フィギュアスケートで2017~2018シーズンから世界選手権3連覇中(1回中止になった)、
そしてつい先日五輪の金メダリストとなり、世界の頂点に君臨し続ける
正しく「絶対王者」の名にふさわしいネイサン・チェン選手。
そんな彼と、(まだ)世界で活躍しているわけでもなく、
国内でさえそれほど広く認知されてるわけでもないマリちゃんとを
並べて語ることに違和感を覚える人は多いと思う。
でも私にとっては、2人とも尊敬に値する素晴らしい若者なのだ。
もちろん彼らの全てを知っているわけではないから、表に出ている部分だけでの判断だけど。
いろいろと思うところがあるので、今日はいつにも増して長くなりそうだ^^;
この2人には共通点がある。
1999年5月5日生まれのネイサン選手と、2000年3月30日生まれのマリちゃんは、
日本式だと「同学年」になり、どちらも現在大学生だ。
頭が良くて勉強好きなところもよく似ている^^
中国系アメリカ人のネイサン選手と、母親が台湾にルーツのあるマリちゃん。
そして以下はあくまでも私目線の共通点だが、
それぞれのパフォーマンスに魅力を感じるのはもちろんのこと、
見た目も声も好みで、言動からうかがえる人間性など、知れば知るほど好きになる人物で、
今とは別の道に進むのであればそれを心から応援したいと思えるところも同じだ。
マリちゃんの魅力については今までさんざんこのブログに書いてきたので、
ネイサン・チェン選手のどこに惹かれるかを少し書いておこう。
フィギュアスケートは技術だけではなく芸術性も求められるスポーツだ。
ただ芸術性に関しては素人からしてみれば好みの問題であり、
私はネイサン選手の氷上のダンスはとてもカッコイイと思うし大好きなのでそれで良し^^
何よりも、世界で1番難しいジャンプ構成で試合に臨み、
それを成功させて頂点に立っているアスリートであることに惹かれている。
彼を尊敬しているという宇野昌磨選手(今回銅メダル)が、
「自分が金メダルを狙うということはネイサン選手のミスを待つということだから、
それは違うと思った」というようなことを語ったそうだが、
それほどネイサン選手のジャンプ構成はすごく難度が高かったのだ。
ソチで戦った真央ちゃんと共通するところで、アスリートとして尊敬する。
誰よりも高難度な技を成功させて優勝したスノボーの平野歩夢選手と同じものを感じる^^
女子で1番難度の高いジャンプ構成だったのはロシアのトゥルソワ選手で、
次々と4回転ジャンプを成功させた彼女のFSも感動したな~。
ネイサン選手のインタビューの受け答えや態度なども、
スポーツマンらしい好青年という感じで見ていて清々しい。
あとで少しふれるが、底意地の悪い酷い質問にも動じずに真摯に答え、
誰にも不快な思いをさせないところなど、本当に人として尊敬できる。
まだまだスケートリンクで滑るネイサン選手のカッコイイ姿が見たい、
ミュージカルの舞台で歌ったり踊ったりしているマリちゃんの姿が見たい、
これはファンの我儘な望みとして心の中に持ち続けている。
でもネイサン選手は大学に復学し、今後は学業優先になるのかな?(まだ詳しくはわからない)
マリちゃんは大学を卒業する時期だけど、まだ学びたいことがあるかもしれない。
スケートよりも、芸能活動よりも、もっと自分にとって大切な目標があるのであれば、
全力でそれに向かって突き進んで目標を達成して欲しいと願っている。
さてここからは少し重い内容の話になる。
マリちゃんが活動休止している今、以前にも増してネイサン選手に対する関心が高まり、
彼の名前でいろいろと検索して情報を得ていた。
特にTwitterなどでネイサン選手を称賛するコメントを読むのは楽しかった^^
ただ中には非常に不愉快な記事にぶつかることもある。
ある記者がネイサン選手にあまりにも無礼な質問を浴びせたという記事だ。
どんな質問をしたのかは、ケッタクソ悪いのでここには書かない。
でも結局は、それに対するネイサンの答えが素晴らしくて神対応だったということで、
ネイサン選手の株が急上昇したということなんだけどね^^
ネイサン選手のご両親は中国からアメリカに渡って帰化したということで、
どうやら彼は中国では「裏切者」として不人気らしい?
他国に帰化することを「裏切り」だと捉えることが私には全く理解できないのでビックリした。
同じフィギュアスケートの選手で、長洲未来という日系アメリカ人の選手がいた。
彼女がアメリカ代表で大会に出場していた時に、
「裏切者」などという目で見ていた日本人がいるだろうか?
むしろ真央ちゃんと同じ3Aを跳ぶ選手として応援する人が多かったように思う。
もし真央ちゃんが他国に帰化して他国の代表選手として試合に出場したとしても、
真央ちゃん自身を好きなことに変わりはないし、同じように応援したと思う。
先日、NHKのBS1スペシャルで『“アジアンヘイトクライム”と戦う』という番組を見た。
アメリカ国内で、前大統領のある発言から中国系アメリカ人への差別が激化し、
そこからアジア系アメリカ人への差別へと広がっていったという内容だった。
でも人種差別は昔からあったことだし、
ネイサン・チェン選手、特にご両親は差別されることもあったのではないか。
祖国からは「裏切者」とされ、帰化したら人種差別を受ける、辛いことだな。
ただ人種差別というのはアメリカだけではない、どこの国にもある。
マリちゃんはドイツと日本のダブルということで、
ドイツにいれば「ドイツ人ではない」と言われ、日本にいれば「日本人ではない」と言われる、と
何かの雑誌で語っていたが、その後『SPUR』という雑誌の中で
「僕は『何人なの?』て聞かれたときは、『地球市民です』と答えるようにしています。」
と語っていて、あ~なるほど、と感心したことがあった。
まぁでもきっと、一般的には分かりやすいように「ドイツと日本のハーフです」と
答えることが多いんだろうなとは思うけど。
私はなるべく「ハーフ」ではなく「ダブル」という言葉を使うようにしているけれど、
それも日本では全然浸透してないからいちいち説明しなければならない^^;
「私は先祖代々続く生粋の日本人だ!」と思っていても、
日本の先住民はアイヌだけという説もあるようだし、誰も断言はできないよね。
でもある程度の国民性というのはあって、日本人は勤勉で真面目というイメージかな?
同じ日本人でも地方によってまた違って、例えば東北人は我慢強いとかね^^
そういう良いイメージなら問題ないけれど、悪いイメージというか固定観念で
心の中で差別してしまうことはある。
私ぐらいの年代だと、「人にお金の話をするのは品がない」という考え方なので、
あけっぴろげに稼ぎの話をする人には眉をひそめてしまうことがある。
で、だいたいそう感じるのが関西人だったりして(関西人の方ゴメンナサイ^^;)
でもこれはきっと身分制度があった頃に、武家社会が商人を見下していたという、
差別意識から来る感情なんだろうなと思う。
○○人と一括りにするのは良くないとわかっているけれど、あえて例えるなら
物を買う時に「値切るなんて恥ずかしくてできない」という人が多い関東人
値切ることが当たり前の関西人
どちらも良い悪いなんてないけど、得をするのは後者なんだよね(笑)
人には「好き嫌い」という感情があるので、どうしてもそこから差別意識が生まれる。
正直に言えば、私にも苦手だなと思う国はある。
自分のことを嫌っている人を好きになれないのと同じで、
日本を嫌ってたり敵対視している国のことは好きにはなれない。
でもその国に住んでいる個人のことまで嫌う必要はないし、それは間違っている。
私は何に対しても好き嫌いが激しくて、その感情はどうしても消せない。
「嫌い」の対象が人物であった場合、「その人の良いところを見つける」と言われても、
結局嫌な部分の方に目が行ってしまうので、
なるべく関わらないでいることが最善策になってしまう^^;
ツカちゃんみたいに「嫌いな人なんていない」と言えるような人間になりたい・・・
自然を愛し、「人を幸せにしたい」という気持ちが根底にあり、
様々な媒体でSDGsや多様性について発信していたマリちゃん。
大事な試合の前に酷い質問にも知性的な答えを返し、堂々とした演技で優勝、
常に謙虚な態度で受け答えするネイサン・チェン選手。
彼らがこれから何を学び、それを世界平和にどのように生かしていくのか、
それを見守るのが楽しみであり、自分も出来ることを実行していこう。