星野架名:真昼の夢見たち | つれづれマカロン

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電子書籍化して緑野原学園それを最初に読もうかなと思ったけど、最初のページからではなく、シリーズの最初の短編となる『真昼の夢見たち』にしました。

なかなかにサイバーな設定の短編です。主人公の弘樹がファッションビルの光と音の展覧会に行って、そこでもらったチョコを食べて…

それが幻覚剤だったので、真昼にありえないSFな幻を見るという感じの話。弘樹も了解しているし、体に害のない薬剤とは言え、チョコにお薬混ぜて食べさせてしまうのは大問題では。

弘樹の相棒である彼方。後々の作品では彼のとんでもない秘密が明らかになりますが、この作品では普通の少年と言う設定みたい。とはいえ弘樹の幻の中で、実体のない美しい影のように登場するのは彼方らしさがよく出ています。

話の本筋はさておき‪……‬渋谷のような街で会うクラスメイト同士、一緒に光の展覧会に行く、その後ファッションビルで遊ぶ、21時の閉店までそこにいて、オールナイトの映画を一緒に見に行くところで終わる。

都会の高校生がみんなこうだとは思いませんよ。男子高校生なんておしゃれな生活してないと思うし。

でも熊本から見ると渋谷なんてこんなだと勝手に思えてしまうんです。繁華街からオールナイトの映画館に移動するところで話がおしまいなんてかっこよすぎます。

「沙羅グランドビル 21時閉店……」という最後の言葉が、とても非現実的にクリアに思える、これから始まる緑野原シリーズにふさわしい第1作です。