intermission その1~ジング氏の考察 | クルミアルク研究室

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沖縄を題材にした自作ラブコメ+メモ書き+映画エッセイをちょろちょろと

「わたまわ」再編成にともない再度UPかけました。
このエピソードは11_6月23日のペリドットの後ろに位置しています。 なお、イメージ元の著者の許諾が得られない場合、この記事は消える可能性があります。 くるみあるくはTwitterしてません。どなたか 石田仁先生にご連絡を取っていただけましたら幸いです。

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こないだトモがなにやら表をこさえて、すっごく難しそうな顔をしていたんです。
「考えをまとめようとしたんですが、なかなかうまくいかなくて」
 

トモ(本名はキム・ジングといいます)の大学の専攻は心理学です。韓国の大学の心理学科を卒業し、沖縄で一年間日本語を学んで再び大学の心理学科に入学しています。日本の公認心理士の資格と、アメリカの通信教育で宣教師のディプロマ取得の両方を目指しています。
宣教師の通信教育は大卒じゃないと入学資格がないんだって。韓国で一度は心理学を学んでいるけど、日本語で学び直すとそれはそれで大変らしいです。

 

image: this chart is based on "Sukkiri wakaru hajimete manabu LGBT" 19p. Ishida Hitoshi 2019
「石田先生の本を元にリャオのケースをまとめられないか試してみました。まずこの図表を元にすると、LGBTのLとGとTについては考えることができます」

 

はい、表の左側がT(トランスジェンダー)、右にG(ゲイ)とL(レズビアン)があります。
「でも、これだとBの項目、つまりバイセクシュアル・両性愛者については表記が難しいんですよ。性自認はどちらかの性別なんですけど性的指向が両方」
つまり、右の表の縦方向二つのタイルってことなんでしょうね。
「似た言葉にパンセクシュアル、オムニセクシュアルという言葉もあります。男女という性差だけでくくれない、すべての人が恋愛あるいは性の対象という意味です」
へえ、いろいろあるんだ。表からはみ出ちゃう。
「また、男女のいずれにも性的魅力を感じないアセクシュアルという人々もいます。性自認はどちらか、あるいは両方かもしれない。でも性的指向がない」
あらま。じゃ、どこにも該当しなくなりますね。
「他にもビトゥイーンジェンダー、バイジェンダー、サードジェンダー、ニュートロイスと言われる人々もいます。こうなると、もうお手上げです」
あ、あ、トモがお手上げだったらあたしは何もできません!
 
「とりあえず、リャオのケースを'クエスチョン'で投影してみます。身体の性別については男性で考えます」

 

image: this chart is based on "Sukkiri wakaru hajimete manabu LGBT" 19p. Ishida Hitoshi 2019

 

「もし、リャオがクエスチョンだとすると、左の表でみるようにジェンダーが女性になったり男性に戻ったりするんですね。その状態で性的指向はどうなるのか見てみたら、矢印の通り、ぐちゃぐちゃです」
すごいな、オールマイティーというか、状況次第でゲイもレズビアンもありになりますね?
「どうも何か違う気がするんですけどねー、性自認が揺らいでいるのか、性的指向がバイセクシュアルなのか、恋愛感情はあるけど性的指向がゼロなのか」

 

トモ、どうしてそんなにリャオさんに構うの? 友達だからってのはあるかもしれないけど、そんなに考えなきゃいけないことかな。
「放っておいちゃいけない気がするんですよ。ある程度はっきりできれば、リャオが神様を信じてくれる気もするので」

やっぱりトモは宣教師なんですね。改めてそう思いました。

(intermission その1~ジング氏の考察 FIN)  このあと、こちらの短編へ続きます。全11話です。

 


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小説「わたまわ」を書いています。2月中に非表示になります。今ならまだ間に合います!:exblogへ飛びます。
当小説ナナメ読みのススメ(1) ×LGBT(あらすじなど) /当小説ナナメ読みのススメ(2) ×the Rolling Stones, and more/当小説ナナメ読みのススメ(3)×キジムナー(?)