「困ったことあったらいつでもきてくださいね」

その言葉うれしかった

そのあと

すこし声詰まって

「僕でも、僕でなくて他の先生が良かったら…それでも困ったらきてね」

って言ったんだ

「先生がいいよ」

って言えなかった

言っちゃったら気持ちぶれそうで

わたしは冗談と受け取り

いっぱい笑いました

けれどあなたは笑いませんでした

真剣に言って

ずうっと私には解けない表情でした

答えきっと欲しかったかな?と思う

前に言ったあなたの言葉

「君の主治医は僕だから」

とてもとても強く言ったんだ

だからその病院はやめなさいと

他の医師の言うことは聞くなと

強く強く

そしてわたしはそこをやめたんだ

支えをあなた一人にしたんだ

けれどわたしは重くて重くて…

あなたを疲れさせちゃった

それでカウンセリングだけって

別のとこ紹介してもらった

でも好きはどんどん重く空回りして

カウンセリングと一緒の病院行くって決めた

笑っていいのに

もう疲れさせないから

もう会わないから

もう会えないから

ちゃんと良くなるから

最後は笑って欲しかった

けど

最後は作り笑いしたの解っちゃった

「笑って」って言ってごめんなさい

哀しい笑顔は尾を引くね

あなたは何を思ったんだろうね?

あなたはずっと何か考えてて

言葉に出せず

いぶかしげなもどかしそうな表情でした

わたしは表情で読み取れる程

器用ではなく

ただ、何か発したかった事だけ

帰りのバスで解りました

言ってくれなきゃ解んない

イイコトもそうでないことも

あなたは沢山考えるひとだから

ちゃんと受け入れるのに

あなたの言葉すくいとれなかった

後ろめたさと通勤中の冷たい風

痛くて痛くて

ハッピーエンドな曲聞いてもポロポロ伝う

あなたは最後

何を伝えようとした?

言ってくれなきゃ解んない

けれどあなたの放った冗談は本気で

「僕を選んで」と言って欲しかったこと

後から気付いた

鈍感なわたしで

賢明なあなたなのに

それは冗談には聞こえません

もう何処にも持っていけない気持ちは

何処へ流れますか?

もう会えない距離は広がる一方ですか?

歩く道はもう

ひとすじも交わいませんか?

平行線でいつか忘れるなんて

そんなの

絶対にいやだよ…

だって良くなったら

あなたに会う理由

どこにも無いでしょう?

精一杯笑った最後だけれど

またこんなしこり背負って立って居られる程

強くはないよ

弱虫で

なのに強がりで

すぐ泣いて

またすぐ笑うわたしだから

どうして最後の最期で

強がったりした?

あなたは嘘つかずに

あんな表情してたのに

それこそわたしの

自己満足だよ…

ごめんなさい、先生

本当は後悔してたよ

本当は最後くらい

素直で居たかったよ

あなた想いすぎて

無くなっちゃった…

あんな表情されたら



想いつのるばかりだよ



さよならは



ちゃんと言って



もう会わないかもしれないのに



淋しげで



申し訳なさそうで



どこか悲しそうだったから



「忘れる」と決めたのに



あの表情が消えることは



たぶんずっとない



最後の最後でずるいよ…



あなたの顔見たとき



どれだけぐっと堪えたか



あなたは知っていますか?



あなたの表情で



必死に最後はと笑ったことを



あなたは見抜きましたか?



あなたは…



わたしを繋ぎとめて



まだしばらくは忘れさせてくれなさそう

さいごのじかん

わたしは笑っていて

あなたは疲れたというより

どこか淋しげな表情でした

それは主観ではあるけど

真実のような気もして

とてもとても穏やかで

名残惜しいじかん

言葉すくなく

あたたかい雰囲気空気

この「交わさない時間」がいとおしかった

いつまでも側に居たかったんです

けれど決めたから

云わなかったことに後悔がないというなら

嘘になります

けれど「時間が進んだ」と感じました

あなたがくれたひとつひとつは

ずうっと無くならない

そして過去も無くならない

何も告げなかったのは

「また逢える」と確信に近い想いあったから

それは「患者」ではないわたしと

「先生」ではないあなたです

もしも病気じゃなかったら

「出逢わなかった」

だから

これでよかったと

あなたがくれた「有難う」は

またひとつ宝物として刻まれて

わたしの中で輝いて

わたしを強くするのです

ここで泣いたら何もかも嘘になりそうだから

そっとちょっとだけ馳せて流します

ねえ先生?

もしも街中で見掛けたら

すぐ声かけます

だからあなたも声かけて

「すき」が伝わったと

確信出来たから

でなきゃあんな表情は

しないでしょう?

次逢うときは

元気なわたしだから

すこしのじかん

「さようなら」

あなたと居られたじかんも

本当に「すこし」だったから
整理がつくまで想い続ければ良い

忘れなければ良い

って『愛唄』にあった

離れたらもう目の前にはいないでしょ?

悲しくても

泣いても

苦しくても

想い出し笑い出来るまで

想うことは「じゆう」なんだ

だから「最後」がすこしだけ

怖くなくなった

はじまりを迎える為のさよならだから

今はもどかしくていい

言い聞かせ続けていい

「良い出会いに別れはない」

友達がそう言った

だからそうでありますよう

たとえそれがわたしの中だけだとしても

わたしは運命のひとに出逢ったから

ずっと知らなかった「愛」っていう形ないもの

教えてくれたから

それがどんなに素敵で煌めいて

それは哀しくも淋しくもあるものだって

あなたの選ぶ言葉のひとつひとつは

わたしにちゃんと届いたから

だから

今日もすきなんです。