着物で南座、坂東玉三郎さんと鼓童の共演「アマテラス」 | 京都を遊びつくすブログ

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今日は、お着物で南座に行ってきました。

 

10月も過ぎると、お着物でも快適に過ごせますね。

 

ちなみに単衣のお着物です。

 

今日のお着物は、

 

白地に黒の針葉樹の葉。

 

お太鼓の帯は珊瑚色、帯揚げと襟が臙脂、

 

お紐が抹茶。

 

自分の中ではとても満足のいくコーディネートに仕上がったと思います!

 

そして、ヘアセットもとても素敵なものにしてもらいました☆


世界が夜の祇園の夢なら

 

そして、祇園四条にある、松竹の南座のアマテラスに行ってきました。

 

京都に来てから、松竹にぞっこんの私です。

 

アマテラスというのは、2006年に、東京で一度上演されたもので、

 

今回のものは再上演なのだそうです。

 

太鼓芸能集団である鼓童と、元宝塚歌劇団男役スターの愛音羽麗さんと、

 

歌舞伎役者である坂東玉三郎さんの共演という、

 

とってもワクワクするものでした!



 

私は席に座るなり、隣の人に話しかけるのが好きで、

 

今回も話しかけちゃいました。

 

50代くらいの素敵なおばさまで、

 

すんごい話が盛り上がってとても嬉しかったです!

 

彼女は、以前から東京や大阪、京都各地で、

 

歌舞伎やお能、狂言を観るのが好きなのだそうです。

 

ちなみに、舞妓さんは坂東さんのことを

 

玉さま

 

と呼ぶそうどすぅ。

 

彼女は、クラシックやジャズも好きだそうで、

 

加古隆さんの話で盛り上がりました。

 

南座で加古隆さんの話ができるなんて、

 

私、嬉しすぎました!



世界が夜の祇園の夢なら


 

アマテラス、というのは、文字通り天照大神の事で、

 

坂東さんが演じていたのですが、

 

とても艶めかしい。美しい。芳醇な雰囲気を醸し出していました。

 

スサノヲを演じていた人は誰なのかはわかりませんが、

 

荒れ狂うさまと、この表現ちょっと物足りないですが、

 

水分の少ない「枯渇状態」がすごく表れているような気がしました。

 

また、神話では、アマテラスとスサノヲは姉と妹の関係ですが、

 

舞台での二人の掛け合いが、

 

癇癪を起してお姉ちゃんの気を引こうとする弟、

 

「なんでこんなに荒れ狂うのかしら」と困惑する姉、

 

という感じでした笑



 

あ、そうそう、


アマテラスとスサノヲの誓約という神話もあるのですが、

 

簡単なあらすじとしては、

 

姉が、弟の持っている剣を受け取って噛み砕き、

 

噴出した息の霧から三柱の女神が生まれたというものです。

 

噛み砕き。

 

…噛み砕くのかよ!

 

ここから読み取れることとしては、

 

「アマテラス」の、弟の荒れ狂うさまと、

 

姉のそれをなだめるやりとりは、

 

近親相姦にまつわるものだったのかもしれませんね。

 

 

今日鑑賞したアマテラスは、

 

中性的というよりも、

 

男性性と女性性が両極端に揺れる、行ったり来たりする、

 

という印象を受けました。

 

どういうことかというと、坂東さんという男性が女性を演じること、

 

また愛音羽麗さんが、元宝塚歌劇団「男役」であるということ。

 

坂東さんよりもはるかに露出性の高い衣裳を纏い(ウズメノミコト役だからかもしれませんが)、

 

女性としての身体のラインを極限まで美しく見せ、

 

しかしダンスには艶めかしさに加え、

 

力強さも見受けられたのですね。

 

行ったり来たりする不思議な演出でした。

 

そして、語らずには追われない、鼓童。

 

はい。

 

私は今回、玉さま目当てでアマテラスを観に来たので、

 

正直、鼓童はそこまで期待していませんでした。

 

ところがどっこい。

 

鼓童の魅力に呑まれました。

 

読者のみなさま、「和太鼓」というと、どのような掛け声をイメージされます?

 

私がイメージするのは、低く太い声で発せられる

 

「よっ」とか「おっ」とか(変な表現でごめんなさい)なんですね。

 

でも、鼓童の初めのほうの掛け声は、全然違うんです。

 

男性が、甲高い声で、

 

「ヒョォォォォ!」とかいうんです。

 

ターザン?原始人?

 

またはアフリカの民族音楽?

 

そんな印象でした。

 

でも確かに、お能の掛け声も、

 

盛り上がってきたら小鼓の人が甲高い声を出すので、

 

人はそもそもテンションが上がってくると

 

甲高い声を出すイキモノなのかもしれませんね。

 

こういうとき、もっと民族音楽を勉強していたら、

 

もっと違う国の発見があったんだろうなって思うんですよね。
 

また、エジプトっぽい演出をするシーンもありました。

 

女性の衣裳がエジプト壁画に出てくるそれととてもよく似ているものを着ていて、

 

男性が横を向いて座り、直線美を強調した叩き方で太鼓をたたくんです。

 

和太鼓でここまでエジプトさを出せるって本当にカッコイイと思いました。

 

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