しばらく前に話題になったらしい。難しすぎると。
だが、そうじゃない。わけがわからないというのがわたしの感想。
比較的最近、みんなの歌で再放送(というのかな?懐かしい曲枠)があった。
放送されるのは2コーラスで、昔々録音したものを何度か聞いたが理解できなかったので集中して聞いてみたが挫折。
先日、長兄が帰省してきたので、その折に「題名のない音楽会」の未見放置を並んで見てたら、リズム歌謡なるテーマの回があって、思い出して本格的に確認してみた。
3番まであるらしいけれど、3番はみんなの歌で流れないから無視する。歌詞を見ても意味がわからないどころかWikipedia見てもわからない。(作図の問題だが解が示されていない)
ともあれ、検討を開始する。
1コーラス目。これは楽勝。問題を引用すると、
「るーとにぷらすいちぶんのにぷらするーとのに」を解けとの話。
(2+√(2))/(√(2)+1)
であろうと容易に理解できて、算数チャチャチャに頼らずとも約分するだけの話。楽勝。
ひょっとすると
2+√(2)/√(2+1)、とか、√(2)+(2+√(2))/1
と勘違いするかも知れないけれど、整数の足し算が整理されていないとか1で割る分数の形とかあり得ないから、まぁ問題無く問題の趣旨は伝わると言っていい。
問題の問題は2コーラス目。先に題意と解を書くと
sin(θ)=√(3)*cos(θ)の時、cos(θ)を求めよ。解はcos(θ)=0.5
なのだが、歌詞を聴いても題意がつかめない。θは「しーた」と読むぐらいは知っている前提は許そう。
問題部分の歌詞は
「さいんしーたがこさいんのるーとのさんばい」
これだけ。
これで
sin(θ)=√(3)*cos(θ)
が頭に浮かぶ人は少ないだろう。
私の場合はこんな感じ
さいんしーたが(sin(θ)=?)こさいんの(sin(θ)=cos)ルートの(sin(θ)=cos(√(....?)さんばい(パニック)。
sin(θ)=cos(√(3))なのかと思ったら最後に「倍」がついて、三倍、いや、√(3)倍であることに気付けない。
sin(θ)を「さいんしーた」と読んでcos(θ)を「こさいん」で片付けるのは曲の制約があるにしても酷い。まぁ、式は書けたとしよう。
で、何を求めるのかがわからない。この場合はθを求めるぐらいしか思い付かないけれど・・・。
解法も付いていけない。
「さいんをわることこさいんは、たんじぇんとのことさ」
ふむふむ、両辺をcos(θ)で割って
tan(θ)=√(3)
としたわけだな。ここでtan(θ)にする意味がピンとくる人なら続きもスラッと聴けるのかも知れないが、
「にへんがいちたいるーとさん、しゃへんがにとなるね」
式変形の頭で居たところにいきなり「にへん」とか「しゃへん」とかの言葉が入ってきてパニックになる。幾何的に解こうと言うことらしい。
tan(θ)=√(3)で二辺が1:√(3)は、まあその通りだが、いきなり三角形が頭に浮かばないと困る。パッと「あの形」が出てくれば1:2:√(3)と言っていることがわかるのかも知れないが、これは三角定規の長い方の辺の長さの比を覚えているのが必須なのだろうか。
普通に直角三角形の斜辺がどういう長さになるかと問われると一般的にはa^2+b^2=c^2から導くことになるが、とてもそんなヒマは無い。√(1+(√3)^2)=√(4)=2で簡単ではあるけれど、「たんじぇんとのことさ」から八拍しかないのでその間で斜辺を求めると言われもせずに演算を完了するのはとてもじゃないが無理。
そこまで頑張ったとして、続くのは
「さいんはにぶんのるーとのさんでこさいんれいてんご」
と一気に結論まで突っ走られてとてもじゃないが付いていけない。
意味わかります?
sin(θ)=√(3)/2でcos(θ)=0.5と読みます。
いや、無理。
聞き取ってこの式に変換できれば超能力者だと思う。θとかすでに消えてなくなってるし。
sin(θ)=√(3)/2になる理由が説明されていない。自明なのか? やっぱりよくわからない。
斜辺を1とした時にy=sin(θ)でx=cos(θ)だから、斜辺を1に正規化みたいなことをしてやれば良いというのは理解できるが、説明がなくていきなり各辺を1/2するのはどうなのかと。
まぁ、「しゃへんがにとなるね」でピンと来ている人は行けるのだろうが。
そして末尾の部分「こさいんれいてんご」が結論であるとわかるのだろうか。
普通にこの部分だけ取り出して聞けば
cos(0.5)
となり、「え?」で終わる。
みんなの歌放映バージョンでは、「こさいんれいてんご~」とリフレインされて終わる。
意味がわからない。画面を見ていればわかったのかも知れないが、聞いただけでは
cos(0.5)が何やねん
となる。
実は
cos(θ)=0.5
でしたと言われても納得できない。
ここまで書いてやっとわかった。「こさいんれいてんご~」の繰り返しに惑わされたが、実は結論は、
sin(θ)=√(3)/2 であり、また cos(θ)=1/2 である
であると。
と言うわけで、ネット上で話題になったらしい「問題の難しさ」とは別次元の、聞き取ってどうくみ取って何を求めるのかが非常に難しいのがこの「算数チャチャチャ」の問題なのである。
激しく疲れたが解けたので良しとする。
ちなみに、3番は「θプラスの2分のπ、そのコサインをかけ」という問題で「コサインθのグラフが10マイナス1、θプラスの2分のπ、2分のπずれる、0マイナス10プラス1で」という流れで「θと平行さ」が結論らしい。全然意味がわからない。歌詞を引っ張ってきたサイトの表記の問題で、10が「いちぜろ」なのか「じゅう」なのかがわからないが、Wikipedia見てると(これも何か変w)「いち」「れい(またはゼロ)」みたいな感じ。
Wikipediaでの解答でもグラフの図示はなく、θと平行の意味は不明なまま。一応、y=cos(θ)をθ方向に-π/2平行移動したものとなるとの記述はあるが、「θと平行さ」という歌詞の結論とは印象がまるで違う。
検索してみてもサインカーブ(コサインだから位相が違うが)が二本ずれて描かれているものぐらいしか出て来ない。
例によって「θと平行さ」をcos(θ)を平行移動したものさ、と読むのかもしれないが、それってそもそも問題にするレベルではなく自明だと思うのだが。
#作図問題としては、どっちにπ/2ずれてるか、サインカーブが正しく描けているか、という意味はありそうだとは付け加えておく。
と言うわけで、聞いたことのない3番は(私には)全く意味不明としてこれにてお終いっ。
例によって勢いで書いているので色々抜けがありそう。
あ、思い出した。
sin(θ)=√(3)*cos(θ)は、普通に(?)解けばtan(θ)とか経由せずに二乗して(sin(θ))^2+(cos(θ))^2=1を使うと思う。まぁ、それを幾何学的にチャチャチャっと解くから算数チャチャチャなのだろうけれど。
二乗するパターンだと(sin(θ))^2=3(cos(θ))^2、1-(cos(θ))^2=3(cos(θ)^2)、1=4(cos(θ)^2)、1/4=(cos(θ))^2、cos(θ)=±1/2、とこれでも暗算レベル。算数チャチャチャ方式では落とされている±もちゃんと意識できる。あ、sin(θ)も求めるのだっけ。暗算で、えーと、sin(θ)=±√(3)/2だ。おお、合ってるw