【 宇津木秀甫さんの 思い出 】 | 高山右近研究室のブログ

高山右近研究室のブログ

・右近についての、Q&A 
・右近研究こぼれ話 など

監修 右近研究家・久保田典彦
http://takayama-ukon.sakura.ne.jp/

 
 
 
 
● 亡くなられた 宇津木秀甫さんは、90歳でした。
 私が75歳ですから、15歳 年上ということになります。
 
 お寺の出の方で、名前の 「 秀甫 」 というのは、何と、夏目漱石が
名付け親だったということでした。
 
 出発は 演劇で、民主的な視点に 絶えず立たれて、幅広く活動されていました。
 地域史の研究、影絵 ・ 語りべの活動など。
 活動の成果の集大成として まとめられたものが、
大冊 「 高槻物語 」 ( 上 ・ 下 2巻 ) になるでしょうか。
  ━ 高槻地域と周辺の口承文芸
           ( 昔ばなし ・ 童べ唄 ・ 民謡 ) 集大成 ━
 
 “ キリシタン伝承 ” も 徹底して調べてくださいました。
 
 高槻は、かつて、400年前には 髙山右近が キリシタン城主だった町ですし、
 天正 9年 ( 1581年 ) には、領民 2万5千人の内、1万8千人、72% が
キリシタンだった ━━ という地域ですから、
 
 たとえ、徳川幕府による、徹底した “ キリスト教 大禁教 ・ 大弾圧 ” があったとしても、せめて、伝承としては、語り伝えられてきている
キリシタン話があるはずだ、と思って 聞き取り調査を続けられるの
ですが、
 ━━ 話としてさえ、残されてきたものは 皆無に等しく、徳川幕府に
よる250年に亘る、徹底した “ キリスト教弾圧 ” を物語ることを実感されたのでした。
 
 そのような中で、最近の 大収穫は、
 「 隠れキリシタン 」 達が、秘かに集まり、礼拝していた 「 ニワトリ石 」 を確定することが出来たことでした。
 
 
● キリスト教に関しては 門外漢なので、間違ったことを言ってはならない
 ━━ ということで、クリスチャンで ・ 髙山右近研究をしている私に
よく声かけをしてくださって、親しい交わりをいただきました。
 
 
 
 
● 今回の 【 髙山右近 フェスタ 】 も、まず 宇津木さんに志が与えられ、声かけをいただいて、画家の 小阪謙造さん達と共に、準備を進めてまいりました。
 
 90歳の健康に 不安はありましたが、3/4 の 「 髙山右近劇場 」 のためには、
これまでの 集大成のような思いで、精力的に 準備をすすめ、ほぼ
目途が立ち、楽しみにされていたのでしたが ・・・・・・・
 
 2017年2月15日 ( 水 )、夜の 9時すぎ、お風呂場で、壁に寄りかかるようにして、苦しんだ様子はなく、眠るようにして、波乱万丈の生涯を閉じていかれたのでした。
 
 
       ( 思い出を語られる 小阪謙造画伯
                / 参列された 辻元清美 国会議員  )