皆様、こんにちは
今回は、手術シリーズ第2弾
膀胱結石です
人では「尿管結石で激しい痛みが出た」なんて話をよく聞きますが、
犬猫でも尿路(尿が流れる道:腎臓から尿道まで)に結石ができることがよくあります
特に膀胱に結石ができて
頻尿や血尿、細菌感染を繰り返すなんて子はまれではありません
結石の治療には内科療法と外科療法(手術)があります
軽症な場合は病院専用処方食やお薬による内科療法でよくなることもあります
しかし、結石が大きい場合や内科療法でうまく治らない場合には手術が必要です
では、膀胱結石の例をご紹介します
患者のレントゲン画像
マークが膀胱結石です。
体に比べてかなり大きな結石ができています
膀胱を切開して結石を摘出しました
膀胱内ほぼすべて結石で満たされてる状態
体重1.6kgのワンちゃんに2.4cmの巨大な結石
術後のレントゲンでは膀胱に結石がなくなっています
摘出した結石を検査したところストラバイトという種類でした
ストラバイトは処方食で再発予防ができる石です
結石がどのような種類かを特定できるのも手術のメリットです。
結石の種類によってどのようなフードを与えるのがよいかを判断できるからです。
この子には術後に処方食を食べさせてもらって、
定期的にレントゲンでチェックしていますが、
まったく再発していません
ちなみに、
ミネラルの多い食事やおやつを与えることが結石を作る原因の一つですが、
この子は一般的に栄養バランスの良いといわれるフードを与えていました
このように体質が強く関連している場合は、
処方食を食べていないとすぐに再発してしまいます。
別の子ですが、〇で囲まれた膀胱内に大量の結石が見えます
これだけの石が膀胱内にジャラジャラあるとワンちゃんの不快感も相当なはずです
血尿や頻尿は膀胱結石の可能性があります
まずは、そのような症状が見られたときには病院で結石のチェックしましょう
また、ちょこちょこ少量の尿をすることが「マーキング」と誤解されることもよくあります
頻尿症状でご家庭のペットが静かに苦しんでいるかも
思い当りがある方は、病院で検査を受けさせてあげたほうがよいでしょう