2024/1/10(水)

 

 

黒沢明監督「生きる」NHK総合で1月8日に放送されたのを今日観た。

 

 

 

1952年公開なので、72年も前の映画。

 

30年間、市役所職員としてもくもくと勤務してきた市民課長が、「胃がん」で余命わずかだと知ったことから展開していくストーリー。

 

この市民課長は奥さんに先立たれ息子夫妻と同居。

 

演じるのが志村喬

 

黒沢作品では「七人の侍」(1954年)でも好演された名優

 

志村喬をおいては考えられないほどの名演技

 

派手に演じるのでなく、その大きな目と大きな分厚い唇(口)から出る重量感のある声で迫力が出ているのだ。

 

 

途中まではお笑いの連続であったが、「生きる」ということの意味を問う素晴らしい映画であった。

 

そして私自身の生き方は正解であると自己判断できた。口笛

 

 

余命幾ばくもないと分かった直後には自暴自棄となって貯めていたお金を歓楽街で無駄遣いしたり、転職していた元部下の若い女性職員(小田切みき)を誘って飲食したり、と楽しみを求めたが楽しくなれない。

でも元部下との何回目かの飲食時に、その明るい活発な女性の転職後の働きぶりの話を聞いて、心機一転、市民陳情が無視されていた公園建設に向け、役所の縦割り職務を乗り越えて取り組んでいく、というのが概要である。

 

 

下の4枚はその心機一転のきっかけになった志村喬と小田切みきのシーンからのカットです。

 

セリフほとんどなしの志村喬の眼力をどうぞ・・・

 

 

※ 不安な表情

 

 

※ 気づいた

 

 

※ そうか!

 

 

※ わかった。ありがとう!

 

 

 

公園の完成した日の雪ふる夜の公園でのシーン

 

ブランコに乗りながら「ゴンドラの唄」を歌っている。

「生きがい」が分かったという気持ちが、小声ではあるが伝わってきた。

 

前半の歓楽街でも同曲を歌っていたが、明らかに気持ちの差が分かった

 

「ゴンドラの唄」

いのち短し 恋せよおとめ

朱き唇 あせぬ間に

熱き血潮の冷えぬ間に

明日の月日のないものを

 

 

 

 

 

明日が、皆様にとって素晴らしい日でありますように!

 

 

感謝! 感謝!