【おおすみ衝突】繰り返された海自事故 迅速対応・素早い救助は | RMTDragon Quest 10のブログ

RMTDragon Quest 10のブログ

ブログの説明を入力します。

,rmtssp

【おおすみ衝突】繰り返された海自事故 迅速対応・素早い救助は一定評価

(1/2ページ)

 海上自衛隊の大型艦船と民間船の事故がまた繰り返された。輸送艦「おおすみ」と釣り船が衝突、1人が死亡、1人が重体になった事故。通報の遅れや見張りの不十分さなどの不手際が重なった潜水艦「なだしお」やイージス艦「あたご」の事故の教訓は生かされたのか。

 「防衛省、自衛隊の責任者として誠に遺憾」。東京・市谷の防衛省で、沈痛な面持ちの小野寺五典防衛相が謝罪した。

 緊急の記者会見が始まったのは事故発生のわずか2時間後。小野寺氏は「海上保安庁の捜査に全面協力したい」と強調し、河野克俊海上幕僚長ら幹部が脇を固めた。

 迅速な対応に努めたのは平成20年2月、千葉県沖で発生し、漁船の父子が不明になったイージス艦「あたご」の衝突事故の失敗が念頭にあったからだ。一報が石破茂防衛相(当時)に伝わるまでに約1時間半もかかり、海上幕僚監部が海保とは別に乗組員を事情聴取するなど混乱を来した。その時に海幕で中核の防衛部長だったのが河野氏だ。

 今回は午前8時ごろ事故が発生。8時6分に防衛省、8時20分ごろ、防衛相に報告が上がった。

 宮林正恭千葉科学大教授(リスク危機管理論)は「今ある情報では危機管理として素早い対応だったと感じる。過去の事故で情報共有をめぐって傷ついた防衛省は十分学んだのだろう」と話す。

【おおすみ衝突】繰り返された海自事故 迅速対応・素早い救助は一定評価

(2/2ページ)

 海自は「あたご」の前にも大きな失敗をしている。昭和63年、神奈川県沖で釣り船と衝突し、乗客ら30人が死亡した「なだしお」の事故でも、見張りの不適切さや艦内での連携不足が問題視されたが、あたごで教訓は生かされなかった。

 そのため、海自はあたご事故の後、法律や規則の習熟に偏りがちだった安全教育を改善。艦船内のコミュニケーションの在り方を他の部隊の隊員が詳しくチェックするようにし、衝突回避のための動作の訓練を徹底するなど指導を続けてきた。

 防衛省幹部は、輸送艦が釣り船の船長らを素早く救助したことなどに一定の評価をしながらも「事故が起きた以上、どこかに問題点があったのだろう」と話す。

 軍事評論家の前田哲男さんは「現場は海自の呉基地に近く、勝手知った玄関口のような場所で、事故は信じ難い。見張りがいたはずだが、なぜ避けられなかったのか徹底した調査が必要だ」と指摘している。