三日月(クレッセントムーン)の夢をさがして:めるへんめーかー | つれづれマカロン

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46歳ひきこもりの
人生楽しみたい日々なのです

単行本・花とゆめコミックス『ふらいど・えっぐ・むーん』のラストに収録されている、めるへんめーかーさんのデビュー作です。デビュー作にはその後の作家のすべての要素が詰め込まれているとよく言われているので、ずっと読みたかった作品です。

物語はひと昔前。ある都会に出てきたばかりの少女マリエールは、猫好きなところを買われてマダムの家の家政婦になることに。マダムの家の猫たちとふつうに会話できる力をもつマリエールは、魔女の血筋の女の子。でもマダムも魔女の血を引いていたのです。そしてマリエールはマダムの家の小間使いの青年で妖精の血を引くシリルと恋に落ちるのでした。

エプロンドレスの似合うロリータなヒロイン、穏やかな青年のヒーロー、たくさんのねこたち。めるへんめーかーさんの独特の細いほそい繊細な線。描きこまれた背景はヨーロッパの香りがします。はあ、美しすぎる……(*゚▽゚) ねこの造形がとんがった三角耳の変わった感じなのも可愛らしい。

これはわたしの知識が不足しているので言い切れないのですが、デビュー作からペンネーム「めるへんめーかー」を名乗っていらっしゃったんでしょうか? だとしたら素敵すぎます。日本のまんが家の中でも「メルヘンメーカー」と言い切れる、お伽話のみをつくれるのは彼女くらいだと思うので…。あとがきの「趣味は少女趣味です。しかもシックな少女趣味です」もイカしてます。シックな少女趣味、か…嗜んでみたいものです。