沖縄方言の音声表記における問題その2「とりたて」 | クルミアルク研究室

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その1 についてはこちらから見てください。

 

 

カテゴリ「サザンホスピタル関連」にしてます。これは長編および短編集の執筆につきまとう非常にこまった問題なのです(泣)
ちょい宣伝。「誕生日のプレゼント」は現在アルファポリスさん主催「第14回ファンタジー小説大賞」に応募しています。リンク先クリックで飛びます。今回とりあげる音声表記問題はあんまり出てこないですが(いちおう東風平長助さんが出てくるので那覇方言表記はあります)、肩の凝らないお気楽な物語です。

 

 

今回は「とりたて」というお話です。例によって目次のように説明していきます。よろしくおつきあい下さい。

 

目次
1.「とりたて」って何?
2.「とりたて」表記法
3.表記法の問題点 小説「サザン・ホスピタル」などでの困った語例

 

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1.「とりたて」って何?

 

ごくごく簡単に申し上げて、名詞格に日本語の助詞「は」が結びつき強調され、別の単語のように形成されること。沖縄方言では「や」がこれにあたります。で、沖縄方言の場合は名詞格に「や」が結びつくと、音韻変化を起こします。変化しないこともありますが変化することが多いです。

 

2.「とりたて」表記法

 

めんどくさいのでExcelでこさえた画像を貼り付けることにしました。

 

 

つまり「此処は」と言いたい時に「クマヤ」と言う場合もあるし、「クマー」と言う場合もある。口語では「クマー」と「とりたて」て使うことが多い気がしますが、「クマヤ」もちゃんと使います。

あ、そうそう。「米」「クミ」ですが芸能歌詞では「メー」と言いまして、助詞をつけて普通に「メーヤ」(米は、の意味)で歌います。リンク先にある「高平良万才」のYouTube動画に出てくるはずなので丹念に追ってみてください。でね、米を炊くと飯「メー」になるんだわ。そして、普通に「メーヤ(飯は)」と使うんだわ。はい、長音だからこれは「とりたて」に変化しません。って、ああ、もう頭がおかしくなりそう。

 

 

 

3.表記法の問題点 小説「サザン・ホスピタル」などでの困った語例

 

で、くるみさんが現在「サザン・ホスピタル」などで使っているルビタグ表記であらわすと、こうなる。

 

語幹を残して漢字交じり表記したら、ルビが変わる。そういう言語だから仕方ないんだけど。

これの何がややこしいって、例えば動詞「考える」の沖縄那覇方言は「カンゲー=ユン」なんです。一瞬だけルビタグ使いますが、(かんげー)ゆん となります。語幹「カンゲー」は動詞の活用に関わらず保持されるので漢字の横には出ないでルビに長音のばし記号がつきます。
「とりたて」の場合は、のばし記号が漢字の横へ降りてきます。「とりたて」であると示すために。ただ、一般の方にはのばし記号がルビについたり漢字の横にきたりするので、こちらの校正ミスと思われること多数なのでした。(涙)

 

ほかにも悩ましい表記例はいくつかあります。読者のみなさんに理由をきちんと説明できるようになったら、こうやってブログに書いていくつもりです。うーん、次回はいつになるかな?

舌足らずな文章ですが、最後までお読みいただきありがとうございました。でもさ、amebloさんで「サザン・ホスピタル」作品群につかう沖縄方言をルビタグつかって書くの本当にもう勘弁。ぐちゃぐちゃになりますんで。ノベルアップ+アルファポリスにて読み進めていただきたい、是非(強調)。

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小説「わたまわ」を書いています。あらすじなどはこちらのリンクから: exblogへ飛びます。
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