その1・大きな一歩を踏み出す | トンポ・トンネ 日々イモジョモ

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その1・大きな一歩を踏み出す
【4月29日・日曜日】
 校舎からのざわつきがいい。一時間目の授業が終わり休み時間だ。校庭を授業参観に連れてこられた入学前の子どもたちが走り回っている。二階に上る階段の前の踊り場には、南北首脳会談熱烈歓迎の大きなポスターが貼られていた。板門店での握手、会談、署名、歓迎宴など、幾度となく映像で見た写真だが思わず見入ってしまう。何人もの保護者たちはその場に足を止めていた。低学年の教室が並ぶ二階の踊り場で、コーヒーやカステラなどを売るオモニ会の面々、fb友達が声をかけてくれた。
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三階に上ってくと、「アッパー」と、叫びながら幼児が走っていく。二時間目の授業が始まっている。教室に入り込んだ幼児が女子児童の机からは離れようとしない。弟なのだろう。
児童数が多い三年と六年生の教室をのぞく。前日、少人数群馬のハッキョに行ったこともあってか、教室に児童が「詰まっている」という感じだ。二〇人と一八人。二〇一〇年、『朝鮮学校のある風景』の創刊当時の在校生は、一三〇人台だった。今年度は昨年より三人増え、八〇人台を維持している。
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授業参観の後は、学父母全体集会、高学年と低学年部の学級懇談会、そして部活の協議会と、スケジュールは詰まっている。
全体集会は、例年のオモニ会、アボジ会と理事会の役員紹介、決算報告と予算案提起に引き続き、今年は新校舎建設の説明が加わった。
 アボジ会と理事会の会長がそろって、「校舎の建設、建設中の一時移転など、非常に難しい一年になりそうだ。底力を発揮して…」、「やる気満々…子どもたちの笑顔を守るため…みんなの百歩で子どもたちの夢を…」と、語っていた。
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すでに昨年末から保護者に対しては学年別に、学区の同胞には地域別に説明会が催され、個別面談が行われてきたこともあってか、参加者たちは建設プランについての説明を淡々と聞いていた。完成するまで、仮校舎の準備状況、通学路など、保護者から出されたいくつかの問題についての説明もなされた。
土地の取得後、ここ数年の新校舎の候補地と建設などをめぐる「もやもや」を解消し、いよいよ大きな一歩を踏み出したようだ。その場で紹介された、四月二〇日に発足したばかりの建設準備委員会の事務局員たちの表情も明るかった。
帰途、校舎をひと回りした。運動場側の壁面が一部剥がれていた。この三階建ての校舎が建ったのは、私が卒業した年の秋だ。
新校舎では学べず、工事中の校舎の屋上に上って、卒業記念写真を撮った。このあたりで一番高いと言われた日大病院が眼下に見えた。学校の前を通り過ぎるたびに「朝鮮学校ぼろ学校…」とはやし立てていた「悪ガキ」が通う校舎が小さく見えた。
みんな泣いた。「ウリハッキョが一番だ」と。五六年前の、そんなことがふと思い出された。(金日宇)