【6月28日・土曜日】
校舎に入ると、運動会でマスコットデビューしたチェサミとミレが、階段に座ってゲストの到着を待つ児童たちとジャンケンをしていた。チョキが出しづらそうだった。

1階の炊事場から、野菜を煮込んだスープの匂いが…。カレーのルーはまだ入れていないようだ。手前の教育会室をのぞくとオモニ会のメンバーの笑い声。
私・「この本は?…」
机の上には、何冊もの本が積まれていた。袋に入ったままのもある。
趙会長・「フェイスブックで紹介してくれましたよね…どうやって知ったのか…本と一緒に現金も…」
オモニ会では、今年のメインテーマとして「子どもたちに良書を!ドーンと700冊」運動に取り組んでいるが、すでに手ごたえを感じているようだ。

隣の炊事場からも笑い声だ。野菜に火が通るのを待っているのか、しばしの休憩、おしゃべりタイムのようだ。

玄関に戻ると、保護者に手を引かれた幼児がチェサミとミレに挟まれて、記念写真に収まっていた。遠目に見ても「二人」の顔は大きい。運動会の時もそうだったが、多くの幼児は恐る恐る近づいていた。土曜日だというのに、夫婦連れが多い。土曜日の午前中だというのに、夫婦連れが多い。「育メン」、在日の社会でも子育てに積極的にかかわろうとする男性が増えているようだ。

ゲストの出迎えや、釣りや、輪投げ、ボーリングなどお遊びの相手は、高学年の分担だ。運動会で会っていたり、親戚の子だったり、顔なじみが少なくないようだ。

女の子の双子、グリーンのシャツが良く似合っていた。アボジの傍から離れようとしない。いや、アボジが放そうとしないのかも…。新報社の李トンムの娘だ。
私・「今日は…」
李記者・「取材半分…」
娘たちの写真係は、嫁に任せているようだった。

低学年は、公演に備え、少し早目の昼食をとっていた。いつもの弁当ではなく給食、カレーだ。
「キムチを食べる人?」。あちこちから手があがっていた。後に炊事場をのぞくと、キムチが予想外に出たと、話していた。

給食の支度に来たオモニや、幼児を連れてきた保護者たちが会場の外の廊下に展示した「笑顔の運動会」の写真を見ながら、おしゃべりを楽しんでいた。運動会で競技に参加する幼児たちの写真の前では、抱っこをして息子にその写真を見せるアボジの姿もあった。

リトミック学齢前の幼児を対象にしたオリニフェスタのプログラムは盛りだくさんだった。3階の三つの教室の隔たりを取り去ったメイン会場では、音楽の朴先生によるリトミック―幼児たちは、高学年の兄や姉と一緒に、リズムに合わせて身体を動かしながら、幾つかの日常会話を楽しそうに会得していた。絵本の読み聞かせ―大きな本のページをめくりながら、交替で演じるオモニたちの方が緊張しているようだった。

つづいて独舞―途中、勢い余って、客席に倒れ込むアクシデントもあったが、やり遂げた達成感からか、清々しい笑顔で教室を後にしていた。
低学年全員による歌と踊り―ひとことではじけていた。伸び伸び、楽しんでいた。

新報社からもう一人来ていた。金トンムは記者としてではなく、オモニとして、赤いエプロン姿で、2年生の息子に笑顔でスマホを向けていた。

昼食後、チェサミとミレとの記念写真をもらって、自由解散。
李記者は、嬉しそうにカレーを娘の口に運んでいた。
私・「どっちがどっちの子に食べさせるという分担はあるの?」
李記者・「そんなことはありません…なんとなく…」
「平壌の支局に行くと何か月も…それで戻って来ると子どもの抱き心地が違うのです」とも話していた。
食事を早々に済ませて、本業の記者活動だ。呼びとめるのだが、なかなか取材には応じてもらえないようだ。ほとんどのアボジやオモニが先輩後輩と言っていたが、それが逆にやりにくいのかもしれない。IK