【4月30日・火曜日】
校門を飛び出してきた男女の児童とすれ違った。
「そんなに急いでどこへ?」
立ち止まろうともせずに、「ハラボジの…」、聞き取ることができなかった。
後に、「朝鮮新報」を見て知ったのだが、ハラボジの納骨に平壌に発つ日だったようだ。
今年、学区の一つ豊島の青年同盟に赴任したトンムが3、4人の児童を、その後を地元、板橋の女性同盟の委員長もまた何人かの児童を連れて校門を出て行った。何人かの児童はふりかえって、「アンニョンハシムニカ」をしてくれた。
「今日は支部で…」。委員長は話はじめたが、児童たちが急かせるので、そのまま見送った。
校舎に入ると、金校長は、「会われましたか?火曜日は、部活なので支部の専従が下校の面倒を見てくれます」と。

4年生の教室の壁には、先日東京朝高で行われた少年団入団式の壁新聞が貼り出されていた。
「全員が入団しました」、との文字の下に、赤いネッカチーフを首に巻いて、行進する姿や記念写真に納まる様子が紹介されていた。当日、入団式の途中で席を立ってしまったが、行進は校庭で行ったようだ。担任の金先生のお祝いメッセージも載せていた。

隣の5年生の教室へ。この日の訪問の目的は、「アボジを漢字一文字で表せば…」を見るためだ。
2日前の公開授業の時に、貼り出されていたようだが、見逃してしまった。後日、フェイスブックにアボジの「喜び」がアップされているのを見て知った。 「強」と「柱」が2名ずつ、「忙」、「考」、「麺」、買」、「暖」、「橋」、「同」、「働」、「温」、「勤」、「蹴」、「輝」、「笑」。「働き者で、いつも輝いているから」、「アボジが笑うと家族がなかよしになるから」、「いつも温かく見守ってくれるから」、「いつも家の中心、柱になって家族を支えてくれるから」、「話をきいていると、『同じ考え』と感じる時がおおいから」、「必要なもの、食べたいものをすぐに買ってくれるから」、「いつも考えてくれるから」、「家族をつなげる橋のような存在だから」「いつも勤勉に働いているから」
そいずれも、公開授業を意識してか、れなりアボジが喜びそうな理由が記されていた。
フェイスブックに、子どもが選んだ一文字の写真をアップするアボジの気持ちも分かるような気がした。

運動場では、低学年の男子児童がサッカーに、屋上では女子児童がバスケットボールに興じていた。
女子児童は人懐っこい。
女子児童・[ソンセンニムはいくつですか?」
もう一人の児童・[52歳」
他の児童・「髪の毛が白いから、100歳!!」
私・「4年担任の金先生のアボジと同じ」
女子児童・「わからない」
しばらくすると、今度は「一緒にやりましょう」と、ボールをパスしてきた。
「やったことないでしょ。パスするときは、こうやって肘をしめて…」
突然、「バスケットボール教室」をはじめた。
一生懸命に説明をしようとするのだが、言葉に詰まると「イロッケ(こんなふうに)」、「イロッケ」だ。
先生の真似をしているのかもしれないと思った。

廊下では、5年担任で、バスケの責任者の一人である許先生が児童に囲まれていた。
「イロッケ」「イロッケ」と、言っているのではないかと思うと、笑いがこみあげてきた。

図工室では、美術部が交通安全のポスターを描いていた。
児童が仕上がった作品を黒板に貼ると、張先生は「縁をもっと太く」とか、「色をもう少し…」とか、やり直させていた。

現代器楽部では、黄先生が3人の児童に縦笛を教えていた。 音がそろわない。新入部員のようだ。
校内を見回っていた金校長が言っていた。この日は少年団に入団した4年生の初めての部活の日だと。
隣の教室では、民族器楽の朴先生が、「希望して入ってきたのでしょ…」と、新入部員に活を入れていた。

教員室では、3年担任の全先生が、翌日の遠足の目的地の変更で、電話と「格闘」していた。
当日は雨模様だというので、目的地を変更、その手配に追われているようだ。
高学年が行く科学美術館の団体入場の確認をしたり、低学年がいく葛西臨海水族館は大型バスの駐車料金を尋ねたりしていた。目的地変更による、遠足代金の計算もしなくてはならないようだ。
教員室に立ち寄った、黄先生は笑いながら「センソンニムも行かれるのでしたら、お菓子は300円までです」と、念押しをしていた。
遠足にはこの3、4年、同行して、児童に交じって楽しいひと時を送っていたが、今年は行くことができなかった。翌日は予報に反して雨は降らなかった。「晴れ男」を自認する金教務主任の顔が浮かんだ。