■留年だけでは解決しない | ◎ 浮輪浮遊録 ◎

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橋下大阪市長は、小中学生の留年の運用強化を図りたいようです。
現在でも留年はあるものの、事実上実施されてはおりません。


教育という“サービス”を行う時、流れ作業の如く進級し卒業させることは、行政側は楽でコストも掛かりません。特に教師にとっては現行が一番波風が立たず楽なことから、「落ちこぼれ」はやむを得ないと達観する者さえ少なくありません。
加えて保護者も我が子が留年することは、世間体から望みません。

その結果、基礎的な学力を著しく欠いたまま義務教育を修了する者が出ることとなります。

そのような事態の解決策として留年は一つの方法ではあります。


しかしながら、留年は試験通過後の一定水準の集団を対象とした場合に効果を発揮するものです。
病欠等で一定期間欠席した者が留年となっても、意欲があれば挽回できます。
一方、無試験全入の公立小中学校の場合、普通学級の中に著しい習熟格差が発生し、単に留年させることが解決にならないのです。
本人に意欲が無い場合は留年に効果は無く、別途習熟度別授業を行ったとしても同じことになります。
なお本人に意欲がある場合でも、教える側にも意欲と能力が無ければ習熟度別授業は効果がありません。
また、本人の意欲と能力に加え家庭環境等個々の生徒には大きな違いがあることが解決をさらに困難にさせます。 

さて、能力は運動でも知能でも差が出るものです。
運動格差には差を認めるにもかかわらず、知能格差を認めない人が少なくないのが不思議に思います。


では、どうすればよいのでしょうか。
早い段階から習熟度別授業は必要です。
習熟度別授業は効果が無いとする教師は少なくありません。
確かに意欲の無い生徒は効果が表れにくいのは動かし難いことです。
しかし、習熟に遅れを取った場合の挽回は、どのような形であれ別枠での指導が望まれます。
行政事情が許す限りにおいて、低学力生徒は小人数編成が望ましく、その結果として中から高学力の生徒の編成が多人数になったとしても、生徒に意欲があれば50人程度の編成は可能です。この位の編成は昭和30年代の学級編成では珍しくありませんでした。
そして、さらに大切なことは、生徒の成果に併せて定期的に編成を換えることです。
努力により上がることもあれば下がることもある、当たり前の事を受け入れることは悪いことではありません。
なお、勉強に全く興味を示さない児童生徒も存在しますが、そのような場合は最低限の「読み書き等の素養」を身につける事が目標になります。


なお、習熟度別授業は基幹科目以外では行わず、ホームルーム等は従来の学級で行います。


さて、以上のことは教師にとっては必ずしも歓迎されません。
「モスクワ時間」や「北京時間」の定刻前退校教師ほど、クラスの中で生徒が助け合うと嘯き、自ら「落ちこぼれ」を救う事はしませんでした。
要するに習熟度別授業は、教師自身が熟達した上で努力しなければ「効果が無い」との結果がでてしまうことから、教師にとっては何としても避けたいところなのです。


このたびの留年問題は、「落ちこぼれ」回避の一策ではあるものの、それだけでは余りに不十分で、併せて習熟度別授業も行わなければ効果に乏しいことから、本日の記事を述べた次第です。



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◆2011年03月09日 続々・納税者の育成~人材育成型公共事業
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