川崎での美術展へ | トンポ・トンネ 日々イモジョモ

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【12月9日・月曜日】
川崎での在日朝鮮学生美術展へ。
会場の川崎市教育文化会館に着くと、児童の一群が帰り仕度をしていた。
トイレに入ると、隣の女性トイレから
「ヨロチュセヨ(開けてください)
「開け~ゴマ」
「クゴ イルボンマル(それは日本語)
あどけない児童の話し声がもれてきた。
ロビーにいた引率の先生に聞くと、西東京第2の低学年だという。西東京第2というと、少人数クラスのイメージがあったが、学年ごとに10人前後はいた。新年度の新一年生も二桁だとのことだ。
出入り口に全員整列すると、受付にいた女性が話し始めた。
たくさんの絵がありましたね。高校から幼稚園まで、絵画展は一年に一回、開かれます。自分の作品を確認しましたか優秀賞はこれから名古屋、福岡などで展示されます。それ以外の作品は2学期末か、3学期に図工の時間に返します
図工の朴先生だ。児童たちは声を合わせて、「アンニョンヒケシプシオ」と言って、会場を後にして行った。
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「学美」と呼ばれる「在日朝鮮生美術展」は、今年で42回目だ。すでに東京、神戸、広島、北海道、京都などでの巡回展示を終え、神奈川は年内最後の展示会だ。新年には名古屋、福岡、島根で開催される。
9月に行った埼玉会館での東京展と神奈川展の展示内容は多少違っていた。優秀賞に選ばれた作品は、各会場を回るが、地方展では、近隣の学校の応募作品なども同時に展示されるからだ。神奈川展は、県下と西東京の6校のウリハッキョだけではなく、日本の県立小中高生徒・児童の「朝日美術交流展」も兼ねていた。
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 年配の男性が受付の朴先生に話しかけていた。
「朝鮮学校と日本学校の絵の違いは?」
「どう思いますか?」
「私見ですが、朝鮮学校は龍が多い。龍が多いということは…日本の学校は自画像が多い、地域の寺や風景をテーマにした絵も多いのでは…。朝鮮学校の絵は、色彩が多様で…心の反映なのか…。教える側も一世から代替わりし、教わる方は四世?五世?…時代の反映なのだろうだが、自由な発想で、自分の世界をのびのびと描いている…」
甥か姪の絵を見に来たという男性は、そんなことを話していた。
しばらくすると、他の学校の児童が着いた。横浜のウリハッキョ、やはり低学年だ。1年生を引率してきた女性の先生が話し始めた。小柄なので、児童の中に埋もれていた。
注意事項は、会場は走らない、大声を出さない、さわらない―の三つ、1年生は2年生、2年生は…一つ上の学年の作品を見なさい。来年はそんな絵を描けるように…「凄い」と思う作品を見つけなさい。それから自分の作品も…。
一眼レフの大きなカメラを持った男性の先生が見守っていた。暖かそうなブーツを履いたもう一人の女性の先生の手には小さなデジカメが握られていた。
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  児童たちは一斉に散って行った。先ほど話していた先生に連れられて会場に入った1年生は、高級部の大きな作品の前で記念写真に納まっていた。ワイシャツが体操着からはみ出た児童が何人かいた。
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2年と3年の担任は、児童を作品の前に立たせ写真を撮っていた。
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 先生の跡を追って、カメラを向ける作品をのぞくと、男性の先生は2年担任で、もう一人の女性の先生が3年の担任のようだ。
幼稚園児の作品は天真爛漫、児童の作品は自由奔放、高校生の作品ともなると、「芸術」といった感じだ。動画やアニメなども多数展示されていたが、尼崎や神戸のハッキョの作品にははまった。幾度も見てしまった。粘土細工の展示が多かった。とても一人では抱えきれない、大きな塊のような作品もあった。
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 作品は学年別、学校別に展示されている。2年担任の先生が他の学校の絵にカメラを向けていた。西東京第2の幼稚班に通う娘の作品だとのことだ。初級部にも通っている、笑顔で話してくれた。この時ばかりはソンセンニムではなく、アボジの顔だ。
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 1年の担任は、クラスの児童の作品を一点ずつ丁寧に撮っていた。
「〇〇トンム、いませんか?、呼んでらっしゃい。写真がないとオモニが悲しみますよ」
児童と作品のツーショットが撮れなかったのだろう、会場では大きな声を出さないことと、児童に注意事項を伝えていた姿を思い出し、笑ってしまった。
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  会場には、保護者も訪れていた。まずは自分の子どもの作品を確認し、甥や姪、そして「これ〇〇の長男や」そんなことを言いながら、先輩や後輩の子どもたちの作品にも目をやっていた。
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 会場の並びの喫茶店にいると、黄色く色づいたイチョウの木の下を駅に向かって歩いて行く、児童が見えた。思わず店を飛び出し、「幼い画家」の後ろ姿に向かってシャッターを切っていた。
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 日本人の先生とも話すことができた。午後から先生同士の授業の経験交流会があるとか。地域ごとの特色、いいかえれば、図工担当の先生の「個性」というか、「指向性」というか、そんなことも垣間見ることができた。ここでも元気をもらった。可能であれば、神戸に次いで、多くの作品が展示される最終の島根での展示会にも行ってみたいと思った。島根は最大規模、違う「風景」を見られるであろうからだ。
 
追・
2011年、2012年の入賞作品はインターネットサイト「在日朝鮮学生美術展」Jimbo(http://gakubi.jimdo.com/)で見ることができる。今年の作品もまもなくアップされるはず。ぜひ立ち寄って見てください。見応え十分です。