東京第三・60期生の成人謝恩会 | トンポ・トンネ 日々イモジョモ

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第三60期生の成人謝恩会
38日・日曜日】
 
 三階の五、六年生の二つの教室の隔たりを取りのぞいた会場には、すでに卒業生は集まり打ち合わせをはじめていた。
招かれたオモニたちも「再会」を喜び合っていた。
 「オ・ン・ニ…」、「どこどこ?」、「あそこ…偉そうにしているでしょ…」、「もうすっかり大人ね…でも面影は…」
 廊下で、そんな言葉が行き来していた。遅れてくるのか、アボジの姿はない。
 受付に座っていた二人から話を聞けた。一人は民族器楽部、もう一人は舞踊部。一年からの六年までの担任先生の名前は、しっかり覚えていた。
 クラスメートは二六人で、ラインで結ばれているという。参加するのは一七人、朝大に進学した二人は、卒業式と重って来られず、海外に留学している三人からはメッセージが届いたとのことだ。
 三階の窓越しに校庭を見ていると、女性同盟板橋支部の高委員長が校門から入ってきた。長く教壇に立っていた「名物先生」の一人だ。なかなか姿を見せない。下りていくと、金先生と二人で、二階に上る階段に貼り出されている歴代卒業生の写真に見入っていた。

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 「二六人か…この子もこの期だったのか…」 
 金先生は「児童」の顔を一人ひとり確認しているようだ。
 高先生は、手帳を取り出し、名前と顔を見比べていた。
 私・「その手帳…当時のですか…」
 高先生・「そうです。色んなことが書かれています…宝物です…」
 階段を上がって行く、新成人に高先生が声をかけた。
  「いい男になって…」。でも、名前は出てこないようだった。

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 この日は、「児童」たちはリラックスし、学父母は「再会」を楽しみ、緊張していたのは先生たちだったかもしれない。
 会場では、学芸会の懐かしのDVDが流された。新成人たちは会場の準備をしながら見ていたようで、淡々としていた。興奮したのは、保護者たちだ。一番多かった言葉は「可愛い!」と、「○○先生、若い!」だった。「はずかしい」を連発する新成人もいた。
 新成人と保護者たちはそろって、少年団のネクタイが似合っていた時代に引き戻され、懐かしんでいた。
 済州大学やフィリッピンに留学しているトンムや、カンボジアに旅行中のトンム、そしてこの日が卒業式で参加できなかったトンムからのメッセージが読み上げられた。帝京大学でラグビーの選手をしているトンムからもだ。
 「第三のことは忘れないよ」、「○○先生、怖かった」とか、「困らせてミアナムニダ」、「感謝の気持ちを忘れません…」。
みんな学校時代を懐かしむ、心のこもった内容だった。

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 先生たちは、小学生時代のエピソードを織り交ぜながらエールを贈った。
「歳月は水の流れのように速い…二〇代を大切に…」()、「人生の正解はないと言うが、揺るがず…」()、「二〇代、後悔することがないように…目標をもって」()、「これからはトンムたちがウリハッキョを守っていってほしい…」()、「あのときがあるから今があるということを忘れずに…」()

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 卒業生たちがうたい始めると、オモニたちは一斉にスマホを向ける。笑顔は輝いていた。
 …アボジ、オモニに誓います/末長くウリハッキョを守って行きます/…/楽しい学校生活を送りました/…/第三の名前を轟かします/アボジ、オモニ感謝します/…。

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 そして記念写真。アボジたちはそわそわしながらチマチョゴリ姿の娘の後ろに立ち、オモニたちは息子に寄りそっていた。

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 Vサインをしての友とのツーショットを、二人のオモニはスマホでパシャリ、子ども同士が仲良しだと、親たちも親しくなるようだ。
「参加して良かったことは…教務主任の金先生がトンムたちの母校、東京第三はこの大山の地で、七〇周年だけではなく一〇〇周年を迎えるだろう、との力強い言葉だった。自分の子どもが通った学校はいつも、いつまでも輝いてほしい」
 オモニの言葉は弾んでいた。卒業生も保護者たちも、ウリハッキョへの思いを改めて強くしたひと時であったようだ。

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*加筆して『朝鮮学校のある風景』31号に載せます。