朝大生が稲刈り? | トンポ・トンネ 日々イモジョモ

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朝大生が稲刈り?

【5月11日・木曜日】

 学食で昼食後、図書館で古新聞と「格闘」し、一休みしていると、美術科の研究員生の高トンムから写真付きで、「今、稲刈りをしています」との一報だ!!

 寄宿舎の8号館の裏手? 一眼レフのカメラを持った出版部の全先生と一緒に校門を出た。武蔵美の正門を通り過ぎ、北門を経て、広い敷地をぐるりひと回り、しばらく行くと自転車に乗った高トンムが迎えに来てくれた。自転車の前かごには麦わら帽子だ。

 炎天下?では、なかったが暑い。自転車を追って走ろうとしたが、足が前に進まない。広い道路を渡り、南側のキャンパスを通り過ぎ、ようやく現場に着いた。

 十人余りが農作業? すでに稲刈りは終わり、刈り取った麦を束ねていた。


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 「この麦で何するのですか?」

 顔見知りの研究院生の鄭トンムが応えてくれた。

「麦ではなく大麦です。本来は家畜の肥料に…作品の素材にします。案内書送っているはずですが…」

 数日前、黄色の案内書が送られてきたことを思いだした。

 刈り取っていない大麦は、人の背丈ほどある。一帯が大麦畑だ。

束ねた大麦を軽トラックに載せ、道路にこぼれた麦の穂を掃き終わると、記念写真だ。鄭トンムと、稲刈りを知らせてくれた、麦わら帽子をかぶった高トンムの後姿は、畑に溶け込んでいた。そして新入生、東京朝高の部展の時に、砂の詰まった袋の前で作品についてトークしていた男子は背が高いということもあって目立った。慣れない作業に疲れたのか、仏頂面のトンムも何人かいた。麦わら帽子をかぶった男性が、全先生と一緒に学生たちにカメラを向けた。手伝いに来た農協の人かと思っていたが、指導教師だった。


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 大阪朝高出身だという新入生と大昔の朝大生活を話しながら大学に戻った。

 図書館で一九五七年から六〇年までの「朝鮮民報」を黙々とチェックするという、単調作業の後だということもあってか、束になった大麦を少しさわれただけだったが、朝大での麦刈りになぜか興奮した。

××

 家に戻って、黄色のリーフレットを開いた。主催者名義の案内書には、次のように記されていた。


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 「…私ども『突然、目の前がひらけて制作委員会』は二〇一五年に武蔵野美術大学と朝鮮大学校の両会場で、対話をテーマにした『突然、目の前がひらけて』を開催いたしました。このたび、東京都美術館主催の第六回グループセレクション展で選出され…展覧会『境界を跨ぐと、』を開催いたします。」

 両校による二年前の刺激的なイベントは「体験」している。六月の展覧会で、大麦の穂がどんな作品に変身するのか、今から楽しみだ、「ただ今、麦刈り中」を知らせてくれた高トンムに感謝だ。

 なお、展覧会に出品する鄭梨愛さんのインタビューは、本誌35(5~24)に掲載している。

 *再整理して5月下旬に刊行する『朝鮮学校のある風景』43号に掲載します。