そしたら
もう、だんだん汽車がはやくなるのに手を離さない。

引きずられそうになるまで。

もうこんなに
泣いてしまった。

涙ポロポロ流しながら走って。

そしたら
ついに
彼は
ついに手を離して。

そして
手を
ふっているのを
今でも
覚えています。

それっきりでした。

その数日後
彼は
南の空に
散りました。

終戦まで
あと1ヶ月の
ことでした。

女性

「あのとき、私の手を握っていった人、その他にもいろいろと思い出のある人がいっぱいいるんですよ」

「その人たちの亡くなったかたの魂が私に入っているんじゃないかと思います」

そして、藤岡さんが、彼女のために出会いの感謝の気持ちとして、自らが熱中するコーヒーを入れました。

女性

「うわぁ、すごいコク」

「おいしいです」

藤岡さん

「苦味の中に甘味がある」

「なんかこの人生もそのような感じがする」

女性

「いろんな苦しいこと、つらいこと、生きてきて、8割がつらかった」

「よろこびは2割だった」

「このコーヒーを飲んで味わっているうちに、やっぱり味わえば、8割が2割に逆転すると思いました」

「ありがとうございました」

藤岡さん

「心から感謝申します」

藤岡弘、先生は仮面ライダーや特捜最前線に出演されている日本の俳優です。藤岡先生のサケの話、侍の話に心が響きました。また、過去に見た週刊武道通信TVに出演されたときの話に感動しました。藤岡先生を尊敬しています。

藤岡先生が去年、出演されたある番組の話です。

ある女性と、藤岡先生の話です。

1945年の日本。世界が悲しい悲しい戦争の時代。

特攻隊の青年とある女性の話です。

近くの料亭に20人くらい兵隊さんが泊まっていました。命令がおりているけど、飛行機がない。だから、飛行機が内地から届くのを待っている。

女性

「死を覚悟して待ってるんですね」

「私ね、今にして思えば、どんなにつらかったんだろう」

兵隊さんの話相手に私達3姉妹が話相手に来てくれないかと頼まれたんですよ。

特攻隊の青年のなかには、彼女が思いを寄せる若者がいました。

「その人は、とってもやさしい、静かな人」

あるとき

「死なないでね」
と言いました。

昭和20年7月

彼は出撃に向かう列車にいた。

私一人、彼を見送り。

そしたら、彼が手を差し出して。

そして、汽車がゴトンゴトンと動き出して。

で、ずっと手を握ったんです。

つづく