11月16日に,和製の定番ブラウザSleipnirが約6年ぶりとなるメジャーバージョンアップを果たし,Sleipnir3として公開された.使ってみた感想は,うーーーん....特に他のブラウザを上回る要素がない(-_-;)このバージョンアップを機会にまたSleipnirを使おうかとも思っていたので,ちょっとがっかりしてしまった.

 以前のエントリでも触れたが,2004年から2010年くらいまでSleipnirを愛用していた.IEと同じエンジンを使用しつつも,タブブラウジング,マウスジェスチャー等にも早くから対応し,非常に先進的で,高いカスタマイズ性を誇るとても使いやすいブラウザだった.

 しかし,今やIE,Firefox,Chrome,Safari,Operaもすべてタブブラウザだ.また,Firefoxではアドオン,Chromeでは拡張機能と呼ばれる追加プログラムを導入することにより,自分好みのブラウザにカスタマイズすることができる.利用ユーザーの多いこれらのブラウザでは,追加プログラムは無数に公表されている.玉石混交ではあるが,有用なものも多い.マウスジェスチャー機能も追加できるし,YouTubeやEvernote,ダウンローダなどとの連携など,便利な使い方は無限にある.

 2010年にChromeに試してみたときは完成度が低く,まだ使えないと判断し,Firefoxに乗り換えた.Firefoxでは複数のPC間でパスワードやお気に入りを共有できることが非常に便利だった.だが,自分のノートPCが非力であることもあり,Firefoxの挙動が遅いことに不満を持つようになった.そのため,今年になって再度Chromeに乗り換えた.やはり,Chromeのサクサクと動く軽快さは抜群だ.また,複数のPC間でパスワードやお気に入りを共有する機能,マウスジェスチャー,ブラウザ上でのIEのレンダリングエンジンへの切り替えなどもできるように進化しており,Firefoxとの機能面での差はほぼない.ならば,高速に動作するChromeが現在のベストブラウザだ.一つだけ苦言を呈したいのは,お気に入りやリンクを開くときに,「新しいタブで開くかどうか」「自動的にそのタブをアクティブにするかどうか」を設定できないことだ.こんな基本的なことが何故設定できないのか理解できない.これだけはとてもストレスだ.

 それぞれの陣営が切磋琢磨することで,ブラウザはどんどん進化している.ユーザーにとってはありがたいことだ.個人的にはSleipnirを応援してるので,これからも頑張ってほしい.

$電脳医師の研究日記

 今回は映画のお話.神経内科医としては遅きに失する感があるが,初めて「レナードの朝」を観た.

 主な登場人物は,セイヤー医師を演じるロビン・ウィリアムス,患者であるレナードを演じるロバート・デ・ニーロだ.1920年代に流行した嗜眠性脳炎の患者達は,その後遺症のために外界の刺激に無反応で,体の動きも非常に乏しい状態となっていた.時は流れ,1960年代.セイヤー医師は患者達の詳細な観察により,症状がパーキンソン病と類似していることを指摘.当時はパーキンソン病の新薬であり,パーキンソン病に対して劇的な治療効果を上げていたL-DOPAを嗜眠性脳炎の患者達に投与することを考えつく.投与量の試行錯誤を重ねていた数日後の夜,セイヤー医師はレナードが窓辺に立って月を眺めているを発見する.彼はセイヤー医師に言う.「今、目覚めたよ」.これが邦題の「レナードの朝」,もしくは原題の「Awakenings(目覚め)」の意味するところである.同様の症状を持つ患者達にL-DOPAを投与すると,彼らにも症状の劇的な改善が得られ,話したり,歩いたり,踊ることさえできるようになる.しかし,薬の効果は長くは続かず,レナードは筋肉の不随意運動などの副作用に苦しめられるようになっていく.セイヤーはその様子をビデオなどに記録しようとするものの,あまりの苦悶の姿にひるんでしまう.レナードが言う.「learn me(おれから学べ)」と.
 この映画では共に病気に立ち向かう医師と患者の姿が描かれている.また,医学は不完全な科学であり,医師は常に患者に学ばされ,あるときはその犠牲の元に発展していく宿命を持っていることも認識させられる.医師,もしくは医師になろうと思っているすべての人にお勧めしたい映画だ.
 無粋ながら医学的な観点からこの映画を見ると,30年間も全く動かなかった患者が,いくら薬が効いたといえ,突然歩き出したり,踊ったりなんてことはできる訳がないと思うが,そこは映画上の演出であり,またこの映画の本質でもないだろう.ロバート・デ・ニーロの演じる患者の表情,話し方,不随意運動などの症状はとても演技とは思えないほどリアルで,レインマンにおいて自閉症患者を演じたダスティン・ホフマンと同様に,一流の俳優の観察眼やその表現力の素晴らしさにただただ圧倒された.


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 前回の1次試験に引き続き,2次試験の感想(→前回の記事はこちら).



 2次試験の会場は例年通り東京の都市センターホテル.面接は2回に分けて行われる.1回目が神経学的診察に関する面接で,2回目が提出したレポートに関連する面接だ.担当の面接官はそれぞれの面接に2名ずつで,いずれの面接官も教授クラスの偉い先生ばかり(-_-;)



 神経学的診察の面接.部屋に入ると,

「まずは机の上に持参した診察道具を並べてみてください」

ハンマー,音叉,眼底鏡,ペンライト,舌圧子,爪楊枝を机に並べる.これだけしか持ってきてないや,と今更ながらに思う.眼底鏡,舌圧子は試験会場で同僚に借りたものだし,爪楊枝に至っては前日に飲み屋で調達したものだ.

「先生は普段,痛覚の検査には何を使っていますか?」

痛覚の検査はルレットでやることが多いが,衛生面から爪楊枝の方がベターとされているので,「はっはい,爪楊枝を使うことが多いです..」とつい答えてしまう.

「先生はこのタイプのハンマーを使われているのですね」などと少し雑談をする.

「では,実際に診察をしてもらいましょう」

ここでついたての後ろで待機していた模擬患者さんが登場する.

「Jaw Jerk,上下肢の腱反射をとってください」

「上肢に軽度の錐体路徴候が疑われる場合にどのような点に注意して所見をとりますか?」

「視野と眼球運動の所見をとってください」

「Lermitte徴候とは,どのような徴候ですか?所見はどのようにとりますか?」

「Hoffmann徴候をとってみてください」

「棘上筋,棘下筋のMMTをとってください」

「歩行障害がありそうな患者さんがいます.先生の普段のやり方で歩行障害の診察をしてみてください」

「決闘者の手とはどんなものですか?」

このような質問を受けた.系統だって順番に聞かれるというよりは,その場で面接官の先生と自分が話している流れで,先生が思いつかれたものを指示される感じ.問題なくできてれば,「そうですね.いいですね」と言われる.Hoffmann徴候については,「やり方がちょっと変ですね.うーん」と言われ,「こうじゃないですか?」と先生が実演してくれた.そうこうしているうちに面接の20分はあっと言う間に過ぎて,「じゃあ,そろそろ終わりましょう」と何とか終了.



 全体を通して,受験者がリラックスして診察できるように配慮してくれていたように思う.ただ,別の部屋で面接を受けた友人は,一番最初に「診察バッグも持ってきていないんですね」とイヤミっぽく言われ,その後も散々だったそうだ.東京の試験会場までいつもの診察バッグを持っていく人ってどのくらいいるんだろうか...そもそも僕は診察バッグを持ってない.若手の頃から診察バッグ使っている人ってそんなに多くないよね??試験対策としては,神経内科学会が監修した標準的診察法のDVDは絶対に見ておいた方がいい.でも,このDVDは90分とかなり収録時間が短いので,当然すべての神経診察を網羅していない.不足している部分は教科書で学習しないといけないが,「ベッドサイドの神経の見かた」では少し不十分で,「神経症候学を学ぶ人のため」にを読んでいたのが役立った.




 次に隣の部屋に入って,今度は10症例のレポートに関する面接を受ける.

「先生の症例は幅広く選んでいていいですね.進行麻痺など今ではかなりめずらしい疾患も入っていますし,興味深い症例が多いです」

ちょっと褒められて,悪くない流れだな,と思う.

「脳波,NCVは自分で実施することはできますか?」

「神経生検,筋生検を実施したことはありますか?プレパラートは自分で見ていますか?」

「筋疾患と神経疾患それぞれの筋病理の特徴について述べてください」

「筋電図での筋疾患,神経疾患の所見の特徴を述べてください」

「手根管症候群の患者さんの診察はどのように薦めますか?」

とレポートとは直接関係ないことを色々聞かれる.この時点で既に10分経過している.次に,

「この患者さんをアテローム性脳梗塞と診断した根拠は何ですか?」

「PSPのパーキンソニズムの特徴を述べてください」

レポートに関連したこととして,このような質問を受けた.



 こちらの面接も,非常に穏やかな先生方で,比較的リラックスして面接を受けることができた.レポートに関する質問よりも,それ以外の質問の方が多かった.つまり,レポートの症例についてしっかり答えられるようにしておくことは当然だけれども,他に何を質問されるかわからないので,ある程度幅広い知識が要求される.でも,一次試験の勉強と,普段の臨床を普通にやっていれば答えられる問題が多いはず.僕は全部の質問に正確に答えることはできず,「うーん,ちょっと違うかな.また勉強して下さい」と言われたりもした.



 最終的に合格を付けてくれるかどうかは面接官次第.厳しいことで有名な面接官もおられるそうなので,どの面接官に当たるかによって合否が左右される面は否めず,ある程度運もあるかもしれない.ただ,うまく事前の対策をしておけば,合格の確率を高めることはできると思う.



 以上,神経内科専門医の2次試験を終えての雑感でした.忙しい仕事の合間に試験勉強するのは大変だけれども,知識の整理になるし,こんな機会がなければ絶対に知らずに終わっていただろう知識も身につくので,勉強したことは決して無駄にはならないと思う.これから受験される方は頑張ってください.






 そろそろ,2012年度の神経内科専門医試験に向けて,準備を始めた人達もいるようだ.そこで参考までに,昨年の専門医試験を振り返って記載してみようと思う(一応,合格しました).



 2011年6月11日,東京大学駒場キャンパス内の講義室で受験した.例年は都市センターホテルが会場になっているようだが,今回は都市センターホテルを押えられなかったのだろうか?あいにく当日は大学内でイベントをやっていたようで,窓の外からはバンドのライブ演奏の音が聞こえてきてうるさかった.しかも,東大でやっているのに受験料は例年通りの3万円.会場費が浮いた分はどこに行ったんだ.仕訳けが必要だな,こりゃ.



 一次試験の出題は必修問題,一般問題,臨床問題がそれぞれ100問ずつの合計300問.マークシート式で,5つから1つ選択(X1形式),問題によっては2つ(X2形式)選択する.X2だと1つは選べるけど,もう1つがわからない,というケースが激増する(-_-;)全体ではだいたい60%くらいの正答率が合格ラインで,合格率は80~90%程度になるようだ.



 試験対策の進め方だが,まずは先輩方によって復元された過去問を手に入れられるととても大きい.とてもとても大きい.とりあえず最近の過去1年分をやってみると出題の傾向が分かって,正しい方向で勉強できると思う.症候学についての知識を問う問題が結構多く,画像,病理の問題もたくさん出る印象で,必修,一般に関してはまんべんなく知識を問われる.当たり前と言えば当たり前だ.臨床問題はメジャーな疾患が題材になるので,メジャーな疾患は特にしっかり押さえておく必要がある.過去問を手に入れた方はわかると思うが,復元できていない問題も多数ある.今回の試験の復元にも携わってみての感想だが,見たことも聞いたこともないような難問もいくつか出題されており,やはりそのような問題は特に復元不能であった確率が高かった.まあ,そういった問題は正答率が低いので,本番でも正解できなくてもいいんだろうとは思うけど.何が言いたいかと言うと,過去問は受験者にも馴染みのある比較的復元しやすい問題を中心に復元されている傾向があるということ.なので,2011年の受験時は過去問と比較してかなり難しい印象を受けたが,もしかしたら2009年,2010年の復元不能問題の中に同じくらいマニアックな問題が含まれていたのかもしれない.



 「神経内科のスピード学習と専門医学習」という専門医の受験対策向けの本がある.当日もほとんどの受験生が持参しており.ほとんどすべての受験者がこの本で勉強しているようだ.問題のパートは過去問を中心に作成されているようだが,2007年発行のため設問の傾向がやや古く,最新版の過去問とは傾向が解離している印象がある.皆と同じ知識をを得ておくためにも一通りやっておくことをお勧めするが,さすがにこの問題は出題されないだろう,覚えても今後の臨床には役に立たないだろうと思われる問題に関しては,さらっと流した方がいいだろう.また,漢方医療,精神医学の項目に関しては,まず出題されないので,基本的にやらなくていいと思う.



 後は,各分野の教科書で勉強したり,学会のトピック,神経内科関連の雑誌の特集などで知識を肉付けしておくと良いと思う.最後に今回使用した主な教科書を挙げておく.


・神経内科ハンドブック
・神経症候学を学ぶ人のために
・ベッドサイドの神経の診かた
・カラーアトラス末梢神経の病理
・臨床のための筋病理
・神経病理インデックス
・エキスパートのための脊椎脊髄疾患のMRI
・よくわかる脳MRI
・カンファランス形式頭部画像診断演習
・脳卒中ビジュアルテキスト
・エマージェンシー神経学
・グラフィック神経学
・ケース・メソッド神経疾患
・てんかん診療のクリニカルクエスチョン
・脳波判読Step by Step
・神経伝導検査と筋電図を学ぶ人のために


 2次試験についてはこちら→2011年度神経内科専門医2次試験の感想など

 iPhoneでいい音で音楽を聴くために,ちょっといいイヤホンを購入した.イヤホンは価格帯によって性能が全く異なる製品で,価格帯はおおまかに3000円以下,~10000円,~20000円,それ以上,といった感じだ.純正のイヤホンはレベル的には当然3000円以下のクラスだ.製品によっても志向が異なり,クラシック向け,重低音重視,バランス派など色々あるし,メーカー毎の特徴もある.イヤホンやヘッドホンを比較レビューするサイトを参考にさせてもらって,最終的にSennheiserのCX 400-IIにすることとした.僕はロックが好きなので,ギターやボーカルの高音域が艶っぽくきれいに出ることと,ベースやドラムの低音がしっかりと響くことを重視して選んだ.実際使ってみると,純正のイヤホンとは比べものにならない音の良さに驚いた.さらに使い込むにつれて,音が落ち着いてきた感じで,期待していた通りのとても良い音を出してくれる.装着感もぴったりだ.定価は10500円程だが,4450円で購入できる.これは安すぎる買い物だ.


Sennheiser カナル型ヘッドフォン CX 400-II BLACK/ゼンハイザー
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 僕はギターやベースの演奏が趣味だ.パソコンにギターを接続すると,iTunes上で再生される曲に合わせて練習できたり,自分の演奏を録音することができてとても便利なのだが,そのためにはオーディオインターフェイスが必要になる.オーディオインターフェイスはギターのアナログの音声をデジタルに変換してパソコンに入力するデバイスで,逆にパソコンの音を出力する機能も持っている.僕の使っているRolandのUA-1Gはコンパクトな作りながら,音が良く,使い勝手も良い.また,オーディオインターフェイスのもう一つのメリットは,パソコンからオーディオインターフェイスを経由してヘッドホンで音楽を聴くと,パソコンにヘッドホンを直結するよりも音が良くなることだ.これはオーディオインターフェイスはパソコン内部で発生する電気的なノイズをカットする機能を持っていることによる.なので,パソコンで音楽を楽しむことが多いが音質には満足していない,という人にもUA-1Gはお勧めできる.


Roland UA-1G【オーディオ・インターフェース】
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 ヘッドホンはDENONのAH-D1100を使っている.こちらもクリアでかつ張りのある,自分の求めている音を鳴らしてくれるヘッドホンで,装着感も素晴らしい.こちらは13000円程で購入できる.


DENON オーバーイヤーヘッドホンブラック AH-D1100/デノン
¥18,900
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 巷では何年か前からiPodをいい音で聴きたい,というニーズが高まってきて,数万円もするようなイヤホンやヘッドホンも結構売れているようだ.一方で,Amazonのマーケットプレイスで偽物を掴まされた,というような情報も多い.Amazonのマーケットプレイスで販売しているのはAmazonと契約した小売業者であって,Amazonではないことには注意が必要だ.今回イヤホンを選んでいるときにも怪しそうな業者はいた.相場から見て異常に安すぎる出品や評価が悪い小売業者は選ばないようにした方がいいと思う.