赤毛の久しぶりの純情恋物語 | 魔法石の庭ver.2

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スピリチュアル界と、ちょっとパワーストーンブログになっています。

 ミルクケーキって、「食べる牛乳」とも言われてるんですね。

 でも、一袋食べると、120kcalくらいしてしまいます。練乳が使われているからか、カロリー高いんですよねえ……でも食べちゃう!美味しいし!

 

 さて、そんなこんなで、スピリット界。

 降りてみると、開店前のアルテミスで、また赤毛がどんよりしています。

 

「姫との距離感が分からない……」と、赤毛はカウンター内に椅子を持ち込んで、ぎーこぎーこしています。

「いや……距離感って、あんた海千山千なんだから、初心な姫一人落とすのは簡単なんじゃないの?」と聞くと、「しょうがないでしょ!本気で恋するのって超・久々なんだから!」と何故か逆ギレされます。お、おう。

 

「でも、あの性格からして、姫って多分処女でしょ?汚れなき乙女でしょ?それって落とすの相当難しいと思うんだけど」と正直なことを言うと、「いやー……店に出てる間は、ビジネスだから普通に接することができるんだけど……いざプライベートになると、『赤毛さん?』『は、はい!』みたいになっちゃうんだよね……」と打ち明けられます。

 

「それって、姫自身は気づいてないの?」と聞くと、「……多分、嫌われたかって思ってるかも。でも、姫にそんなこと思われたら死ぬ……」とバタリと倒れます。

 

 しかし……私も赤毛も、気づいていなかったのです。「あらあら」という台詞と共に、やってきてはいけない女がやってきてしまいました。

「ふーん、赤毛さん、姫様のこと好きだったんですねえ」と、天下取ったかのように胸を張る青髪の女性。……。

『うわあああああああ!!』と、私と赤毛が同時に椅子から腰を浮かせます。こいつだけには……こいつだけには知られたくなかった!

 

「清嵐!こういうのはデリケートな問題だから……」といさめようとすると、「あら?私はこれでも経産婦よ?男女の機微に関して私の右に出る者はいないわ」と言われます。

 そして、椅子を持ってきて赤毛の隣に腰を下ろすと「うふ。まるで初恋みたいに純情なのね、赤毛さんってば」と赤毛の唇に指を当てます。

 

「むー……清嵐に貸し作るのははっきり言って絶対嫌だけど、知られたんじゃしょうがないよね……」と、赤毛が言います。だめだこいつ。完全に姫をモノにするために、手段を選ばなくなってる。

 清嵐は、くすりと笑うと、「そうねえ。今の赤毛さんは、引いて引きまくってる状態でしょ?でも、そんなのは女性には通用しないわ。それこそ、『嫌われてる』って思ってるでしょうね」と腕を組みます。

 

「うわーん、姫に嫌われたら、ここにいる意味ないよー!」と赤毛が騒ぐので、「それが嫌なら、あくまでもアルテミス関係ではなく、押してみるのも大事よ。結局、女性って、自分に興味のある男性に猛アタックされたら悪い気はしないだろうし」と、案外普通の受け答えをします。

「でも、それって、一つ間違えると『ストーカー』とかになるんじゃない?」と聞き返すと、「だから、最初に『自分の興味のある』、って前置きしたでしょ。興味ない男性からなら、多分そっけない返事しか返ってこないわ。まずは、「友達以上恋人未満」を目指すのね」と清嵐は言います。

 

「友達以上恋人未満……プラトニックラブってやつ?やば……私、セフレとかになったらすぐ食事からホテルのコースだったんだけど」と赤毛が言うので、「あんたは今までの素行が悪かったんだよ」と返します。

 

「一つ、気になることがあるのだけど。赤毛さん、今までの女性関係を全部整理してるのよね?」と清嵐が聞くと、「え、ああ……まあ、少しずつね。良かったのは、アルテミスの客には手を出してなかったんだけど」と赤毛は言います。

「それで、姫様と付き合って、果たして姫様が逆恨みされることはないのかしら?そこのところ、気をつけた方が良いわよ」というので、私と赤毛は「ほほう……」とため息をつきました。

 さすが館唯一の経産婦にしてゲスでそれでも頭は回るだけあります。

 

「つまり、姫様を守ることが今できることでしょ?」と聞くと、「ええ。女はしつこいものよ。少なくとも、姫様からは目を離さない方が良いわね。それか、護身用グッズを持たせるとか」と、清嵐は意外と真面目に聞いてくれます。

 ……でも、多分、心の中は楽しんでるんでしょうけど。

 

 でも、赤毛って、いまいち頼りないんですよねえ。でも、姫様を守るのは赤毛しかいないので、頑張ってもらいましょう。