文科省前での金曜抗議行動 | トンポ・トンネ 日々イモジョモ

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文科省前での金曜抗議行動
【7月3日・金曜日】
 二〇一五年度四月一七日にスタートした、朝鮮高校に差別なき「高校無償化」適用を求める金曜行動も、一一回目を迎えた。
 この日の一番乗りは、文科省前での金曜行動を提起・主導している朝鮮高卒業生ではなく、東京朝高生、それも一年の生徒だった。間もなく、朝鮮大学校の文学歴学部と短期学部の学生たちが到着、「アピールは朝大生と朝高校生が交互に」、「シュプレヒコールは」。長身の女子学生が責任者のようだ。髪を後ろで束ねきりっとした出で立ちだ。
 「高校無償化のことを知ったときは、まだ小学生でした」、「文科省の皆さん、私たちがここで訴え始めて二年がたちますなにも感じませんか」、「朝鮮高校の卒業生です。高二の時からこんなに長い戦いになるとは」、「来年、三月に卒業するまでは後輩たちがこの場に立たずに済むよう」 
 法律がどうだとか、国連の勧告がどうだとかより、自分の言葉で発せられる訴えに心痛んだ。
 
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 アピールの順番を待つ生徒・学生たちの緊張感がひしひしと伝わってくる。ます目のある原稿用紙に書いた原稿を何度も読み返している高校生、見るからに幼い。スマホの原稿に目をやる大学生もマイクを握ると思い通り話せないと語っていた。
 大きな通学カバンを足元に置き、シュプレヒコールを叫ぶ女子生徒の左手には傘がしっかり握られていた。振り上げる拳も回を重ねるごとに少しずつだが高さを増していくようだ。発する声もだ。
 通学カバンを持たない男子生徒に声をかけた。
 私・「みんなカバンを持っているようだがカバンは?」
 男子生徒・「学校に戻って自主練です」
 私・「自主練?」
 男子生徒・「サッカー部の月曜日を除いて放課後はクラブ活動日なので
 隣の生徒はラクビー部で、かれもまた下校時間の七時まで自主練をすると語っていた。

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 「月刊イオ」の女性記者が、そんなかれらにカメラを向けていた。今年三月までは、この場で「戦い続ける」、「あきらめない」とアピールをし、「どれだけ 叫べばいいのだろう奪われつづけた」と、「無償化」排除に抗議するテーマソングを歌っていたはずである。
 取材される側から取材する側に、その心境を聞くことはできなかった。

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 文科省を正面に左手の地下鉄の入口の前で二人の男子生徒が、右手では女子生徒が通行人に「朝鮮高校に『無償化』制度適用を!すべての子どもたちに学ぶ権利を!」と書かれたチラシを手渡していた。
 受け取ってもらえない。心配になったのか、担任の先生が、そんなかれらに声をかけていた。
 抗議行動終了一五分前、女子生徒が「読んでください」、「お願いします」といって、最後の一枚のチラシを手渡していた。
 私・「何人に一人が受け取ってくれた?」
 女子生徒・「五人に一人ぐらい
 民族器楽部だと言っていた。私には一〇人に一人ぐらいに見えた。五〇枚配ったというから、少なくても二五〇回以上、チラシを差し出し、「読んでください」を繰り返したことになる。

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 「無償化」連絡会の長谷川代表もマイクを握った。「日ごろ人権を守ろうとか、差別してはいけないとか指導している文科省が子どもたちの学ぶ権利を奪っている。裁判の結論を待つまでもなく、文科省が判断し、適用すべきではないのか」。学生たちに向って「あなた方の姿、民族教育が多くの日本人を変えてきた、共に闘い続けましょう」と、鼓舞した。

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 四時から抗議行動は、一時間余りつづけられた。帰途に着く高校生たちには屈託のない笑顔が戻っていた。どこにもいる普通の高校生の無邪気な顔だ。
 帰りがけ、高校一年の息子と一緒に抗議行動に参加した保護者と二言三言、交わした。
 私・「高校生、それも一年生が…」
 保護者・「いいのでは…自分たちが置かれている境遇を体で知ることは…」
 私・「…」
 保護者・「良い時代とはいえません…今も昔もです…」

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 次週一〇日、夏休み前最後の金曜行動は、「朝鮮高校の生徒と同胞たちに勇気と力を与える場にしたい」と、千人規模の抗議行動が予定されている。