春休みの朝大
【3月26日・土曜日】
中庭にも何台かの車が止まっていた。運動場では、近郊のウリハッキョの児童たちがサッカーの試合に興じていた。今年で六回目、関東一円の一七校、一六チームが参加。試合が終わると、児童たちの後をオモニたちが追っていた。
学食も休み。図書館も閉まっていた。学生の姿もまばらだ。
この日は、学生支援会の理事会。高校生と大学生を対象にした奨学事業を軸に、国際交流事業とアスリート・トップアスリート育成事業の助成などについて、二時間余り意見交換が行われた。「大学に残って、保育士の資格試験準備をしている学生がいる」。参加者の一人の提案で、激励しに行くことになった。

本来、七月に実施されていた試験が四月に早まり、一八人が「合宿体制」に入ったとのことだ。実技試験の前に、筆記試験が八科目、合格率は二〇パーセント弱だという。十年前、娘がその資格試験に合格したというある理事は、「法令と条例の問題に苦心したようだ」と、語っていた。

机の上には、分厚い参考書が何冊も散らばっていた。「難しい?」と声をかけると、大きくうなずいていた。しかし、悲壮感はない。資格試験に挑んでいるというより、ジャージ姿だということもあってか、なにかの運動クラブの合宿のようにもみえた。
激励に行ったというより、勉強の邪魔になったようだ。
五月下旬刊行の『朝鮮学校のある風景』37号に掲載します。