交通事故の保険対応でアタフタしました。 | 微事ログ・オルタナティブ

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ラスベガスに住むプログラマー、パスカルの日常

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今までブログでは特に言及していませんでしたが、実は1年前に交通事故を起こしてしまいました。

ピックアップトラックに自分の車をぶつけてしまいました。原因は完全に私の不注意です。言い訳の余地もありません。双方に怪我がなかったのが不幸中の幸いです。

911に通報し、3分ほどすると白バイが現れ、事情聴取をいろいろと受け、違反切符を貰いました。

また警察が同時にレッカー車を呼んでくれました。どうやら事故車を一時的に溜めておく専用のヤードがあるらしく、そこに運ばれることになるようです。

すぐに保険会社にも事故を報告。現場で撮った写真なども提供しました。なんか生々しいので、ブログでは公開しません。

アメリカでの交通事故は初めてのことです。今後どうなるのか、不安しかありません。

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4か月が経過し、保険会社から連絡が。先方の弁護士から、請求書と和解提案の書類が届いたそうです。その書類のコピーをいただきました。

和解提案の請求額は$10万となっていました。これは私の保険がカバーできる対人・対物の上限の金額です。

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日本では自動車保険と言うと、どの会社にも無制限のプランが用意されていますが、アメリカには無制限プランはありません。医療費の高額なアメリカで、$10万は心許ない金額ですが、これ以上高額なプランは無いのでしょうがありません。

相手の車はドア2枚ほどが凹んで傷がついた程度ですし、相手が怪我をしている様子もありませんでしたが、書類では相手の車は廃車になったことになっており、相手も怪我をして治療を受けたことになっています。相手は女性で、見るからに専業主婦みたいな感じでしたが、どこかの会社から役員級の報酬をもらっていることになっており、高額な時給の損失が記されていました。

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先方は戦う気満々のファイティングポーズです。

果たして保険会社が$10万を素直に払ってくれるでしょうか。例えば健康保険では、医師からの請求が過大である場合に、保険会社が支払いの一部を拒否することがありました。

もし保険会社が、この程度なら$2万までしか出せませんと言ったら、私が$8万を負担しなければならなくなるかもしれません。

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子供2人の大学の費用を負担するのに、なんとかなりそうだなぁとソロバンをはじいている時期です。もし$8万も請求されたら計画が吹っ飛んでしまいます。

この和解提案の回答期限まで、1ヶ月もありません。期限までに回答がない場合は全額を請求する、と書類には書いてあります。保険会社の人は、私が弁護士を雇うかどうかは私次第だと言います。

アメリカで裁判をやるとなると、大変に面倒くさいことになりそうです。弁護士費用も結構かかるかもしれません。

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これは一人では手に余り過ぎるな、ということで、会社にいるアメリカ人の同僚に、恥を忍んで相談することにしました。

2人で書類を改めて精査したところ、新たな事実が判明しました。実は相手の損害額は、$10万ではなく、$3万だったのです。

確かによく見ると、車は全損にはなっていましたが、請求額は新車としての価格ではなく、その年式の妥当な中古車相場になっていました。また医療費もよく見たらそこまで高額ではありませんし、収入の損失についても18時間分の時給しか請求されていませんでした。

つまり、相手の損害額は$3万でしたが、こちらが勘違いするかもしれないことを期待して、「サインすれば保険の上限額($10万)で許してやるわ」と言ってきているわけです。向こうがこちらの上限額を勘違いしていたという可能性もゼロではありませんが。

もしこれに気付かずに、うっかり向こうの要求を飲んだら、むざむざと$10万を払わなければいけなくなるところでした。

改めて和解提案を読み直すと、車の損害額、医療費の損害額、時給の損害額が別々に文章で書かれており、損害の総額は明記しておらず、表にまとめるなんてこともしていません。損害額の総額が$3万であることが気づかれにくいように、わざとやっているように思えてきました。

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すぐに仲介担当の人にこの事実を報告。担当者も請求額がカバー上限より遥かに低いことをすぐに認識しました。

担当者もこの事実に気付いていませんでしたので、担当者も読み間違えていたようです。アメリカで一般的にある錯誤を誘導するテクニック、というわけではないのかもしれません。

これで一安心と言いたいところですが、アメリカ人はよくポカをしますので、仲介担当者がうっかり$10万で和解してしまうということもゼロではありません。やきもきして待つこと数か月…。

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保険処理の完了を知らせる手紙が保険会社から届きました。

詳細はわかりませんが、先方は医療費の請求を放棄したみたいです。結局和解額がいくらだったのかは不明ですが、単純に医療費の請求額を抜くと、$2万で和解できたものと思われます。私からの自己負担はなく、出費は免れました。

理論的には、私が嘘をついて、「相手が突っ込んできた、自分は悪くない」みたいに言うことも可能でした。先方が弁護士を雇ってファイティングポーズを見せてきたのは、私がそういう戦略を取ってくる可能性を考えて、ということもあったのかもしれません。私が素直に自分の過失を認める戦略を取ったので、向こうも医療費の取り下げに応じたのではないかとな思っています。

 

 

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それからさらに2ヶ月が経過し、今のところは、「残念でした~実はいくら払わないと駄目で~す」みたいな連絡は来ていませんので、本当に解決したみたいです。

保険料の値上がりについては、ちょっと値上がりしたもの、爆上がりはしていません。車が2台から1台になったので、次からは逆に保険料が下がる予定です。

あの事故以来、新たな車を買い足すことはせず、夫婦で1台の車を共有する生活スタイルに改めています。ママには凄い迷惑をかけています。