【 府内の 蚊の話 】 | 高山右近研究室のブログ

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監修 右近研究家・久保田典彦
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      ※ 完訳 フロイス 「 日本史 」 再通読 ( 23 )

 

 

● ルイス ・ フロイス神父が執筆した 「 日本史 」 ですが、

 

 1549年から 1593年までの 44年間の、

 キリスト教の 日本宣教史で、編年史になっています。

 

 内容は、

 [ 日本総論 ]  37章 ・ [ 第1部 ] 116章 ・ [ 第2部 ] 132章 ・

 [ 第3部 ] 56章で、

 全部を合わせると、341章になります。

 

 [ 松田毅一 ・ 川崎桃太 訳 ] の 中公文庫版では、全12巻になっていて、なかなかの大冊です。

 

 翻訳されたもので、原稿用紙で 約6000枚になったそうです。

 

● このように 大部 ・ 大冊の 「 日本史 」 ですが、

 フロイス神父の上長 ( 上司 ) であった 巡察師 ヴァリニアーノには、

 “ 冗漫で、宣教報告として 必要のないことまで いろいろ書かれていて、整理する必要がある ” とされて、

 

 ローマのイエズス会総長のもとには 届けられないまま、

 マカオの文書館に埋没してしまっていて、

 後日、 火災が起きた時に、焼失してしまったのでした。

 

 何とか、写本されたものが 各地に散らばって残されていたものを調べて、 [ 松田 ・ 川崎 訳 ] の日本語訳が完成出来たのでした。

 でも、 [ 日本総論 ] の部分は、見つかってはいません。

 

● 管理職の立場からは、不評判だった 「 日本史 」 の文章ですが、

 フロイス神父の宣教の視点が違っていて ・ まともだっただけで、

 

 フロイス神父が、大切なことだと思って 書き記してくれていた 多くの事柄のお蔭で、

 現代の私たちに、生々とした 当時の様子が伝えられてきているわけで、まさに、主なる神の摂理の結果であると思います。 感謝主!

 

● 前回の 再通読 ( 22 ) で、

 ( 第1部 ・ 第19章 ) [ 府内でのトルレス神父 ]  を紹介しましたが、 エピソードとして、

 “ トルレス神父のようでありたい!” と願った 修道士たちと蚊の話が紹介されています。

 

 フロイス神父が 記録しておいてくれたので、知ることが出来ること

なんですよネ。  ありがとう、フロイス神父!

 

 

 「 府内で、トルレス師と共にいた修道士たちは、彼の生活と模範に

 教化され、

 自分たちが味わっている 多大の労苦や困窮を、苦もないこと ・ 堪え得ることと見なすようになった。

 

 その内の幾人かは、克己の修行に励みたいとの願いから、

 府内の司祭館で 少なからず苦痛である、一種の苦行をすることを思いついた。

 

 すなわち、府内の町には、夏になると、非常に大きくて 獰猛 ( どうもう ) な蚊が、おそろしく たくさんいる。

 

 町の人々は皆、蚊帳 ( かや ) を持っていて、夜はその中にもぐりこんで、蚊から 身を守るのであるが、

 蚊帳の中に ただの一匹でも入っていると、人々を いらいらさせ、彼らから睡眠を奪うのに 十分である。

 

 ところで、我らの同僚たちがいた場所には、他の所以上に 蚊が多いように思われたが、

 

 数名の修道士たちは、夜分に庭に出、

 我らの主なるキリストの御苦難と 地獄の苦患を黙想するため、

 上半身は 裸になり、両手を合わせて ひざまずいた。

 

 すると たちまちのうちに彼らは、

 血に飢えた 獰猛な蚊に覆われてしまい、

 それでも、微動だにしないで 一、二時間 それに耐えていると、

 

 幾人かは、顔から血の雫が したたり落ち、

 他の者は、身体が腫れて、ハンセン病患者のようになった。」

 

 

 

 

 

 

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