島本理生『B級恋愛グルメのすすめ』 | 活字に溺れて

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こんにちは、夏乃です

今回は小説ではなくエッセイのお話をしたいと思います。
食に恋に旅、日常の些細なこと、色々な種類の作品があるかと思いますが今回は食のエッセイについて。


島本理生『B級恋愛グルメのすすめ』

あらすじ?:
恋には食とお酒がかかせない。
危険な夏の恋がしたかったり、手料理で意中の相手の胃袋を掴みたかったり。
恋愛小説家ならではの恋と食とお酒のエッセイ集。


感想:
エッセイだとあらすじというのも難しいですね。

恋愛小説家、島本理生。
彼女の作品で特に好きなのが『ナラタージュ』なのですが、この作品でも登場人物たちが食事や料理をする場面が度々出てきたように思います。

恋愛と食事、一見関係がないように見えますがこれが意外と切り離せない。
誰かと親しくなる上で一緒に食事をするというのはとても重要なことです。

一人で好きなものを食べるのも楽しいけれど、誰かと「美味しい」を分かち合うのもとても楽しいし、食事というのは警戒心が薄れる場面だとも思います。
そういった瞬間にお互いの素の一面を見ることができるというのも共に食事をする時の楽しみなのではないでしょうか。

また、好きな人と一緒に食べたものというのは案外記憶に残っているものです。
川端康成の言葉に
「別れる男に、花の名をひとつ教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます」
というものがありますが、私は食事においても同じことが言える言えるのではないかと思うのです。

生きていく上で食事をするということは欠かせません。
普段何気なく口にしていたものでも、大切な誰かと食べたというだけで特別なものになるのではないでしょうか。

と、真面目に綴ってきた訳ですが、本編ではそんな真面目なことばかり話している訳ではありません(笑)

作者が美味しく楽しくお酒を飲んだり食事をしたりしているとっても楽しい作品です。
深夜に読むのはお腹が減ってくるのでおすすめしません(笑)

私も大切な誰かと楽しい食事をしたいなと思える素敵な作品でした。



昔はエッセイというジャンルに苦手意識を持っていたのですが、最近はそうでもありません。私が大人になったからでしょうか。

島本理生作品は素敵なものばかりで、今回名前だけ出した『ナラタージュ』についてもまた書いてみたいと思います。

それでは今回はこの辺で。