ブンケイと牛若丸(9) | ウカの小説掲示板(仮)

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マターリして行ってね⊂二二二( ^ω^)二⊃ ブーン

「お兄ちゃ~ん!オムライスさめちゃうよ~っ」


妹のしずかが俺の部屋の惨劇を見つけたとき、


俺はもう部屋にいなかった。


校庭の桜が強風にあおられてあでやかに散っている。


俺は春の夕暮れの風に頬をなぶられて、


そんな場合じゃないってわかっていながらも


若干センチメンタルな気持ちに浸っている。


俺はあの手紙を見てすぐに、リョーマとさえちゃんの携帯に


電話をしたけれど、通じなかった。


葵ちゃんの携帯を聞いていなかったのを後悔したが、もう遅い。


とにかくいてもたってもいられずに、


二階の窓から簡易はしごを使って外に出て、学校を目指した。


学校に向かって走りながら、


俺の頭は様々な疑問でオーバーヒートしていた。


誰がいったいあんな手紙を投げ込んだのだろう?


牛若丸の後を追ってきた何者かなんだろうか。


牛若丸はあんなにのほほんとしているので


俺はあまり彼女の身の安全を考慮していなかったけれど、


もしかしたら相当危険な状態にあったんじゃないのだろうか。


そして、手紙の「お前ら」というのは誰のことなんだろう?


俺、リョーマ、さえちゃん、葵ちゃんも入っているのだろうか?


誰にも見られていないと油断していたのに、


牛若丸の話でスパークしていた俺たちを、


誰かがどこかで監視していたのかもしれない。


そいつに牛若丸は見えるのだろうか…。


息も切れ切れに学校に着いた俺は、体育館の角で誰かに勢いよくぶつかった。


「なんだぁ、お前文覚か!こんな時間にどうした!」


黒髭だ。くそっこんなときに面倒だぞ。


「えーとすみません、体育館に忘れ物しちゃって」


「忘れ物だぁ?!何もこんな夜遅くに来なくても明日でいいだろう?」


「いや、あの、大事なものなので」


「大事なもの~!適当なことをぬかしおって!大人をバカにするな!


 全くお前ときたら・・・


 真面目にやれば窓側にも座れる実力はあるのに勉強に身をいれず…」


このタイミングでお説教かよ!こいつ、MAXめんどくさい!


俺はブチっときてしまった。


「すみません!悪いけど急いでるんでそこどいてください!」


言うが早いか、黒髭の巨体に体当たりして、


バランスを崩して倒れた黒髭を飛び越え、俺は体育館の入り口に向かった。


後ろから黒髭の怒声が追いかけてくるが、わき目もふらずに走る。


こんなワイルドな行動、普段の温厚な俺からはちょっと考えられないけれど、


細かいことに構ってはいられない。


なにしろ今は一刻を争うのだ。


心臓が激しく脈打っている。


もしもあいつらに何かあったら…!


俺は体育館の重い扉を開けた。


体育館特有のかびくさい匂いとともに、一瞬生ぬるい風が俺を襲った。


中は真っ暗で何も見えない。


俺は中に入っていきながら叫んだ。


「リョーマ!いるのかーっ!」


何の返事もない。


生ぬるい風はもわりと澱んでいて、じっとりと汗ばんだ俺の体にまとわりつく。


これは…もしかしたら血の匂い…?


「リョーマ!さえちゃん!葵ちゃん!牛若丸!」


俺が一歩足を踏み入れるごとに、血の匂いを含んだ生ぬるい風は濃くなっていく。


俺は胸騒ぎが激しくなるのを感じながらも、


みんなの名前を呼びながら奥へ奥へと進んでいく。


進むにつれて、足元の床がぐにゃぐにゃとゆがんでいくように感じた。


俺の気のせいなのだろうか?まるで土の地面を歩いているような感触だ。


ささやくようにかすかな声がした。


「きちゃダメ…」


この声は…葵ちゃん?


その瞬間、後頭部に燃えるような痛みが生じ、俺は意識を失った。


    



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