朝、東京中高の最寄りのバス停で降りると、体育着の胸に「3」のマークを付けた男子児童と目が合う。
「チェーサム?」と声をかけると、「イェ(ハイ)」ではなく、「アンニョンハシムニカ」という言葉が戻ってきた。
始業式を前に教室の掃除に行くというメガネをかけた五年生。チェーサムに行くより、仮校舎の方がだいぶ近いと、笑顔で応えてくれた。

心和む、ウリマルでのやり取り。校門手前の接骨院に行くつもりだったが、並んで校門をくぐる。仮校舎の入り口の前に「東京朝鮮第三初級学校入口(3階)」と、書かれた看板が立ち、六年担任の夫先生が「こっちから入って…三階…」、一人ひとりに声をかけていた。

〇〇でバスに乗って、姥が橋で降りて歩いてきたという女子児童は、少し息を切らしていた。バス停で二つの距離、チェーサムの最寄りの駅より少し近いのではと、真新しい白い上履きに履き替えて、掃除道具をよけるようにして階段を上がって行った。
入口では、ひまわりの花を七色の色紙の輪っかが取り囲むカラフルな飾りが、一、二階の階段の踊り場では、チェーサムのキャラクターのチェサミとミレの可愛らしいポスターが児童たちを迎えていた。
「チェーサムらしいでしょ…」。一年担任の黄先生の表情が明るい。それでも「トイレが…男児が多いから…」と、心配事は絶えない。
保護者と卒業生、地域同胞による引っ越しは二六日の日曜で一段落したが、先生たちは、一日置いて火曜から運び込まれた荷解きと整理にあたったとのこと。高学年の教室には、いくつかの段ボールが置かれたままになっていた。この日登校した、五、六年生と一緒に整理するようだ。

前日の東京中高での始業式で、チェーサムの康校長が在校生に、校舎の建て替え計画を説明し、仮校舎での児童の生活について協力を求めた。
今日中に入り口のペンキ塗りも終わる。最後の改修作業だ。教室や廊下の掲示板も埋められていく。いよいよ始業式、仮校舎での生活がスタートする。
*加筆して9月下旬に刊行する『朝鮮学校のある風景』51号に掲載します。