朝鮮大学校・校内ぶらり一周の巻 | トンポ・トンネ 日々イモジョモ

トンポ・トンネ 日々イモジョモ

ブログの説明を入力します。

朝鮮大学校・校内ぶらり一周の巻
【4月16日・木曜日】
 校門で受付をしていると、講堂前の芝生の方にで白い大きな網が木々の間から見え隠れした。
 所さんの番組風に言うと、「第一村人発見!」だ。
 黄色い小さなチョウが舞っている。近づいて行くと、やはり「昆虫博士」だ。
 私・「チョウを追っているのですか?」
 昆虫博士・「いえ、もっと小さな虫です」
 この時期、紅葉の木に小さな昆虫が集まると言う。網には何匹かのテントウ虫がついていたが、それは採集対象外のようだ。

イメージ 1

 木蓮の花はすっかり散っていた。やがてツツジの花が咲く。この時期がもっとも過ごしやすい時期だ。
 「『イオ』の子育てエッセイ、読んでいますよ」と、声をかけると「楽しんで書いています」との答えが返ってきた。書くこともそうだが、育児も楽しんでいるようだった。
 邪魔をしないように、その場を離れた。芝に鼻をこすらんばかりに何かを見ている姿は、遠めから見ても怪しすぎる。

イメージ 2

 出版部で、『朝鮮学校のある風景』に連載中のグラビアと工程などの協議を終え、いつも楽しみにしている食堂へ。右手の男子用のホールには長い行列ができていた。左手のホールへ。奥二列は教職員用のテーブルだ。女子学生に交じって席に着いた。行くたびになぜか、メンチカツが多かったが、この日のメニューはハヤシカレーだ。
 「ハヤシってご飯より、パンよね…」
 「ハヤシとハッシュドビーフの違いは…」
 そんな話を聞きながら、甲高い笑いとざわめきの中での食事は楽しい。
 隣に座った学生は、日本の高校からの編入生だとのことだ。佐賀県、唯一の体育学部の女子、「新報」に載った記事が思い浮かんだ。三、四人と話が盛り上がっているようなので、話しかけるのはやめた。
 食器を洗い場に出しに行くと、学長先生に呼びとめられた。「今度の号の○○はよかった。気持ちが伝わってきて…」。『風景』を読んでくれているようだ。学長先生はいつも声をかけて、励ましてくれる。
 そのまま図書館へ。前庭? 中庭を横切ろうとすると、青年同盟の事務所の前にいくつもの段ボール箱が並べられていた。本がはみ出ていた。段ボール箱の横にも無造作に本が積まれていた。
 「面白そうな小説ない?」「どれでも百円だって…」
 そんな話し声が聞こえた。
 「古本の即売会?」。卒業生が置いて行った本のようだ。日本の流行小説から、パソコン関連書籍に赤線だらけの法律書、「経済学」や「哲学」の教科書も、バラエティーに富んでいた。
 スポーツウエアの女子学生が座りこんで、段ボールの中の本をほじくり返していた。
 
イメージ 3

 通り過ぎて図書館へ。新聞や雑誌を読んでいる学生が四、五人、目が合うと、頭をさげて、口は「アンニョンハシムニカ」をしていた。書庫をひと回りしながら、南北朝鮮の教育関係の定期刊行物に目を通す。書架に『朝鮮学校のある風景』のバックナンバーが並んでいた。嬉しくて写真を一枚。三月下旬に刊行した30号が見当たらない。誰かが借りて読んでいる? そんなことも勝手に想像した。

イメージ 9

 研究棟の裏道を回って、温室の前の蜜蜂を見に行った。小学校五年生の社会見学の人気スポットだ。売店の前で、偶然に「クルボル アジョシ(蜜蜂おじさん)」に出会った。
 会うなりいきなり「今年はいいです。秘密のプランが…全国制覇です」の言葉だ。
 どうやら、ハチたちは元気に冬を越せたようだ。「全国制覇」とは、ここでとれた蜂蜜を全国の朝鮮の幼稚園児と小学生の児童にプレゼントしようとしているようだ。
 私・「全国と言っても…」
 蜜蜂アジョシ・「いっぺんにではなく、今年から何年かかけて…すでに瓶は揃えました」
 「必ず全国制覇します」という、言葉を繰り返していた。

イメージ 4

 寄宿舎のベランダは、吊るされた洗濯もので埋まっていた。入学式以後も雨降りの日がつづいた。久しぶりの晴天に、一斉に洗濯をしたようだ。
 食堂の前の大きな掲示板には、軽音楽団と吹奏楽部の新入部員募集のポスターが貼られていた。エレキギターを奏でるポスター? 私たちの時代には考えられない風景だ。エレキと言えば「アメリカ式生活様式」で批判の的になっていた。日本の学校でもエレキ=不良、非教育的だと禁じられていた。

イメージ 10

 その隣に、青年同盟の「図書販売」の案内ポスターだ。一六と一七の二日間、昼食時間。「音読英単語」、「幸せな統一のはなし」、「老人と海」、「模倣犯」、「脳を…」―どれでも一〇〇円と書かれていた。「本の売り上げ代金で抽選会をします」との文字も。何かのイベントの財源にするようだ。

イメージ 5

 そこから青年同盟の委員会室に向かった。文科省前での金曜行動の日程を確認するためだ。白髪のおじさん? が突然入っていたら…恐る恐るドアを開けると、金曜行動の場で顔をあわすトンムがいた。話は速い。
 一七日からスタート、一七日と二四日は、新入生と三年生を主軸に二〇〇人体制で臨むとのことだ。

イメージ 6

 話を終え、講堂の前を通りフェンスに沿って校門に向った。「蜜蜂アジョシ」が朝大産の朝鮮人参の栽培している所がある。この数年、敷地のあちらこちらにマッチ棒ぐらいの苗を植えたが、育たなかった。昨年ようやく小指ほどまで育った所が、そこだと聞いていたからだ。盛り土を突いて二、三本の葉がでていた。
 朝鮮人参を浸した蜂蜜を「朝大ブランド」にするという「蜜蜂アジョシ」の「夢」が実現に向け、着実に一歩踏み出したようだ。

イメージ 7

 再び図書館に向い、池の前で二、三十分たたずんだ。しかし、期待していたカルガモは現れなかった。餌を入れた容器は置かれていたのだか…。入学式の時につがいを見たと言う話を聞いていたのに残念だ。大学に朝一番に出勤する、巨漢の「護衛隊長」のfbでの報告を待つほかないようだ。

イメージ 8

以上、一〇時五〇分から二時間余りをかけての朝大ぶらり一周、二周の巻だ。