愛知中高・四七年ぶりの訪問
【1月20日・土曜日】
名古屋滞在二日目。愛知朝鮮中高級学校を訪ねようと、名鉄の中京競馬場前駅に降りた。
校門を入り坂道を上ると、鉄骨五階建ての「頑強」な校舎が迎えてくれた。授業を見たかったので一〇時前には着いたが、運動場に人影が見えない。校舎に入っても学校特有のざわめきがなかった。

朝大在学中の一九七一年、名古屋で開かれた世界卓球選手権大会に参加した朝鮮選手を応援しに来たとき、集合場所として立ち寄ったことがある。かれこれ四七年の話だ。その時の面影は全くない。鉄骨五階建ての校舎と体育館が竣工して四五年が経つというから、初訪問と変わらない。
コンクリート打ちっぱなしの外見や、吹き抜けの入り口に圧倒された。東京中高の旧五階建ての校舎の比ではない。コンサートホールのロビーといった感じだ。
「凄いぞ! サッカー部!」「愛知県一八四校中一六強」の力強いポスターが迎えてくれた。

右手の教育室に寄る。校長は不在で、多くの生徒は「口演大会」に行っているとのことだ。教務主任に「突然来て…教室や廊下に貼られたポスターだけでも…」と話すと、「案内できなくて…」と、すまなそうな答えが戻ってきた。
中級部三年の教室に入る。スローガンにスマホを向けると、二人の男子生徒がほうきを取り合うようにして床を履き始めた。笑っている。ふざけている。女子生徒があきれ顔だ。男女の仲は良いようだ。スローガンには、「私たちがしなければ誰がやるのか!…二九の力を合わせ! 総合模範分団を目指そう!」の文字が。楽しそうな二九人の授業を見ることができなくて残念だ。

隣の中二の教室では女子生徒三人が掃除をしていた。スローガンは「二二名が学友のために共に自ら」だ。手作り感いっぱいの掲示物で壁が埋まっていた。「迎春在日朝鮮学生少年団平壌到着!」の「速報」も。クラスメートが行ったようだ。
後の右手の壁は「誕生日」の告知版になっている。一二の「ロケット」らしきものと「宇宙服」らしきものを着た人が貼ってある。「ロケット」の周りには星があしらわれているが、何度数え直しても星の数は二四だ。スローガンには「二二名」、その後二人が転校してきたのか? 「宇宙服」らしきものを着た人は担任なのだろが、その隣には赤で「24♥」が。「二四名の生徒・愛」なのか、それとも先生の年齢が「24」なのか。

階段を上り高級部の教室に向かう。誰ともすれ違わない。ひっそりとしている。
「1―2という土に一六種の種を植え、友情という水を撒き、力強く育った信念の根、咲き誇った愛の模範の花」
考え抜いたであろうフレーズが記されたポスター、一つ一つの花びらには「決意」が、太い幹には「一つの目標に向かい心を一つに…」、根の近くには「1―2最高!」の力強い文字が記されていた。
教室に入ると、リラックスタイムのようだ。「一六人?」と聞くと、「一人が東京に行ってしまい…とても寂しい」と。


隣の高級部一年一組の教室の前の廊下には、「一人の一歩ではなく、一五人の一歩を!!」のポスター、「…目標はウリマル一〇〇%生活化…」、「…毎朝五分間の読書運動を…」とか、「…フィールドワークを通じて私たちの歴史を学ぶことで…」など、一五人の「着実な」一歩一歩が記されていた。

下につづく