笑顔くれた同胞歌劇に感服!!
【1月28日・日曜日】
「埼玉やきとり物語」―みんなに笑顔をくれた公演だった。
やきとり店の店主、ポンスンオモニとヨンヒ、堂々とした看板スターだ。世話好きなニョメン委員長、いつも一生懸命なチョチョントンムたち、何でも笑顔で引き受けそうなオモニ会のメンバー…。それに酔うと饒舌になるやきとり店の常連たち。カウンターの片隅でただただ話にうなづき一言だけ発した、同級生の文トンムも、みんな「適役」だっだ。
何がよかったって、歌もセリフも、ハッキョや分会の集まりで聞こえてくるような、そんな言葉で語られたとだ。
遠距離通学、上級生が下級生を連れての登校、居眠りをしての乗り越し、キムチでウリハッキョ支援、おせっかいなおじさん、おばさんがいて若い二人が結ばれる…。
そんなハッキョ、同胞社会の「あるある話」が韓ドラや平壌独特の語調ではなく、耳慣れた、辞書を引かなくても分かる私たちの言葉で演じられた。
ストーリーを導くコーラスのレベルの高さにビックリした。舞踊団は伸び伸び踊っていた。特に、少しユーモラスなキムチの舞いはよかった。最後、やきとりが指揮棒に変わったときは笑ったが、そんな余裕の楽団が奏でるメロディーも心に響いた。


個人的感想としては、チマチョゴリ引き裂きのシーンは少し重すぎた。この二〇年余り続く「北朝鮮バッシング」を笑い飛ばす、そんなたくましい同胞社会も語って、ほしかった。
××
開場一時間前に会場に着く。すでに四〇人余りの列ができていた。

チケットを失くしてしまい、前日の夜、チケットの再入手を頼んだ、出演者の一人に「チョット、馬肉っています、いやパニクッています。明日のチケットが一枚、行方不明に…明日もう一枚、買えますか? 最終リハーサルのパニクリ中なのにミアナムニダ。」とメッセンジャー。遅くまでリハーサルがつづいたのであろう一一時を過ぎて「たぶんチケットが無いかもです。…受付に少しはなしてみます」との答えが戻ってきた。しばらくして「受付に連絡できました。김일우입니다 と言って頂いたら対応してくれます」。
それで一時間前に会場の受付に。四、五人の女性が一斉に「聞いています。聞いていますよ。入場するとき名前を…」と。顔見知りの女性に「顔が赤くなっていますよ」と、からかわれた。実際、恥ずかしかった。
列は延びていた。風はないが雪が残っている。缶コーヒーでも買おうと、道に出ようとしたら、受付の女性が走って来て「これ見せてください」と、手書きの「入場券」を渡してくれた。
コンビニから戻ってくると、一〇分余りの間に列はさらに伸び、一五〇人に膨れ上がっていた。開場時には、大きな丸い回路を一周、定員六六〇と聞いていたが、大半が並んでいたのではないかと思われる。
終演後、チケットの手配で煩わせたfb友達に「色々お世話になりました。恥を忍んで頼んでよかった」と、メッセンジャーで感謝を伝えた。見逃さないで本当によかった。埼玉の同胞社会は凄い。どんなことがあってもウリハッキョを守っていくという気概にあふれていた。
*加筆して、3月刊行の『朝鮮学校のある風景』48号に載せます。