普通、子どもは年を重ねる毎に自分で出来る事が増えてゆき、その成長ぶりが親の喜び。
一方、出来ない事が増えてしまう子どもの姿を見ているだけの親は、己れの無力さを痛感するものです
前回書きました入学を認めてくれた宗教系の◎◎◎◎学校は、居住地の隣の区ではありましたが、自宅から電車通学又は、車でも片道
40分程度かかる場所でした
身体状況の悪化から、少しの距離の電車通学も考えられなくなり、夫が提案してくれた学校直ぐ近くに仮住まいをするという提案にも、都内に職場のある私達からすると立地が問題‥
そんな訳で、大本命だった◎◎◎◎学校は
受験校から外さ無ければいけなくなって
しまいました
そこで、約一年前に前向きなお返事を下さっていた職場に近い都内の学校であり
近くに引越すことで通学が可能になる
中学校2校へ再度連絡を入れてみました。
「一年前よりも身体状況が悪くなってしまい
いくつか出来ていた事が出来なくなってしまいました。
そこで、改めて相談させて下さい。
以前校長先生とお話をさせて頂き、筋ジストロフィーの子どもを受け持った経験もあるので、息子のような状況でも問題無いと言われました。
中学入学時には、車椅子を利用して通学させて頂きたいと相談し、大丈夫とお返事も頂きました。
確認ですが、願書を提出しても宜しいでしょうか❓」
先生「我が校では、以前にも車椅子利用の通学を申し出た生徒がおりましたが、お断りさせて頂いた経緯がありますから、無理だと思います。」
私「えっ、約一年前に校長先生とお話させて頂き、車椅子を利用しても受け入れ可能と言われました。申し訳ありませんが、ご確認頂けますでしょうか❓」
先生「分かりました。直ぐに確認し、折り返しますのでお待ち下さい。」
約30分後に電話があり
先生「校長、副校長に確認を取りましたが、
大変申し訳ございませんが、我が校ではお引き受け出来ません。お断りさせて下さい。」
愕然としました‥
あの進学実績を顕著に上げたと有名な校長は何を思って、当初良いお返事を下さったのでしょうか❔
昔のちょっとした経験を持ち出して、あまり考えずに軽い気持ちで受け入れ可能と仰ったのでしょう。
でも、言われた方はあの学校にはお世話になれると本気でアテにしていたのです。
最初からハンデのある車椅子利用の子どもはうちの学校では面倒見れませんと、スッパリとお断り頂いていた方がずっと良かったです
次にもう1校、願書を提出しようとしていた
仏教系の学校へ連絡を入れました。
こちらは広報の先生が話を覚えて下さっていたのですが、悪化してしまった状況をお伝えしましたら
「我が校ではあくまで自分のことは自分で出来る生徒でないとお引き受け出来ません。今まで義手、義足などのお身体の不自由な子どもが何人か入学していますが、こちらが気の毒になるほど、自分のことは自分で誰の助けも借りずにやっています。普通中学生は自分のことで精一杯で、とても他人の事まで手伝う余裕は無いものです。息子さんにも自分の事は全て自分でやれることを求めます。もし、どうしてもという事でしたら、直接校長に相談なさってみて下さい。」
正直、呆気に取られました‥
仏教を根本に据えている学校なのに
人と人同士で支え合う気持ちは無いと仰る‥
勿論、校長先生に相談する気は毛頭おきませんでした。こちらから懇願して、入れて貰ったとしても自分のことは全部自分でやらねばならない。
周りの助けは皆、自分の事で精一杯で余裕が無いから、求められない居場所。
そんな状況に人の手助けが無ければ
生きていけない息子を放り込んだら
どうなるでしょう。
こんな優しさのかけらも無い
勉強だけの学校
こっちから願い下げだと
悔し泣きしながら諦めました
受験をすると決めた時に息子の状況を偽ったり、少しでも良く飾るのは、やらないと決めていました。そんなことをして入学出来たとしても、お母さんの話と違うじゃないか、こんな状況の子どもを受け入れるはずではなかったと思われ
息子の存在をお荷物に思われたら
本末転倒
実際に通学する息子が学校で肩身の狭い思いをするのは、絶対に避けなければいけない。
安心出来る居場所を探す為に始めた
中学受験が、身体状況の悪化により
暗礁に乗り上げてしまい
受験校が定まらないまま
6年の晩夏を迎えてしまいました。
ある日、模試が行われた都内男子校にて
入学してからご病気か事故で
車椅子利用になってしまった生徒さんが
いらっしゃると聞きました。
一抹の希望を持ちながら、保護者控え室での質問コーナーで先生にご相談してみると
「入学試験に合格してから、お子さんにお会いして、色々相談してみましょう。」
との回答。
何か冷ややか‥
確かにテストに受からなければ話にならないけれど、想定しながらの対応について
ある程度の話があっても良いものなのに‥。
想像しながら、考えようともしてくれない‥
学校側と自分との温度差を感じてしまった
ように思い、この学校も息子の安住の地では
無いだろうと、肩を落としました。
しかし、当日の模試の司会者から
あるお子さんの体験談を聞けました。
都内男子校の○○○学校は
厳しい部分が有ると言われていますが
かなり元気な子が入学して、学校に合うのだろうかと、とても心配していたけれど、卒業する時に本人がわざわざ塾へお礼を言いに来たと。
「先生、僕を○○○学校へ入れてくれて有難うございました。僕にとっては、本当に良い学校で掛け替えの無い経験を沢山させて頂きました。」
○○○学校、今まで考えていなかった
学校です。
しかも勤め先の隣りの区。
仕事場から30分で駆けつけられる場所。
一筋の光を見つけたような気持ちで
流行る気持ちを抑えながら
電話を掛けてみました
次回へ続きます。
現在、電動車椅子を使い一人で通学しています