長女を通じて垣間見えたアメリカの高校の数学 | 微事ログ・オルタナティブ

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ラスベガスに住むプログラマー、パスカルの日常

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アメリカの高校は4年制で、長女は今2年生になります。日本だと年齢的に高校1年です。今年の数学はプリ・カルキュラスを選択しています。プリ・カルキュラスは本来4年生が学ぶものですが、長女は中学で2学年飛び級しており今年選択することになりました。

カルキュラスとは微分積分のこと。しかしその前段階のプリ・カルキュラスには微積は含まれていません。指数・対数、複素数、三角関数、ベクトル、行列などが範囲となっています。だいたい数IIBに近い内容です。

しかし詳細を見ると、日本とはかなり教え方や考え方が異なっています。

例えば三角関数は、日本では30度、45度、60度のきりが良い角度を特別扱いして、様々な計算をします。しかしアメリカではこうしたきりの良い角度を使わない問題もたくさん出ます。

例えば角度を求めるのに、Yがだから60度でだな、みたいにすっきり終わらず、滅茶苦茶半端なYをアークサインで角度にするみたいな問題があります。

そして、きりが悪いからどこかて計算を間違えているかもしれないと気付く、みたいな甘えが許されません。

仕事で数学を使うときはそんなに都合のよい角度になることはありません。きりの良い角度を駆使した様々なテクニックは、三角関数を手計算で処理しなければならなかった時代の名残でしょう。

私が授業を受けているわけではないので、あくまで長女を通じて間接的に見た印象ですが、アメリカの数学は広く浅く、しかし広さが半端なく、日本の数学にはない別の難しさがあると思います。

 

 

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2020-01-19

長女は昨年末の期末試験で最悪の結果が出てしまったため、ここに来て色々と立て直しを図っています。

アメリカの高校がどのように授業を進めているのかというのはなかなか想像し難いものがあります。長女からの伝聞と、グーグルクラスルームにアップされているファイルなどを基に、いくつかの対策を練りました。

まずは未提出の宿題を提出させました。当然私もわからないところを見てあげています。日本とは全く異なる指導法に面食らいながら、そして私自身も数学が得意だったわけではありませんので、見てあげるのも一苦労です。

今年の数学の先生は提出した宿題を採点しません。提出しただけで全部100点になります。どこか間違いがあっても指摘してくれません。娘が授業に付いていけなくなっている一番の理由です。

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先生はホワイトボードの写真を生徒に撮らせてグーグル・クラスルームにアップさせています。

ここで解いている問題は、宿題とはまた別の問題のようです。長女はこれをノートにとって終わりにしていたことが分かり、自分でも解いてみて力試しをするように指導しました。

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また問題集も購入。しかしこれは大学生用なのか、娘の授業よりも範囲がかなり広く、これを活用するのはヤル気が地に落ちている娘には難しそうです。

2020-01-18

そこでStudy.comに加入しました。これは日本にあるスタディ・サプリのアメリカ版的なサービスで、様々な授業を動画で分かりやすく教えてくれます。まだちょっとしか使ってくれていないようですが…。今後に期待です。

これらのテコ入れ策により、とりあえず先週末の単元テストはかなり自信をもって挑むことができ、やる気もかなり回復したようです。今後もこの流れを強化・定着させていこうと思っています。