東京第三・朝鮮大学校を見学 | トンポ・トンネ 日々イモジョモ

トンポ・トンネ 日々イモジョモ

ブログの説明を入力します。

東京第三・五年生の社会見学
【6月29日・月曜日】
 池袋駅八時四五分集合、社会見学の目的地は、社会の教科書で学ぶ朝鮮大学校だ。
 担任の黄先生はいつもながら元気だ。「…話しは目と耳、心で聴いて…見て、聞いて、感じたことを…」、所沢と東村山で乗り換えることを告げ出発だ。児童たちは一斉に「イェ~」。声が大きい。

イメージ 1

 車内で本を開く子、それを覗き込む子、「空想科学読本」だ。ドラえもんの挿絵が見え隠れしていた。
 黄先生が座った周辺には児童が群がっていた。女子児童も男子児童も席が空いているというのに、つり革にぶら下がり先生を取り囲んでいた。話し声は届かない。話す先生の視線は、一人ひとりの児童の表情を捉えていた。
 所沢で乗り換え。児童が乗るのを確認して最後に乗り込むと、女子児童が席を確保してくれていた。このことを書きとめようと、ノートを開くと、除きこまれた。「汚い字」と思ったのでは…。
 「○○は五頭身だな…」、「私は六頭身…」、「ドラえもんは六〇パーセントが顔だから…」、「金太郎は…」。車内ではそんな声が聞こえた。先ほど「空想科学読本」を読んでいた児童たちだ。

イメージ 2

 鷹の台駅で下車。黄先生が「トンムたち…ここが…」。駅頭にハングルで書かれていた「타카노다이」という文字を何人かの児童は거센소리(破裂音)の「」「」の二文字を強調し何度か繰り返していた。
 駅を背に歩きだしてしばらくすると、軽快な歌声だ。これまで幾度となく五年生のお伴をしてきたが、うたいながら大学に向ったのは初めてだ。

イメージ 4

 リュックにぶら下がった定期入れが、児童の足並みに合わせて踊っていた。
 途中、アジサイの陰から「東京朝鮮高校の裁判支援」の看板が見え隠れした。児童たちは気づかなかったようだ。

イメージ 5

 校門に差し掛かると、大きな声で「朝鮮大学校が見える」。教科書に書かれている通りの台詞だ。
 出迎えはいない。祝日と来校者が来るときに掲げられる共和国の旗が風にそよいでいた。
 児童たちは、教職員や学生が通りかがる度に大きな声で「アンニョンハシムニカ」をしていた。あいさつをされた方がビックリするくらい大声だ。
 「毎年、五年生を迎えていますが、三〇分も前に到着した学校は初めてです。それに中庭にいたら、校門の方から声が…中庭まで聞える程、大きな声だというのも…」
 「大学にはどんな花が?」、「大学ができたのは?」。教科書に書かれているのだろう、案内の先生の質問にも、大きな声で応えていた。「今まで来た中でいちばん声が大きいのでは…」。黄先生は「この子たちはいつもテンションが高いんです」と。

イメージ 3

 児童たちは、草創期大学生たちがつくったという、幅と高さが異なる階段を上ったり、下りたりして見ていた。幼いなりに、大学の歩みを噛みしめているのかもしれない。

イメージ 6

 記念館の自然博物館と歴史博物館からは、東京第三の卒業生が案内を引き受けてくれた。誰だれのオッパ()だとか、ヌナ()だとかとの紹介にみんなでうなづいていた。

イメージ 7

 自然博物館の中の朝鮮大学校校内で採取された昆虫のコーナーには人だかりができた。東京第三の卒業生で、前年に教育実習に来たチョ・ナレ先生が採取・標本の作製に参加したと書かれていた。虫取り網を広げて微笑んでいる先生の写真もあった。歴史博物館の李舜臣将軍のコブッソンの前では、テンションマックスだ。

イメージ 8

 つづいて、二手に分かれて蜂蜜小屋と鳥小屋の観察。網のついた帽子をかぶり、密枠を取りに蜜箱に近寄れるのは二人だけ、昨年は恐いのか、譲り合って希望者が出なかったが、今年はその場でジャンケン大会だ。はずれた児童たちも巣箱の近くまで近づいていき、案内の「ミスター蜜蜂先生」から何度となく注意されていた。

イメージ 9

 天気が良く、寄宿舎には布団と洗濯ものがぎっしりと干されていた。ふと、在学中、急に大雨が降り出し慌てて取りこんだことを思い出した。

イメージ 10

 鳥小屋の前で、「昆虫博士でもあり鳥博士でもある…案内します」と、紹介すると、児童の中からは「昆虫博士であり鳥博士というのはおかしいでしょ」という声。昆虫博士=昆虫好き、鳥博士=鳥好き、鳥は昆虫を食べるので、それは成り立たないということらしい。全員が鳥小屋に入り、怖がることもなく、餌を鳥の口元まで持っていき食べさせていた。

イメージ 11

 そして学食で昼食。この日のメニューはハンバーグと海老フライだ。東京第三を卒業した先輩たちも一緒に食卓についていた。
 「今日はよくいらっしゃいました。ハンバーグ、美味しいでしょ…大きくなったら私たちの大学に全員入学して下さい…」
 食事を終えた、張学長が児童たちに話しかけた。誰かわからなかったのか、いつもの大きな声での「イェ~」はなかった。

イメージ 12

 昼食を終え、研究棟の裏の売店に向うと、三人乗りした自転車が通りかった。児童たちがいたらきっと「ナプン ハクセン(悪い学生)」と大きな声で注意されたのでは…。ひきつづきテンションの高い児童たちに、そんな想像をしてしまった。

イメージ 13

 理科の実験が行われる第一研究棟に向う。昼時間、何人もの学生が写真を撮っていた。自撮り棒の先に付けたスマホに変顔する女子学生も。『風景』のグラビアを担当してくれている全先生は大きなカメラを四人の女子学生に向けていた。学生たちは飛び上がるシーンを撮ってもらいたようだが、白シャツのトンムは何度やっても足が離れることはなかった。そんな様子を児童たちは笑って見ていた。

イメージ 14

 児童たちは、洗剤を使ったフィルムケースの打ち上げも楽しんだようだ。

イメージ 16

 その後、サッカーとバスケットボール、吹奏楽の三つのグループに分かれての「体験授業」だ。吹奏楽希望者は四人、トロンボーンやホルン、サックス、フルートの音出しの体験、音が出ただけで嬉しさを隠しきれないでいた

イメージ 15

 別件で、ここで児童たちとは別れた。しばらくして、帰る時間になったのだろう、図書館から前庭を歩いていく児童たちの後ろ姿を見送ったが、何人も飛び跳ねていた。テンションは決して下がっていない。力が有り余っているようだ。