と思っちゃう作品。
一言で言ってしまえば、『最高!』です。

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<以下、物語のあらすじへのガッツリとしたネタバレがあります。ご注意ください。>


本作は、名門私立大学生の男女(要するに“リア充”グループ)が、旅行中に出会った“明らかに怪しげで汚らしい二人組の男=タッカーとデイル”を殺人鬼だと思い込んでしまうことによるすれ違いドタバタ劇を描いたコメディ映画。
そんな二組のすれ違いは、「人見知り克服のためにあそこの大学生の女に話しかけてみろよ!」「お、おう。。。やってみるよ」というノリで声をかけたデイルに対し、「うわー!!見るからにヤバそうな男が声をかけてきた!しかも手には“鎌”を持ってる!殺される!!!」というノリで逃げ出すところから始まる。
デイルに対しては「なんで声をかける時に“鎌”を手にしたんだ?」
大学生たちには「なんでそんなにもMAXテンションでビビってるんだ?」と、双方に対してツッコミどころが満載で、その“ズレ”が最高におかしい。

その後、タッカーとデイルが別荘(と言っても格安で購入したボロッボロのあばら屋)の近くの湖で釣りをしていたところへ、二人に気付かない大学生グループがやってきてノリノリで水泳(欧米の映画の大学生たちは、いつもこういうちょっとエッチな遊びをしてるなぁ!あー、うらやましい!!)
水着に着替えているアリソン(ちなみに、超かわいい)を覗き見るタッカーとそれを諌めるデイル→二人の声に気付いたアリソンが驚いて湖に転落→気を失って浮上してこないアリソンをデイルが救出→それを見た残りの大学生たちが「アリソンが殺人鬼に捕まった!!」とパニック→「仲間が溺れたのに助けに来ないなんて薄情な奴らだ。とりあえず別荘で介抱しよう」とアリソンを連れ帰るタッカーとデイル→それを見た大学生たちが「アリソンがさらわれた!」「きっと食われるんだ!」と大騒ぎ。
という感じで、登場人物がことごとくバカなことに起因する勘違いの連鎖で、タッカーとデイルは“殺人鬼”としての地位を固めていくことになる。

日があけて、「アリソンを助けなきゃ!」とタッカーとデイルの別荘への潜入を試みる大学生たち。
一方その頃、デイルはアリソンの介抱、タッカーは別荘の修繕をしているんだけど、やっぱりそこにはバカな勘違いの連鎖が。
タッカーがチェーンソーで裏庭の木を切っていると、誤って“ハチの巣”を切断→ハチの群れから逃げるためにチェーンソーを持ったまま逃走→それを見た大学生たちは「うわー!殺人鬼がチェーンソー振り回して追いかけてきたぁぁ!!!」とまたもや逃走劇へと展開するのだ。
しかも今回は、逃走中に一人の大学生が、森に転がっていた丸太に突き刺さって死亡してしまう。(ファイナル・デスティネーションシリーズをも凌ぐほどに、人体が脆い!)

もちろん、大学生たちはコレを「あの二人組の殺人鬼に殺された!」と思うわけで。
やられたらやり返せ!とばかりに明らかな殺意を持って、再度タッカーとデイルの別荘へ向かうんだけど、またまた変な偶然が重なって、大学生たちは勝手に自滅していく。
(その直前、デイルとふたりで仲良く庭仕事をしているアリソンを見て、「見ろ!自分の墓を掘らされてるぜ。。。」と解釈する大学生たち。いやー、このバカども、最高です!)

ようやく異常な事態が起こっていることに気がつくタッカーとデイルだが、目の前で勝手に人が死んでいく理由がわからず「こ、、、こいつらはきっと『自殺サークル』なんだ!」という、それはそれで“なんでやねん!”という超解釈。
いやー、本当に登場人物がバカばっかり。最高です!

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その後、保安官に助けを求めるも保安官まで死なせてしまったり、アリソンがグループの仲間に対し「タッカーもデイルもいい人なのよ!」と説得してみるも、「殺人鬼に心を奪われてしまったのね。。。この前心理学の授業で習ったわ!『ストックホルム症候群』ってヤツね!と全然噛み合わなかったりと、勘違いは晴れないまま。

最後には、大学生グループのリーダー格の男チャドの以外な過去と、今回の事件の関連性が判明するという展開があったり。
暴走するチャドからアリソンを守るために、デイルが男らしく立ち上がったり。
展開はどんどんと加速するも、終始「バカが大騒ぎする」という軸がずれないまま物語は完走。

『ストックホルム症候群』ではなく本当に恋が芽生えかかっている様子のアリソンとデイル。そして、今回の事件で一番の被害者かもしれないにもかかわらず、二人の様子を微笑ましく見守るタッカーという、実に平和的で愛おしくてステキなエンディングを迎えつつ、オープニングのPOV風の映像の意味に気付いて「おぉ!」という驚きも残すエンディングだった。

そのエンディングでのデイルのセリフ。
これがまさに、この映画に対する僕の感想そのものを代弁している。
「俺は楽しかったよ。人が亡くなったのは残念だが、それ以外は充実してた。君と過ごせた時間がうれしかったんだ」
そう!この映画を見れたことが嬉しかったし、充実してた。
俺も楽しかったよ!

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というわけで、とにかくいい意味でバカバカしくって、すごく楽しい映画だった。

ただ、冒頭でも書いたように、ツッコミどころは満載で、とてもじゃないけど「完璧」とは言いがたい映画であるのも事実。
人の死に様はかなり大味で、「それくらいじゃ人は死なないだろ!」と言いたいシーンも多いし、パニクって拳銃で自分を誤射して死んじゃったヤツには、「お前は、この映画にいらんやろ。。。」と失望感すら覚えてしまう。
チャドの過去についても、シリアス展開に持って行きたかったのかもしれないけど、あの“過去”があったからチャドはああいうことになったというのはあまりに乱暴なロジックで、それこそ差別とか偏見とかを助長するような話になるんじゃなかろうか。
また、個人的には「タッカーとデイルが実は気の良い奴らだった」ということが判明する演出は、予告編の方(「アリソンが部屋で目覚めるまでは、あくまで“殺人鬼”と思わせたままにしておいて、パンケーキのくだりで本性を明かす」という演出)が好みだし、シナリオとして整理されていると思うのだ。

そういうわけで、不満点を探すと割りとキリがないほどの映画なんだけど、それでも僕がこの映画を大好きなのは、何度も言うようだけど、バカを貫いてくれたこと。

ちょっと前に「ムカデ人間」っていう映画を見たんだけど、あの映画は決してギャグ展開があるわけじゃないんだけど、少なくとも序盤は“限りなくブラックなユーモア”に溢れた映画。
事実、僕は下世話な気持ちを携えた半笑いの状態であの映画を観ていた。
ところが、映画の後半、その“半笑い”が凍りつくような“嫌~な気持ち”になる展開が待っていて、どうしようもないほどの“後味の悪さ”を味わったものだった。

本作『タッカーとデイル』も、ずっとニヤニヤしながら観ていたんだけど、最初の一人が死んだシーン(先述のチェーンソーのくだり)で、その『ムカデ人間』のトラウマが蘇ってきちゃいまして。
「ここから、まさかのヘビーな展開が待ってたりしないよな。。。」という不安に襲われてしまったわけですよ。
ただ、その次のシーンで、ドリフの爆発演出?っていうくらいわかりやすく、顔中をハチに刺されたタッカーが画面に出てきて大爆笑
と同時に、「バカのまま映画を見続けていいんだ!」という安心感に、無常の幸せを感じてしまった。

ありがとう、安心保証のバカ映画!!


というわけで、今日もまた長々と書いてしまったけど、文句なしに楽しめる“盛大に人が死にまくる映画”、『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』。
『悪魔のいけにえ』『13日の金曜日』『死霊のはらわた』などのオマージュも満載で、至福のホラー映画なのも間違いない。

最近は『死ぬまでに観たい映画1001本』の影響で、比較的“文化的価値の高い映画”を観ていて、ああいう映画が素晴らしいっていうのはもちろんんあんだけど。。。

やっぱり好きです、バカ映画!!
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